某製薬メーカーのMRが雑誌の別刷を持って来ました。「CRA症候群を考える」という特集でしたが、恥ずかしながらその時初めて聞いた疾患概念でした。
以下CRA症候群の概念を紹介させていただきます。 心・腎・貧血? 三者のかかわりCRA症候群とは, CRA症候群とは,cardio-renal anemia(syndrome)の略で,イスラエルのSilverberg博士が2003年に最初に使った言葉です。もちろんそれ以前から心不全の患者に貧血の合併率が高いことはわかっていました。腎機能と心疾患の関係では,腎機能が悪くなるにつれて心疾患イベントが増えるという関係にあり,逆に心疾患からみると,CHF(congestive heart failure,心不全)ではかなり高率にCKD(chronic kidney disease,慢性腎臓病)の合併が見られます。そしてそこに貧血の合併があれば,心不全の患者の死亡率は明らかに高くなります。このことは血中ヘモグロビン(Hb)濃度の動向とよく一致しており,病態との関係が非常に高い再現性をもって観察されるところから,心疾患患者に貧血が伴うのはよくないのだということが分かります。このことはSilverbergらの調査でも明らかで,貧血,CHF,CKDのいずれもないような人と比較すると,貧血がある場合では2年死亡率は倍になりますし,貧血+CKDでは4倍以上です。また,CKDと貧血の合併でも4倍,さらに貧血・CHF・CKDの3つが全部そろうと,6倍にはね上がるというデータも報告されています。 https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/iyaku/doc/2006-09/129.htm <コメント> 最近CKD(慢性腎臓病)が疾病概念として注目されています。考えてみると医学生の頃はもちろん、少し前までにはなかった概念が出て来て、今までが何だったんだろうと思うことがあります。 メタボリックシンドローム、逆流性食道炎(GERD、NERD)、過活動膀胱、慢性腎臓病(CKD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などなど。 従来の概念のどれに相当するものかを振り返ってみることも大切かもしれません。ガイドラインも次々に改訂されることを医学が進歩しているとみるか、ただのカオス状態とみるのか。考え方の別れるところです。 特に体格の個人差も考慮にいれずに、はじめに腹囲(必要条件)の数字ありきのメタボリックシンドロームの定義には疑義を感じる方も多いのではないでしょうか。 ピロリ菌のような画期的(エクサイティング)な医学的発見は意外と少ないのかも知れません。この発見を契機として変節(?)した胃潰瘍の学者は数多くいましたが。 CKD診療ガイド公開について http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/CKDopen.html 慢性腎臓病(CKD)対策 http://www.med.or.jp/nichinews/n180720o.html CKD診療ガイド 日本腎臓学会編 http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/CKD-web.pdf メタボリックシンドローム・ネット(メタボリックシンドロー撲滅委員会) ( 医学会、行政、産業界そしてメディアグループが一体となり発足した、メタボリックシンドローム撲滅委員会が提供 ) http://metabolic-syndrome.net/ 医学会、行政、産業界そしてメディアグループが一体 ある意味でのすごさを感じます。 Metabolic Syndrome http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=4756 一般の方のブログは別にあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/
by esnoopy
| 2007-08-07 02:00
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