アルコールとGERD

きょうはみなさんがよくご存知の内容になってしまいました。
日医雑誌に掲載された内容なのでご覧になられた先生方も多いことと思います。
GERDに対してはPPIテストが有名ですが、GERDを悪化させてしまう薬剤を
想定することも臨床現場では重要と考えて、あえて紹介させていただきました。
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高齢になると食道裂孔ヘルニアとなる例が増加する.
ヘルニアになると胃酸が逆流しやすくなるため、食後あるいは就寝後に胸やけや
口の苦みを感じ、食事の楽しみや安眠が妨げられ、QOLが低下する。
さらに食生活、体格が欧米人に近づくにつれ,かつて低酸が多かった日本人の
胃酸分泌も高酸傾向にシフトしている。

アルコールは食道粘膜に対する直接刺激によって食道炎を引き起こすのみならず、
食道の運動を低下させ、下部食道括約筋(lower esophageal spincter;LES)
圧を低下させるので、常習飲酒家では胃酸が食道内に逆流しやすくなり、GERDを
合併する頻度が高くなる。

以上のような背景から、GERDは高齢者の生活習慣病として、今後大きな比重を
占め、計画的な対策が必要になると考えられる。
GERDの主症状は胸やけであるが、胸痛を訴えて狭心症との鑑別を要する例や,
胃酸の逆流が慢性咳嗽、気管支喘息の原因となることがある。

さらに、狭心症を疑ってCa拮抗薬や亜硝酸薬を投与したり、気管支喘息と診断して
テオフィリンを投与すると、これらの薬剤はLES圧を低下させるので、GERDによる
胸痛・咳嗽症状がかえって悪化することになるので注意を要する。

また、制酸目的で抗コリン薬あるいは不定愁訴の緩和目的でジアゼパムを投与するとLES圧が低下するので、期待に反して胸やけが増悪することもある

GERDに対する薬物治療としてはプロトンポンプ阻害薬
(proton pump inhibitor;PPI)が有効であり,患者のQOLも改善する。
PPI投与はGERDの治療的診断、狭心症や気管支喘息との鑑別診断にも
有効である。

慶大 永田博司先生
日医雑誌 135;2 2006.5


<コメント>
アルコールはLESを弛緩させます。
特にビールやシャンパンは胃の中で炭酸ガスが発生して胃を膨らませるためよくないようです。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2007-10-31 00:40 | 消化器科
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