65歳からでも健康改善可能

「言うは易く行なうは難し」
まさにそんな論文です。
〔米オハイオ州クリーブランド〕 医師も患者も65歳を過ぎると健康状態は下降の
一途をたどる−などと悲観する必要はない。
ニューヨーク長老派教会病院・コーネル大学Weill医学部(ニューヨーク)内科学
のRichard S. Rivlin教授らは,高齢者はそれまでに不健康な生活を送っていた
としても,簡単な食事療法や運動プログラムにより,健康状態を著しく改善できる
とする研究結果をAmerican Journal of Clinical Nutrition(2007; 86: 1572S-1576S)に発表した。

身体組成を改善して疾患を予防
Rivlin教授らは「65歳以上の高齢者は,シンプルで現実的なライフスタイルに変えることで,がんや心血管疾患,骨粗鬆症などを含めた疾患リスクを減少できる」
とし,「これはきわめて重要かつ肯定的なメッセージである。多くの高齢者は健康状態
を改善するにはもはや手遅れであると思っているが,決してそのようなことはない」と
述べている。

同教授によると,高齢者はまず体脂肪を減らし,筋肉量を増やして身体組成を改善
すれ
ば,疾患を食い止めることができる。
加齢に伴う疾患の予防には,定期的な運動プログラムを実践しながら低脂肪,低カロリーで野菜とフルーツの摂取量を増やす食事を守ることが重要であるとしている。

同教授は「60歳代,70歳代からでも慢性疾患対策を始めれば,まだ確実に効果が
得られる。
ただし,高齢者に手っ取り早い方法などはなく,ライフスタイルを改善しなければならない
ことを認識させるべきである」と指摘している。

同研究チームが高齢患者に推奨する具体的なライフスタイルの改善案は次の通り。
(1)高血圧の人は血圧を下げる。血圧が下がれば男性における冠動脈疾患の 5 分
の 1 を,女性では30%を予防できる可能性がある
(2)低カロリーの食事を取り,定期的な運動を行うことでがんを予防できる可能性がある。
同教授らによると,ある研究ではがんの発症率が50%低下した
(3)ウエートトレーニングをする。ウエートレーニングは,カロリー燃焼と骨粗鬆症の予防
に効果がある
(4)カルシウムとビタミンDのサプリメントを摂取する。これらのサプリメントは骨量減少
と骨折の予防に効果がある

Medical Tribune 2008.1.31
版権 メディカル・トリビューン社


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シャガール 「ロミオとジュリエット」
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<コメント>
要するに
「思い立ったが吉日」
ということでしょうか。

この論文に関連した言葉
「事を行うにあたって、
いつから始めようかなどと考えているときには、すでに遅れをとっているのだ」
クインティリアヌス (ローマの修辞学者・教育家)

苦労なくして、得られるものはない
No pain, No gain

今現在のような時(好機)はない
There is no time like the present.

今日出来ることを明日に延ばすな
Never put off until tomorrow what you can do today.

過ちを改めるに憚るなかれ
It is never too late to mend.

医学雑誌斜め読み(1)
□「先人の跡を師とせず、先人の心を師とすべし」 志賀 潔
日本医事新報No.4370 2008.1.26 P71
□50歳以下の年齢ではBMIと心血管死の関係は希薄となり、85歳以上の男性、
75歳以上の女性ではBMIが増えても心血管死率の増加はみられていない。
日本医事新報No.4370 2008.1.26 P89
(Stevens J,N Engl J Med 338:1,1998))


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by esnoopy | 2008-02-13 00:13 | その他
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