カテゴリ:がん治療( 4 )

超音波内視鏡下穿刺吸引法

米ルイジアナ州ニューオーリンズ
ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部ノースウェスタン記念病院(NMH、シカゴ)細胞病理学Songlin Zhang博士らは、超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FFNA)法が、多数の臓器病変の評価精度を有意に改善し、侵襲的な診断・病期分類施行数を減らすとする試験結果を、米国臨床病理学会(ASCP)の年次集会で報告した。

5年間に951例を再検討
EUS-FNA法は、癌の診断、病期分類、治療に用いられていたこれまでの方法に徐々に取って代わりつつある。
同法は食道、胃、膵臓、直腸、縦l隔の腫瘍における病期分類の精度がきわめて高いことが、多数の試験
で報告されている。
また、穿刺吸引時の生検針やブラシの新たな開発に
より、腫瘤の壁内や嚢胞から十分な標本材料を得ることも可能となっている。

Zhang博士らは、NMHでEUS-FNA法を用いて採取した過去5年間のサンプルを検討し、文献の現行法による知見と比較した。
2002~06年のEUS-FNA症例951例について細胞学的・組織学的な相関性を見直し、生じた矛盾については細胞学的検査または手術時に得られた標本を検討することで究明した。

感度、特異度、正診率とも良好
今回のEUS-FNA症例の病変部位は、膵臓465例、リンパ節249例、胃腸粘膜下111例、肝臓32例、その他94例であった。
偽陰性は3例で,偽陽性はなかった。
EUS-FNA法による細胞診は、悪性30.9%、異型性3.8%、腫瘍性12.9%、陰性37.9%,判定不能10.2%,その他4.3%であった。
 
全症例の37.5%について外科的追跡を行った。
おもに病期分類を検討したリンパ節は、判定不能例となる率が5.6%と最も低く、膵嚢胞病変では23.8%と最も高かった。
悪性と異型性を細胞診陽性、その他を陰性とすると、感度91.6%,特異度96.6%,正診率93.2%であった。
 
今回の知見から、NMHにおいてEUS-FNA法で、最も多く検出された病変を有する臓器は膵臓(48%)、次がリンパ節(26%)であった。
同法の全体としての感度は85~95%、特異度95~100%、正診率85~95%で、病変の位置と性状に左右された。
すなわち、膵臓の充実性病変の感度は95%であるのに対し、膵嚢胞では4.7%であった。

以前の試験で報告きれたように、適切な標本検体が得られるかどうかは専門医の経験に左右される。
Zhang博士は「EUS-FNA法は、有力な診断・病期分類ツールである。
今回の試験では、きわめて高い感度、特異度、正診率が得られた」と結論付けた。
(Copy light 2007 Doctors Guide.com)

Medical Tribune 2007.12.13
版権 (株) メディカル トリビューン

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by esnoopy | 2007-12-19 00:10 | がん治療

抗癌効果のある食事はあるのだろうか?

ある種の果物と野菜を食べると癌のリスクが低下しその増殖が止まる可能性すらある
ある種の果物と野菜が癌のリスクを低下させ、その通過路に発生する癌を抑制するのに役立つ可能性があると、新規研究は示唆する。

「抗癌作用をもつ食事」が現実に存在するわけではないが、ある種の果物と野菜を多量に摂取することは、発癌リスクを低下させるのに役立つと、研究者らは米国癌研究学会の第6回国際癌予防研究フロンティア年次会議(フィラデルフィア)で報告した。

その知見は、果物と野菜の摂取量が多いことが癌リスクの低下と関連することを明らかにした、以前の研究を確認および補強するものである。

最新の「A」リストには、ブラックラズベリーが食道癌の予防、およびブロッコリーのようなアブラナ科の生野菜が膀胱癌の予防に推奨されている。

新しい知見にもかかわらず、「魔法のような効果のある」食物はないと、オハイオ州立大学総合癌センター(コロンブス)の栄養学の准教授であり、演者のひとりであったLaura Kresty, PhDは述べている。
「この研究から学ぶべき重要なことは、多様な[果物と野菜]を食べよ、旬のものを食べよということである。本当に目指すべきことは、果物と野菜の総摂取量を増やし、野菜中心の食事を摂るように努めることである」。

ブラックラズベリーが食道癌のリスクを低下させる可能性がある
ブラックラズベリーを食べることが、食道癌になるリスクの高い人々を保護する可能性があることを、Kresty博士らは見出した。
博士らは以前に動物実験において、ブラックラズベリーが口腔、食道、および結腸の癌を抑制することを見出していた。

