福山型筋ジストロフィー

1月1日の朝日新聞朝刊に朝日賞発表の記事があり受賞者の紹介がありました。
受賞者の一人の山中伸弥・京大教授については他のブログで紹介させていただきました。

万能細胞丹念な研究結実
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/12320091.html

きょうは小児科医師・臨床遺伝学者・生化学者という肩書きの3人の先生の受賞を紹介させていただきます。
最初に「日本人の名前のついた病気は珍しい」という冒頭の言葉から始まります。
日本人が最初に発見しても名前をつけない場合もあるので一概にはいえませんが、先生方はどれだけの名前が思い浮かびますか。
「田原結節」「橋本氏病」「川崎病」「間藤細胞」「猪瀬型肝性脳症」・・・・
もっとも「田原結節」「間藤細胞」は病名ではありませんが。
諸外国でどれだけ横文字になっているかはわかりません。
先生方、思いつく名前があったら是非コメントをお待ちしています。

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武者小路実篤 「蓮根と山葵」 日本画 
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世代・専門超え 難病と戦う
1993年には第9染色体上に原因遺伝子があることを解明。
98年に461個のアミノ酸からなるたんぱく質を作る遺伝子に変異が起きているのを見つけた。
福山型にちなみ、このたんぱく質を「フクチン」と名付けた。

福山型は筋ジスでは日本で2番目に多く、年30人前後の患者が生まれる。
2,000年以上前のたった1人の遺伝子の変異から広がった日本人特有の病気だとわかった。

一方、様々な糖が連なった糖鎖と生物の関係を研究していた遠藤さんは、1995年ごろから、筋肉細胞の膜にある糖鎖がくっついたたんぱく質を調べ、筋肉の構造や機能の解析を進めていた。
この糖鎖の合成に必要な酵素の遺伝子を解明。
病気との関係も調べようと、福山型の遺伝子解析をしていた戸田さんに共同研究を呼びかけた。

2001年、この酵素の遺伝子の変異で起こる糖鎖の異常が、福山型に似たMEBという病気を引き起こすことを突き止めた。
その後、同様の糖鎖の異常が、福山型の患者や、同じような脳の先天的障害を合併した類似の病気の患者でも起きていること明らかにした。

フクチンはこの酵素にくっついて作用していた。
遠藤さんは「こうした酵素を補充してやれば、糖鎖の異常による症状が改善する可能性がある」と話す。
治療法がない病気の治療に、道が見え始めた。

出典  朝日新聞・朝刊 2008.1.1
版権  朝日新聞社


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<コメント>
専門分野でないのでうっかりしたことはいえませんが、日本固有の疾患かも知れません。
もしそうだとするとどこまでworldwideな病名なのでしょうか。
しかし3名のチームワークによる病因解明。
素晴らしいと思いました。
「フクチン」という名前も横山隆一氏の漫画「フクちゃん」みたいで可愛いですね。


『筋疾患百科事典』
http://www.jmda.or.jp/6/hyakka/kintop.html

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-01-10 00:14 | その他
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