低髄圧性頭痛

きょうは低髄圧性頭痛をおさらいしてみました。

低髄圧性頭痛は病態から脳脊髄液減少症、種々の愁訴があることから低髄圧性症候群
ともいわれます。

すでに多くの先生方は名前は聞いておみえになることと思います。
日常診療で頭痛を訴えられる患者さんは数多くみえます。
どれだけの方がこの病態に一致するのか、可能性が考えられたら脳外科へ紹介して、
はたして脳外科医がとりあってくれるか。
まだまだ問題の多いところです。

知られざる頭痛の原因として専門的には注目すべき疾患です。体内で脳脊髄液が
漏れて(髄液漏)、髄液圧がさがり、頭痛や吐き気などがおこる状態を言います。
体内での髄液漏のために、通常の脳脊髄の検査では、検出されにくいのが特徴です。

●低髄圧性症候群自体は100年近く前から知られている病態である。
●むち打ち損傷後の頭痛などの多彩な症状は低髄圧性症候群によるものである。
(国際医療福祉大熱海病院 篠永正道氏)
●脳脊髄液減少症研究会作成「脳脊髄暫定ガイドライン」
●ICHD-2(国際頭痛分類第2版)による低髄圧性頭痛
に関する診断基準は画期的ではあるが、この基準での座位・立位15分以内に増悪を
必須条件にすると、多くの症例は除外されてしまう。
●この疾患は希な疾患ではない。
●悪化すると、慢性硬膜下血腫などの頭蓋内出血をきたし、記憶障害、運動障害、
意識障害などが出現することもあります。
●ブラッドパッチは有効な治療法である。
●現在、この疾患の画像診断およびブラッドパッチ治療は保険適応外である。
●不定愁訴、外傷性頸部症候群、慢性疲労症候群、うつ病と診断されている患者
のなかに特発性低髄液圧性頭痛が含まれていることも指摘されている。
低髄液圧性頭痛、低髄液圧症候群
http://members.at.infoseek.co.jp/teizui_file/
低髄液圧症候群
http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.201_300/204teizuieki.html(原因不明の低髄液圧症候群患者の20%が慢性疲労症候群と考えられています。)
「低髄液圧症候群」 〜知られざる頭痛の原因〜
http://www.hospital.arao.kumamoto.jp/kongetu_kenkou_zuieki.htm特発性低髄液圧症候群
http://www5e.biglobe.ne.jp/~ebinansc/teizuiekiatu.htm腰椎穿刺などの明らかな外的誘因なく頭蓋内圧の低下をきたす
立って15分以内に起こり、横になって30分以内に改善または消失する体位性頭痛
平均発症年齢は40歳前後であり、約3:1の割合で女性に多い。
特発性低髄液圧性頭痛はどのように診断し,治療するか(2007.9.21追加)
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000061_0022.html
(診断および治療が系統的に詳述されている)
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栁瀬俊雄 「蘭 」
http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e72517405