果物はおそらく、酸化ストレス、すなわちフリーラジカルによる細胞破壊を減らすこと、およびDNA損傷と細胞増殖速度を軽減することによって、そのような作用をするのであろうと、博士は述べている。
博士らは、バレット食道と呼ばれる食道の前癌病変を有する高リスク患者に研究対象を拡大することにした。
バレット食道患者は食道癌のリスクが30 - 40倍高いと、Kresty博士は述べている。食道癌は致死的であり、5年生存率は15%しかない。

研究では、20例の患者が、凍結乾燥したブラックラズベリーを1日に1オンス(28.3g)または1.5オンス(42.5g)(男性はより多く)、26週間摂取した。
「我々は酸化ストレスのマーカーを測定した」とKresty博士は述べている。
そのひとつが、尿中に排出される8-イソプラスタンという物質である。

「研究終了時に、58%の患者は8-イソプラスタンが顕著に減少しており」、これは酸化ストレスの減少を反映していた。

研究者らは、発癌物質の無毒化を促進するGSTpiという酵素の組織内レベルも検討した。
37%の患者においてはこの保護作用を有する酵素が増加していたことが明らかになった。

研究では実際に癌が発生した人々が減少したかどうかを調べる長期追跡調査は行われなかったが、Kresty博士は、果物には「保護作用があるように思われる」とWebMDに語っている。

ブラックラズベリーは食料品店で売っていると博士は述べる。
「通常、少しずつ食べるような種類のものである」と博士は述べている。

膀胱癌の予防のための野菜
ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、キャベツ、およびカリフラワーのようなアブラナ科の生野菜は、膀胱癌のリスクを約40%低下させるようであると、Roswell Park癌研究所(ニューヨーク州バッファロー)の研究者らは学会で報告した。
それは、それらの野菜に含まれている、膀胱癌に対する保護効果を有すると考えられるイソチオシアン酸塩すなわちITCという化合物によるものである。

「生のアブラナ科の野菜は加熱調理した野菜よりも良い。
なぜなら調理中にイソチオシアン酸塩の量が60% - 90%減少するからである」と、研究のひとつを率いたRoswell Park研究所の博士研究員であるLi Tang, MD, PhDは述べている。

博士のチームは膀胱癌と診断された275例の被験者および825例の健康な被験者の食習慣を調査した。診断前の生および加熱調理済みの野菜の摂取、喫煙習慣、ならびに他のリスクファクターについて質問した。

1カ月にそれらの野菜を3食分以上摂取した非喫煙者は、1カ月に3食分未満しか摂取しなかった喫煙者と比較して、膀胱癌になる可能性が約73%低かった。(3食未満しか摂取していない非喫煙者のデータが示されておらず比較できない。)

ブロッコリースプラウトは膀胱癌の予防に、より優れている可能性があると、動物におけるブロッコリースプラウトの効果を研究したRoswell Park癌研究所の腫瘍学の教授Yuesheng Zhang, MD, PhDは述べた。
博士のチームは4群の動物を用いて検討を行った。1つの群には膀胱癌を誘発することが知られている溶液を飲ませブロッコリースプラウトの凍結乾燥抽出物を摂取させた;その他の群には、ブロッコリー抽出物のみか、または発癌物質のみを摂取させた。もう1つの群は対照群とし、何もしなかった。

10カ月後の時点で「発癌物質[のみ]を摂取した動物の96%に腫瘍が発生した」と博士は述べている。発癌物質とブロッコリー抽出物の両方を摂取した動物のうち、癌が発生したのは37匹のみであった。(曝露した動物数が示されておらず比較できない。)

この場合も、保護効果を示すと考えられるのはITCである。ブロッコリースプラウトは発癌物質を無毒化する上で重要な2つの酵素を活性化することによって効果を発揮するようであると博士は述べている。

American Association for Cancer Research's Sixth Annual International Conference on Frontiers in Cancer Prevention Research, Philadelphia, Dec. 5-8, 2007. Laura Kresty, PhD, assistant professor of nutrition, Comprehensive Cancer Center, Ohio State University, Columbus. Yuesheng Zhang, MD, PhD, professor of oncology, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y. Li Tang, MD, PhD, Roswell Park Cancer Institute, Buffalo, N.Y.


