高齢虚血性大腸炎の重症化因子

第42回日本成人病(生活習慣病)学会での発表で勉強しました。

虚血性大腸炎

心血管系合併症や便秘は高齢患者の重症化因子に 
虚血性大腸炎は,動脈硬化に伴う血管攣縮や血栓・塞栓といった血管側因子,便秘による腸管運動異常に伴う腸管内腔圧上昇といった腸管側因子が相互に作用して
大腸粘膜血流障害を引き起こし,発病すると考えられている。
東京都で開かれた第42回日本成人病(生活習慣病)学会(会長=昭和大学豊洲
病院外科・熊谷一秀教授)では北里大学東病院消化器内科の春木聡美氏らが,
虚血性大腸炎症例の解析から「心血管系の全身合併症や便秘習慣を有する高齢者
は重症化する危険性が高く,発病や病状の進展に血管側因子と腸管側因子が関与
していると考えられる
」との見解を示した。

症状再発率に合併症などの有無は影響少ない 
春木氏らが解析対象としたのは,虚血性大腸炎441例(平均発病年齢51.5±
11.8歳)。
病型別内訳は一過性型425例,狭窄型16例で,平均発病年齢はそれぞれ
50.9±15.5歳と68.1±14.9歳であり,重症度がより高い狭窄型で平均発病年齢
が高い傾向が見られた。

これら解析症例のうち,心血管系全身疾患を合併していたのは130例。
合併症内訳(重複あり)は高血圧症87例,脂質異常症21例,糖尿病19例,虚血性
心疾患18例,不整脈13例,その他 4 例。

合併群では平均発病年齢63.2±12.4歳,狭窄型割合8.5%(11例)に対し,非合併
群では平均発病年齢46.6±14.5歳,狭窄型割合1.6%( 5 例)と非合併群でともに
低かった。

また,排便習慣では,便秘傾向があるものが221例存在し,このなかでの狭窄型割合
は5.9%(13例)と排便傾向がない182例での1.6%( 3 例)より高率となっていた。
これらから心血管系合併症や便秘を有する症例では重症化,高齢化することが確認
された。

一方,解析対象の4.8%(21例)で一過性型の再発が認められたが,再発率は心血管
系合併症を有する症例群5.4%,合併症のない症例群4.5%,便秘傾向の有無では
便秘傾向を有する症例群5.0%,便秘傾向のない症例群3.8%と,いずれのケースでも
有意差はなく,心血管系合併症や便秘の有無と再発との間に相関関係は認められな
かった。

c0129546_8135533.jpg

安居素子 [花]油彩3号
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p106906656

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
[PR]
by esnoopy | 2008-03-21 00:14 | 消化器科
<< 女性の脱毛症 基礎研究者の壊滅が将来の医学界... >>