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乳癌検診とMRI

Medical Tribune 2007.10.11
の記事で勉強しました。

高リスク女性にはMRI検査を  X線や超音波に比べ乳癌検出率高い
〔米イリノイ州オークブルック〕ワシントン大学放射線医学の教授でシアトル癌治療同盟(ともにワシントン州シアトル)乳房画像診断のConstance Dobbins Lehman部長らは、乳癌リスクの高い女性に対する3種類のスクリーニング法を比較する多施設研究を実施し、MRIは乳房(X線)撮影や超音波検査で見落とされる腫瘍を正確に同定することができるとの知見をRadiology(2007; 244: 381-388)に発表した。             

高乳腺密度の検出に強い
筆頭研究者のLehman部長は「乳癌リスクが高い女性には、MRIによるスクリーニングが有益な可能性がある。現在使用可能な乳房画像診断法のなかで、MRIは明らかに癌の検出に最適である」と述べている。

米国立癌研究所(NCl)によると、全乳癌の5~10%に遺伝的素因がある。
遺伝的に乳癌リスクが高い女性は、平均的なリスクを有する女性よりも早期に発癌することが多いため、若年期からスクリ一ニングを受ける必要がある。
しかし、50歳未満の女性は乳腺組織が高密度である可能性が高いため、スクリーニング法としての乳房撮影の有効性が低下すると考えられる。
米国癌協会は、乳癌リスクの高い女性は30歳から開始する年1回の乳房撮影に加えて、MRIによるスクリーニングを受けることを推奨している。

同部長は「乳癌の発症リスクが非常に高い女性は早期検出の可能性を高めるために、自分でできることがあると知ることが重要だ」
と述べている。

1、000例当たり23例の検出増
今回の研究では、6施設で乳癌発症の生涯リスクが20%以上で25歳を超える無症状の女性171例(平均年齢46歳)を対象として、高リスク患者におけるMRIと乳房撮影のスクリーニング成果を比較した。
すべての女性にMRI、乳房撮影、超音波検査を実施した。

生検の実施件数は16件で、6例で癌が検出され、全体的な癌発見率は3.5%であった。
MRIは全例で癌を検出できたが、乳房撮影では2例、超音波検査では1例のみであった。
乳腺組織密度が高い女性4例の癌を検出できたのはMRIのみであった。
生検率はMRIが8.2%,乳房撮影と超音波検査が2.3%。
MRI所見を受けて実施した生検の陽性的中率(PPV)は43%であった。

Lehman部長らはこれらの知見に基づき、MRIによるスクリーニングでは、乳房撮影や超音波検査と比べて、高リスク女性1、000例当たり23例多く癌を検出できると推測している。

MRIは乳癌の遺伝的素因を有する女性に対する有効なスクリーニング手段であることが示されているが、平均的リスクの女性に対してMRIスクリーニングを支持するエビデンスはない。
同部長は「MRIは非常に有力な癌検出手段だが、完ぺきではない。
乳腺組織のなかには疑わしく見えるが乳癌ではな<、生検をしてしまう良性のものがある」と警告した。

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by esnoopy | 2007-12-04 00:02 | その他
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