http://www.m3.com/news/news.jsp?pageFrom=m3.com&sourceType=SPECIALTY&articleId=64059&articleLang=ja

提供:Medscape

<コメント>
魅力的なタイトルでつい飛びついてしまいました。
日本発の報告ではないので食生活の違いからからか何だかピンと来ません。
洋の東西を問わず医食同源の考え方があることだけは理解できました。


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by esnoopy | 2007-12-17 00:05 | がん治療

肺がんの原因遺伝子

「がん」は細胞の設計図「遺伝子:DNA」の病気と考えられます。
そのがんの中でも肺がんは日本人の死因の男性で1位、女性で2位になっており、なおかつタチの悪いものということで、がんの中でも最も問題視されています。
年間約7万人が新たに肺がんに罹患し、約3割が転移や再発で亡くなっています。
肺がんのうち腺がんは男性の肺がんの4割、女性の7割を占めます。
腺がんはたばこを吸わない人でも発症する場合が多く、年々患者数は増加しています。

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きょうは肺がんの原因遺伝子について勉強しました。最近発表された研究2題の紹介です。

喫煙者の肺がん起こす遺伝子発見
喫煙者の肺がんの原因とみられる遺伝子を科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業の研究チームが突き止めた。喫煙者のがんの早期発見や、治療法の開発につながる成果として期待されている。

間野博行・自治医科大学ゲノム機能研究部教授らが見つけた遺伝子は、細胞の骨格タンパクを作るEML4と呼ばれる遺伝子の半分と、キナーゼ(タンパク質リン酸化酵素)を作る遺伝子の一種であるALK遺伝子という、異なる遺伝子の半分ずつが融合する異常によって生じていた。このEML4-ALK遺伝子は、日本人の肺がん症例の約1割に存在することが確認された。

肺がんの原因としてこれまで知られていた遺伝子異常は、非喫煙者に多く見られ、肺がん症例の多くを占める「喫煙による肺がん」については、どのような遺伝子異常があるか分かっていなかった。間野教授らの調査でも、新しく見つかった遺伝子を持つ患者群と、既知の遺伝子異常がみられた患者群とは、全く別のグループに分かれていた。

新しく見つかったがん遺伝子によってがん化した細胞にALKキナーゼ阻害剤を加えたところ、がん細胞が死ぬことが確認できたことから、ALKキナーゼ阻害剤が今回見つかったがん遺伝子によって起きる肺がんの治療法になる可能性も期待されている。

肺がんの原因遺伝子を発見
http://www.jst.go.jp/pr/info/info411/index.html(コピペでリンク願います。) 
(科学技術振興機構報 第411号)

肺癌の新規原因遺伝子の発見
http://igakujoho.jugem.jp/?cid=6

米大が初期肺がん再発リスクの予測遺伝子検査を開発
米Duke大学Medical Centerの研究グループは、初期肺がん患者の再発リスクを分類し、再発リスクが高く化学療法が必要な患者と、再発リスクが低く化学療法が不要な患者を区別する遺伝子検査を開発した。
研究グループは、開発した検査を用いることで、現在、化学療法がなされていない患者群に対して化学療法が導入でき、その結果、多くの患者の命を救うことができるとしている。
開発した検査は、患者の腫瘍細胞中の複数の遺伝子の発現レベルを、DNAチップを用いて測定するもの。
研究グループは、「Lung Metagene Predictor」と命名している。
今回の研究は、129人の患者の遺伝子を検査し、患者の実際の再発状況と比較した。
その結果、患者の再発リスクを90%の精度で予測することができたという。
成果は、New England Journal of Medicine誌2006年8月10日号に掲載された。
さらに研究グループは、今回開発した遺伝子検査の有効性を確認するため、6カ月以内に複数地域で、初期の非小細胞肺がんの患者1000人以上を対象とした臨床研究を計画しているという。
現在、がんの危険度の分類(ステージ)は、腫瘍の大きさ、リンパ節への浸潤の有無や他の臓器への転移の有無などを基準に決められている。
そして、そのステージに応じて治療方法が選択されている。初期の肺がんは、比較的リスクが低いがんと分類されているため、治療は手術のみで、化学療法は行われていないという。
しかし、今回の研究の代表者であるAnil Potti氏によると、リスクが低いがんと分類されているにも関わらず、初期肺がん患者の3分の1以上は再発に苦しんでいるという。
Potti氏は、「今回開発した検査で、これまで分類することができなかった初期肺がん患者のなかで再発リスクの高い患者を分類でき、積極的な治療を行うことが可能となった」と語っている。

http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/post_71(コピペでリンク願います。) 
(肺がんの約20%では、診断された時点ですでに遠隔転移が見つかっています。目に見えないレベルの微小ながん転移の存在はもっと多いと考えるのが妥当といわれています。)

