逆流性食道炎(GERD)

いまさらのことですが逆流性食道炎(GERD)のお勉強とおさらいをしてみました。

今はGERD よりNERDが旬かも知れません。今回はTLESRという概念を覚えました。

実地医療では、PPIや消化管運動機能改善薬を用いても十分コントロール出来ないGERDによく遭遇して頭をかかえることもしばしばです。




GERDの発症機序と治療

http://dsp.m3.com/ck9a4398150d8075e7d104b23e406f8bc20b1ace8b6c1b6055eae0a7206695efd91e2f07d2c8882081f1c1308e520f67a7dd451da38af7ab8fdf38dae453c88029888/contents/english_channel/04/index.html

GERDとは
 胃散、ペプシン、胆汁酸などが食道へ逆流することによって、起こる症候群

●食道への酸の逆流は生理現象のひとつ。
●過剰になると、胸焼けやゲップ、胸痛などの辛い症状が発生し、食道粘膜の炎症が
 起きる。
●内視鏡的な食道炎の有無にかかわらず、胸焼けが週2回以上出現していれば
 GERDと定義される。



TLESR(transient lower esophageal sphincter relaxation)とは
    ( transient LES relaxationと覚えると理解しやすい)

食道裂孔ヘルニアなどでLES 圧が低下したり、胃排出の遅延で胃内物残留による胃壁の進展刺激が生じると、このTLESRを起こす。  
胃内の胃壁などが伸展刺激を受けた時に、迷走神経を介して反射的に下部食道括約筋
(LES)が一過性に弛緩する反応
     (ゲップが出る時のメカニズムと同じ)

     
GERDの成因として、このTLESRというメカニズムが考えられる。
   
TLESRは次の場合に起こり易い               
     食道裂孔ヘルニア
     胃排出の遅延で胃内物残留による胃壁の伸展刺激が生じた場合
     暴飲暴食などで一過性にLES圧の機能低下が起きた場合

さらに食道の蠕動などの運動機能が障害されていると、酸クリアランスが低下し、食道が障害を受ける。
胃十二指腸逆流、外科手術による逆流防止機構の破壊などもGERDの発生要因になる。
その他
唾液分泌の低下、ヘリコバクターピロリの除菌、肥満や過食、睡眠時務呼吸、カルシウム拮抗薬やα遮断薬の服用、飲酒や喫煙などが原因になることがある。


治療は、食生活の指導と薬物療法
1)食生活
  ●1回の食事量を少なくする
  ●就寝前2時間の摂食をやめる
  ●LES圧を低下させる脂肪食、アルコール、チョコレートの摂取を控える
  ●胃散分泌を促進させるコーヒーや紅茶などカフェインを含むものを控える
   
2)薬物療法
   ●プロトンポンプ阻害薬で酸分泌を抑制
   ●消化管運動機能改善薬でLES圧の上昇、食道蠕動運動の改善、胃酸排出
    の改善を図る

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睡眠深度と一過性下部食道括約部弛緩の関連について
-健常者と閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者との比較検討-
http://neuro-g.umin.jp/publication/4-kai_PDF/0801-13kuribayashi.pdf

睡眠時無呼吸症候群と胃食道逆流症(GERD)
http://medical.radionikkei.jp/igakushoten/final/pdf/060313.pdf

Gastroesophageal Reflux Disease
http://www.medscape.com/viewarticle/457730_3

逆流性食道炎について
http://www12.plala.or.jp/yuzawa-clinic/sub5.htm
(講演会の原稿。 逆食のすべてが1頁にまとめられている)


消化器科/逆流性食道炎
Q1 
逆流性食道炎の患者の生活指導に、横になる際に上半身を高くする以外に左側臥位にするとよいという話を聞いたが本当か?
<参考>
右と左
http://wellfrog.exblog.jp/6725043/

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  (一般の方または患者さん向き)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
葦の髄から循環器の世界をのぞく  (循環器科関係の専門的な内容)
http://blog.m3.com/reed/
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by esnoopy | 2007-08-23 01:00 | 消化器科
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