最後に篠永先生の新聞投稿記事を掲載させていただきます。

2005/8/4 朝日新聞8月2日(東日本)掲載 「私の視点」より
脳神経外科医教授 篠永正道先生 国際医療福祉大学附属熱海病院

一年間の交通事故による負傷者約100万人(昨年は118万人)の5%が6ヶ月以上の
長期にわたり頭や首、腰の痛みや、めまい、耳鳴り、吐き気、視力低下、著しい疲労感
など様々な症状で苦しんでいると推定される。
そのため職を失ったり、家庭が崩壊する例は決してまれでない。
これまで症状が長引く原因として頚椎の関節障害や靭帯損傷、頚部交感神経障害
によるバレリュー症候群、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが取り上げ
られてきた。
しかしどれも多彩な症状が長期にわたって持続することを説明するのは困難だった。
そのために補償金目当ての「詐病」を疑われこともしばしばだった。
今から約5年前、私はむち打ち症後遺症の症状と特発性低髄液圧症候群の症状が
似通っていることに注目し、多くのむち打ち症後遺症の患者さんの腰椎部から脳脊髄液
がもれていることを発見した、
むち打ちの衝撃が一時的に脳脊髄液圧の急激な上昇をもたらし、腰椎部から持続的
に脳脊髄液がもれ続けることにより脳脊髄液が減少し、様々な症状を呈すると考えた
のだ。
特発性低髄液圧症候群(SIH)の治療は臥床安静と十分な水分摂取が主だが、それで
改善しないときは患者さん自身の血液を脊髄硬膜外腔に注入して髄液の漏出を止める
ブラッドパッチ療法が効果的である。
そこでこのブラッドパッチ法をMRI(磁気共鳴断層撮影)などで診断のついたむち打ち症後遺症の皆さんに行い、約7割の患者さんの症状を改善することができた。
ところが、一般的にむち打ち症で患者さんが通う整形外科などの医療現場では認知度が
低く、理解が遅れている。
また、厚生労働省も「むち打ち症と脳脊髄液減少症の因果関係が不明」「学会で
認められているとは言いがたい」などとして、保険診療の適用をいまだ認めていない。
それもあってか治療費や後遺障害示談金を支払う立場の保険会社は概して
むち打ち症後遺症としての脳脊髄液減少症に懐疑的であり、支払いを拒否する例が
後を絶たない。
この疾患が早期に診断・治療されれば、医療費が削減されることは明らかで、
保険会社の治療会社の治療費支払金額もかなり減少するはずだ。
ブラッドパッチ法は患者さんの口コミやインターネットでの情報伝達、テレビ、
新聞などで取り上げられて以来、徐々に広まってきた。
現在までに治療を受けた患者さんは2千人を超えた。
また、全国で患者の会が中心となり、保険適用を求めて署名を行い、いくつかの
府県議会ではこの疾患の正当な評価と治療法の確立を求めた議決がなされてもいる。
一方 約3年前からは数十人の医師があつまり、脳脊髄液減少研究会を立ち上げ、
この疾患についての研究・情報交換を行っている。
しかしこの疾患に関してはなぜ多彩な症状が出現するのか、どのように脳脊髄液がもれるのかなど基礎的な研究は大きく立ち遅れている。
さらに有効な治療法の開発も望まれる。
むち打ち症後遺症患者がブラッドパッチ治療を求めて限られた医療機関に殺到している
現状を踏まえると医学会、行政、法曹界、保険会社などがこの問題に積極的に
取り組む時期に来ていると考える。
交通事故被害者の救済のため、一刻も早い治療体制・研究体制の確立を
願ってやまない。

<コメント>
まだまだ病名自体が市民権を得ていないようです。
これは2年前の記事ですが現在の状況はどうでしょうか?
脱水でも低髄圧性頭痛が来るという考えから点滴を行い頭痛が軽減するか
どうかをみる先生もいます。
たしかに片頭痛などでは嘔吐、食欲低下も手伝って大なり小なりの
脱水が起こっているものと思われます。

<番外編>
ケアネット・ブログにこんなアンケートが載っていました。
どれも知らない私は異常でしょうか?
数多くある医療ドラマ!その中の主人公の医師も多種多彩だ。先生が好きな主人公(医師)は?

 Drコトー診療所の五島健助
 白い巨塔の里見脩二
 救命病棟24時の進藤一生
 ブラックジャック
 ドクターK
 赤ひげの新出去定
http://blog.carenet.com/debate04/002425.php

山本学が演じていた里見脩二は何となく分かります。
財前教授は田宮二郎の印象が強烈で唐沢版は見ていません。
こんなこと言ったら年がばれちゃいますね。
http://homepage1.nifty.com/dorama/siroi.htm


循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きは
「ふくろう医者の診察室」 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
               でとりあげています。
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by esnoopy | 2007-09-18 00:47 | その他
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