<コメント>
2007年10月11日 朝日新聞夕刊に
「肺がん再発リスク予測 名大開発 細胞の遺伝子検査」という記事が出ていました。
腺がん細胞のうち、特定の82個の遺伝子の機能を解析することで、将来の再発リスクが高いかどうかを突き止めたという内容。

肺がんの克服を目指して、がんの知識・がんの情報広場
http://www.gan3.com/gan3/data15/data15.html

全国初!肺がん・膵がんを対象としたSMAP法遺伝子検査方法を外来で実施
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/070928.html
(持参した肺がん組織、リンパ節などの検体で検査。EGFR遺伝子変異検出によるイレッサ感受性検査。オーダーメード医療を目指す。)

「日本人の死因トップはがん、中でも肺がんが多い」知らない人は6割
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/04/6_29.html

日本における死因別死亡数
の動向予測
http://www.tokyo-eiken.go.jp/SAGE/SAGE2006/sage.html

高血圧治療のACE阻害薬に肺がん縮小効果:マウス実験で確認
http://medical-today.seesaa.net/article/37099235.html
(本題とは関係ありませんが肺がん関連の話題として紹介させていただきました。)

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
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葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
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by esnoopy | 2007-10-13 00:23 | がん治療

トモセラピー

C型肝炎である病院へ通院中で、当院ではSNMC(強力ネオミノファーゲンC)のみを行っている方のお話です。
HCCを合併したため肝切除術う受けるためその病院に入院されました。
結果的には肝硬変(非代償期)で、肝機能が悪いため手術は出来ないといわれ、そのまま退院となったそうです。

その方は、自分でいろいろ調べられて「トモセラピー」という治療法に興味を示されました。

私自身、がん治療は専門ではないため(恥ずかしながら)初耳でした。
ご存知の方も多いかとも思いましたが、少し調べてみましたので書かせていただきます。

トモセラピーとは

要約すると
●エックス線を使った画像撮影装置と放射線照射装置を一体化させた機器(撮影と治療が同時に出来る)。
●コンピューター断層撮影と、病巣を狙い撃ちする放射線治療の機能を併せ持つ。
●米国の医療機器メーカーが2003年に開発した。
●複数のがん病巣の治療が一度に出来る。
  
ということになるのでしょうか。以下のサイトを参照下さい。

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放射線治療「トモセラピー」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20061110ik0b.htm

最新鋭のガン放射線治療システム・Tomo Therapy(トモセラピートモセラピー)
http://www.hokuto7.or.jp/flashmovie/flash-tomo/tomotherapy.html

トモセラピー
http://www.hokuto7.or.jp/equipment/tomo/tomo.html

愛知県がんセンター/中央病院/トモセラピー
http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/500/560/tomotherapy.html

トモセラピー放射線がん治療 武田病院グループ宇治武田病院
http://www.ujitakeda-tomotherapy.org/

最先端がん治療装置 『トモセラピー』
http://www1.ntv.co.jp/zero/weekly-blog/2007/08/post_108.html

治療対象となる疾患としては複雑な解剖を有する頭頚部がん、直腸・膀胱を避けて照射する必要のある前立腺がん、脳転移例などです。
国内で導入した病院はまだ5か所(2006年11月現在)とのこと。

北斗病院 
日高病院 
木沢記念病院 
名古屋第二赤十字病院
愛知県がんセンター中央病院 

しかし、その後に導入病院が増えているようです。
いつものことながら日本での最新鋭医療機器の普及はきわめて迅速でかつ必要十分(ないしはそれ以上)ですね。

がん治療に関して患者さんから相談を受けることは結構あること思います。
もしこの治療法が素晴らしいものであれば、意見を求められた際には選択肢の一つとして紹介する必要があります。
普及してしまえば、その必要はなくなるかも知れませんが。

適応は広いようですが、特に有効な症例や実際の効果について開業医も勉強しておく必要がありそうです。



循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 
http://blog.m3.com/reed/
でとりあげています。

他に
ふくろう医者の診察室 
(一般の方または患者さん向き)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
があります。

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by esnoopy | 2007-08-28 00:10 | がん治療