ピック病 (その2)

昨日に続いてピック病の2回目です。

出典は

日本医事新報4323  2007.3.3
「ピック病の診断」
群馬県こころの健康センター所長  宮永和夫 先生
群馬大学大学院医学系研究科 
  脳神経精神行動学講師      米村公江 先生            です。


(1)FTD全体の臨床的特徴
①発症時から経過全体を通して性格変化と社会的な行動障害が優位であること。
②知覚、空間的能力、行為、記憶という道具的な認知機能は正常か、または比較的よく保たれていること。

(2)FTDの臨床類型
①脱抑制型(disinhibition form)
落ち着きなく、無目的な過活動、冷淡で不関、高度の社会性の喪失、行動異常が目立つ。
原因病巣は前方連合野~辺縁系、前頭葉眼窩面
および内側面である。
位であること。

具体的な症状は以下のようである。
 

A.窃盗、暴力行為や性的逸脱行為などの抑制のきかない行動
a.易怒的、衝動的、短絡的、無分別な行動。
b.意図的・計画的でない蒐集(癖)や万引きなどの行動(自制力低下)。

B.環境依存症候群(environmental dependency syndrome)
模倣行動や利用行動がみられ、言語によって行為の制御ができない。
制止命令に応答しない強迫的
な模倣行動ないし行動抑制障害で
ある。
a.医師や心理士などの試験者のまねをする=手を拳上する、床に座る、机の上に足をのせる、首をかしげる。
b.利用行動=眼前に置かれた道具を強迫的に使用する:櫛があれば髪を梳かす、食品は口に入れる、複数のめがねを手の上に置くと全部をかけようとする。 
c.スイッチをみれば押す、隙間があると物を入れ込む。
d.車のナンバープレートや看板の文字をみると、いちいち読んでしまう。
e.洗濯物が1枚あると、洗濯し、乾燥させた後、再び洗濯機に入れる(再帰的行動)。
もる
f.他患者への質問に答えてしまう。

②無欲型(apathetic form) 
無気力、自発性・意欲の低下、無頓着、融通性なく保続的、早期に失禁あり。
原因病巣は前部帯状回または前頭葉窮りゅう面(背外側面)である。
具体的な症状は以下のようである。
a.自己の衛生や整容・保清ができなくなる。
b.物や出来事に対する興味や関心が低下する。無関心、無頓着、無感動はうつ病と誤診される。
c.平気で会社を早退したり、家庭では家事をまったくしない。
d.社交性がなくなり、引きこもる。
e.無為(abulia)・無動(akinesia)状態になる。
f.指示し続けないと目の前の食事を食べ続けない(運動維持困難)。
g.空腹でも自発的に食べ物を探さない。
h.会話を維持できず、途中で止まってしまう(運動維持困雌)。
i.疼痛に対して反応が低下している、または痛がらない。

③常同型(stereotypic form)
同じ行動や言葉、強迫的で儀式的な傾向がある。原因病巣は下部前頭前野、前部帯状回、線条体
である。
ただし、前頭葉の萎縮は軽く、線条体や側頭葉の萎縮が中心という。
具体的な症状は以下のようである。
a.時刻表的に、規則的で決まった生活をする。
b.同じ食物しか食べない(常同的食行動異常)。
特に甘いものが多い。
c.毎日同じ食事・献立を作る。
d.反復行動をする(反復言語、反復習字)。
e.強迫的な行為があり、制すると苛立ち怒る(ただし、自己内に葛藤はない)。
f.同じ場所や道を散歩ないし徘徊する(周徊ないし常同的周遊)。
g.スイッチの点滅を繰り返す。


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(表をクリックすると拡大されます。)

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(表をクリックすると拡大されます。)

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<コメント>
読んでいて自分にもあてはまる部分があってちょっと考えてしまいました。
皆様はいかがでしょうか。


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2007-11-02 00:10 | その他
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