片頭痛とトリプタン製剤

きょうは片頭痛についてお話させていただきます。

片頭痛についてはすでに十分理解されていることと思いますが、概念を整理される
方は以下のサイトをクリック願います。

片頭痛
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000061_0027.html
(頭痛ガイドライン。これ以上詳しく書かれたサイトはないと思います。
「次のページへ」もクリックして下さい)
片頭痛対策編
http://homepage2.nifty.com/uoh/hosp/01taisaku_mig.htm

さて、昨日GSK社から「イミグラン」の「使用上の注意改訂のお知らせ」が
ダイレクトメールが送られて来ました。
トリプタン製剤は現在「マクサルト」「レルパックス」「ゾーミッグ」「イミグラン」
とありますが、たまたま改訂が送られて来たことと投与法が3種類あるという
ユニークさから「イミグラン」をとりあげてみます。
他意はありませんので誤解のないようにお願いします。
誹謗中傷のつもりも全くありませんので悪しからず。

主な改訂内容としては2つです。
まず第1にセロトニン作用の増強に関連する記述が変更されました。
第2に若干の副作用の追加がありましたがここでは省略します。

改訂理由からの抜粋
本剤と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を併用した場合には、
セロトニン作用が増強し、脱力感、反射亢進、強調運動障害等がみられることがある
旨記載し、注意喚起をしておりました。この度、これらの個々の事象について
「セロトニン症候群」として一部表現を改め、さらにSSRIの薬剤の例示として
塩酸セルトラリンを追記いたしました。
またセロトニン・アドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)についても追加記載しました。

<コメント>
この「セロトニン症候群」という記載は他のトリプタン製剤にも共通の改定事項で、
「イミグラン」だけではありません。

改定前
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
改定後
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
セルトラリン(ジェイゾロフト)
ミルナシプラン(トレドミン)

ここで「セロトニン症候群」の紹介です。同じく「お知らせ」からです。

セロトニン症候群の臨床症状は、下痢・腹部膨満感などの消化器症状、不安・焦燥・
錯乱・せん妄などの精神症状の変化、振戦・ミオクロヌスなどの筋のトーヌスに関係
する症状、発汗・血圧変動・頻脈などの自律神経症状、意識障害、発熱など多彩な
臨床症状からなる。

「Sternbachの診断基準」というのがあるようです。
http://pidbgtsv.ps.noda.tus.ac.jp/fukusayouDB/SS/sindankijun/Sternbach.htm
セロトニン症候群
http://pidbgtsv.ps.noda.tus.ac.jp/fukusayouDB/SS/SSmain.htm

さて、もうひとつの「イミグラン」の話題は何といっても自己注射の申請中
ということです。
個人的には高血圧の方が自己注射で事故を起こす懸念や点鼻液があることからも
この動きには賛成しかねます。
何か起これば「自己責任」ということなのでしょうか。
ある情報筋からは群発頭痛の患者さんの組織からの強い要望ということですが
真偽のほどは確かではありません。
厚労省の良識ある判断に期待したいところです。

ブログでは、認可を待ち望む患者さんの生々しい書き込みが数多く見られます。
正しい使用法や注意事項を十分理解されていることを祈るばかりです。
当院では自己注射を希望される方は、他の医療機関に回っていただくつもりでいます。
(トリプタン製剤の群発頭痛への保険適応拡大を厚労省はまず再考する必要があります。)
<参考>
群発頭痛
 これは大変な頭痛であるが、問診で診断がつく。頭痛大学で有名な間中先生の説に、「7つの1」というものがあり、それは「1年に、1回、約1カ月間続く激しい頭痛発作で、1日に(その発作は)1回、約1時間続き、痛みとしては1側の目玉の奥が抉られるような耐え難いもの」である。決まった時刻におこる頭痛でもある。
 群発頭痛の治療には、Sumatriptanの皮下注射が現在最良の手当てであり、同時に100%酸素吸入(6~7litter/min)も用いる。点鼻剤は錠剤よりは人気があるが効果は人によって異なる。またZolmitriptanの錠剤は文献では有用とされる。しかし保険適用があるのは、Sumatriptanの皮下注射のみ。
実地医家のための頭痛診療のコツ
http://www.hhk.jp/info/kenkyu/060705.htm


片頭痛日記
http://blog.so-net.ne.jp/delta16v/2007-01-30
●このブログの方はGSKに電話され、
「イミグランの自己注射薬は昨年(H18)夏に厚生労働省に申請済み。片頭痛の
患者団体と日本頭痛学会からも認可の要望書が提出された。」という回答だった
ようです。
●市町村によって多少異なるものの、イミグランを含むいわゆる「頓服薬」は
たいがい月に10回分が保険適用の限度。
社会保険においてはきちんと個人をトレースしており、複数の病院を回って
月10回分を超える薬を集めた場合はそれが把握され、「今後そういうことをした
場合は超過分について保険対象としない」旨の注意書が送付される。
・・・・知らなかった。患者さんの方が詳しい。
<追記>
片頭痛に関しては実に多くの方がそのつらさをブログに具体的に書いてみえます。
医療関係者は、これらを通してその実態を把握する必要があります。
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他にも片頭痛に関するこんなサイトがありました。
片頭痛薬が効く場合も : 医療ルネサンス
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060808ik01.htm
「片頭痛性めまい」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/soudan/20070610ik01.htm


循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きの話題は
「ふくろう医者の診察室」 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
でとりあげています。


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by esnoopy | 2007-09-22 00:42 | その他
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