私事で誠に恐縮ですが、学生時代ハリソンで内科専攻を決め、卒業後はハーストに接して循環器学を選んだといっても過言ではありません。
歳がバレるので余り言いたくはありませんが、私の医学生時代には国内に優れた内科書がなく吉利の内科診断学を読んでハリソンで肉付けをするといった感じでした(今振り返ってみると、現在の医学生とは比較にならないお粗末な情報量です)。セシルも持っていましたが殆ど読んでいません。 さて、当時のハリソンは、たしか黄色い装丁でしたが、現在手元にあるのはそのはるか後の第9版です。現在は第16版ですので、これも随分古い版ということになります。 以下、かつても今も内科学のバイブルたるこの教科書を、ノスタルジアも込めて振り返ってみます。 医学的問題の最終判断に際しては、何かにつけ「ハリソンにはどう書いてある?」 と問うのが世界の常識。 学生時代から現役引退まで生涯、いつも傍らにある…それが『ハリソン』 言わずと知れた世界最高・最強の内科学書 紹介文より http://www.fujisan.co.jp/Product/1281681608 ハリソン内科学がグローバル・スタンダードであることは誰もが知っていることである。 http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/watashino-susumeruhon/harrison.html 『世界でもっとも読まれている内科の教科書は『ハリソン内科書』です。この中に興味深い記述があります。震盪後の頭痛・軽度の頭部外傷後や車両の追突事故後に、多くの患者が頭痛、ふらつき、めまい、記憶喪失を訴える。その他、不安、興奮、集中力の障害などの症状がある。----(中略)原因は不明であるが、一般的には心理的なものとは考えるべきではない。これらの症状は、係争中の賠償補償の終結後も 長く続くことがしばしばである このように考えてくれている医師がアメリカにいることに驚き、とてもうれしく思いました。』 篠永著 「低髄液圧症候群の決定的治療法」より http://www12.plala.or.jp/sebeknef/muchiuti01.htm 『授業といえば、慶応の内科診断学の循環器の講議で中村芳郎先生の「試験はハリソン以上のことは求めませんから。ハリソンは医者のcommon sense (常識)」という言葉と内科の猿田教授の「君たちは寸暇を惜しんで、ハリソンとセシルを読まなければならない。」という言葉が心に残っている。』 http://www2s.biglobe.ne.jp/~okato/topic.html 『大学病院での研修医時代、市中病院への出張直前には鈴木洋通先生(現埼玉医大教授)からの「ハリソンとセシルとワシントンマニュアル。この3つあれば、どこでも戦える。」という言葉も記憶に残っている。』 http://www2s.biglobe.ne.jp/~okato/topic.html (ほんまかいなと、つっこみを入れたくなる。これらが基本としてもUp to Dateな知識は必須のはず。) あなたとハリソン http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/harrison.html (ここにも同様な意見が述べられている) 『N大学の大学院生時代、教授回診についたらポリクリの学生が「診断学を授業できちんとやっていない。」などの発言をしたようでH教授が「たとえば、黄疸をきたす病気は何かなど、どんな本にでも書いてあるはずで、いちいち授業で一から手取り、足取り教える必要はないはず。」と立腹されていたが、そのとおりである。』 http://www2s.biglobe.ne.jp/~okato/topic.html 「N大学の学生も決して馬鹿ではない(むしろ賢い)から、日頃の診断学の講義や実習に対する大学側への不満が、つい口をついて出たのかも知れません」 「プロの医師」と『ハリソン内科学』 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2532dir/n2532_01.htm (きわめつきの鼎談です) 一般の方用のブログは別にあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/
by esnoopy
| 2007-08-16 01:00
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