アスピリンと大腸がんのリスク低下

Gastroenterologyの文献で少し勉強しました。

アスピリンによる大腸がんのリスク低下には長期・多量の服用が必要
アスピリンによる大腸がんのリスク低下を期待するには長期にわたってかなりの量
を服用する必要がある
ことを示すデータが,米ハーバード大学のグループに
より Gastroenterology の 1 月号に発表された。

同グループは,1986年に登録された40〜75歳の男性医療従事者 4 万7,363人
を前向きに追跡。
2 年ごとにアスピリンの使用,他の危険因子,大腸がんの診断に関するデータを収集
し,2004年までの大腸がんの全報告を確認した。

18年間の追跡で975人に大腸がんが確認された。
危険因子を調整後,アスピリンを週 2 回以上定期的に服用していた群は定期的に
服用していなかった群と比べて大腸がんのリスクが低く,相対リスク(RR)は0.79
だった。
しかし,有意なリスク低下には少なくとも 6 〜10年の服用が必要で(P=0.008),
4 年以内に服用を中止した場合にはリスクの低下は認められなかった。

累積の平均服用量が多いことがリスク低下と関係していた。
アスピリン非使用群と比較した大腸がんのRRは,標準的なアスピリン錠剤の 1 週間
の服用量が0.5〜1.5錠で0.94,2 〜 5 錠で0.80,6 〜14錠で0.72,14錠より
多い場合で0.30であった(P=0.004)。

同グループは「大腸がんに対するアスピリンの利点を得るには,少なくとも 6 年間の
継続服用が必要で,週14錠より多い用量で最大のリスク低下となる。

このような用量を長期に使用することによる有害な影響の可能性を考慮する必要がある」
と指摘している。
Chan AT, et al. Gastroenterology 2008; 134: 21-28.


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三塩清巳 油彩3号『ばら』
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s86015889

アスピリンで大腸がん進行抑制
http://kumanichi.com/iryou/kiji/cancer/10.html
独バイエルグループのバイエルヘルスケア社は、鎮痛剤アスピリンの有効成分である
アセチルサルチル酸を、定期的に服用した大腸がん患者の再発率と致死率が有意に
低下した、と発表した。
アスピリンは既に大腸がんや膵臓(すいぞう)がん、乳がん、肺がんなどさまざまながん
の予防効果があるという研究成果が報告されている


アスピリンの大腸がん予防、効果上回る副作用
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050905ik03.htm
大腸がん予防の目的でアスピリンを長期間服用した場合、予防効果より、その数倍も
消化管出血の副作用の危険があることが、米国のマサチューセッツ総合病院
(マサチューセッツ州)などの研究チームの調査でわかった。
アスピリンは、炎症や腫瘍(しゅよう)の成長を助ける酵素の働きを止める作用があるが、
大量に服用(1日2錠以上)すると消化管出血などを起こす。試算では、大量服用で
1~2人の大腸がんが予防できた場合、8人に深刻な消化管出血が起きる可能性がある
という。


アスピリンによる大腸がん予防をどう思う?
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/plwc/10_15.html

シモツケspiraea plant
http://homepage2.nifty.com/uoh/gakubu/nougakubu.htm#shimotsuke
シモツケ(spiraea plant, spira=ねじれたもの)はバラ科の落葉低木で日本全土の
山野に生えています。
シモツケの抽出物にサリチル酸が含まれています。
(別の文献には「セイヨウナツユキソウ」とも記されている)
そこでサリチル酸はスピール酸(Spirsaeure)ともいわれます。
1853年Kolbeが、サリチル酸=スピール酸であることを証明しました。
魚の目とりのスピール膏はこれに由来します。
1853年ジェラールGerhart(仏)がアセチルサリチル酸(acetylsalicylic acid)を
合成しました。
バイエル社のホフマンHoffmanは、1897年10月、アセチルサリチル酸をリウマチの
薬として再開発しました。
その際、アセチルの「A」とspiraeをつけて、Aspirinと名づけたのです。以来、アスピリン
といえばバイエルという定評ができました。
つまりアスピリンはシモツケにちなみます。


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-02-26 00:10 | 消化器科
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