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カテゴリ:循環器科( 17 )

新・高血圧治療ガイドライン

どうなる? 新・高血圧治療ガイドライン
焦点は「正常高値」、当落線上の降圧薬の行方は…
ガイドライン作成委員会の荻原俊男委員長に聞く
「高血圧治療ガイドライン2004」(JSH2004)の発表から4年。
日本高血圧学会は現在、ガイドラインの改訂に向けて作業を進めている。
ガイドライン作成委員会の委員長を務める大阪府立急性期・総合医療センター院長の荻原俊男氏に、改訂に向けた議論の方向性と、改訂作業のスケジュールを聞いた。

―― 新しいガイドラインは、今秋の日本高血圧学会でシンポジウムが開かれた後、来年早々には公開される見込みと聞いています。今改訂のポイントを幾つか教えてください。
まず、高血圧患者のリスクの評価と治療方針についてはいかがですか。
荻原 
現在は、日本、米国、欧州で、リスクの評価方法が異なっている。

特に血圧が130~140mmHgの「正常高値」の人の扱いは、今回の改訂で1つのポイントになるだろう。

―― 2004年のガイドラインでも、糖尿病や腎障害を合併している場合には、正常高値でも治療対象にすることにされていましたね。
荻原 
今回のガイドラインで正常高値の治療対象をどこまで広げて記述するかが課題になる。
正常高値の患者さんが、どのようなリスクを持っていた場合に、どのような対処をするかという具体的な方法が書かれていた方が、日常診療にメリットが大きいと考えている。

ただ、メタボリックシンドロームで正常高値の患者のリスク評価をどうするかなど、まだ議論すべき点が残っている。

―― 血圧の測定方法についてはどうですか。
荻原 
今春の診療報酬改定で、「24時間自由行動下血圧測定」(ABPM)が保険適用になった。
普及が進むとみられるので、これについてはガイドラインに盛り込むつもりだ。
ただし、どのような場合を適応とするか、得られた数値をどう解釈するか、診療にどう生かすかなど、まだはっきりしていない部分もある。
ガイドラインでは、あいまいな部分をできるだけなくすようにしたい。

―― 目標血圧についてはどうですか。
特に、後期高齢者については、議論があると聞いています。
荻原 
確かに、75歳以上の高齢者の降圧で、「中間目標」を置くべきかどうかについては議論がある。
2004年のガイドラインでは、中等症・重症高血圧の患者は「140/80mmHg以下を最終降圧目標とするものの、150/90mmHgを暫定的降圧目標とする慎重な降圧が必要」としたが、中間目標を置くと医師や患者が降圧に消極的になるのではないか、という意見もある。

一方で、前回のガイドライン以後に結果が判明した大規模臨床試験「JATOS」では、75歳以上の患者では、厳格な降圧を行うことが心血管系イベントの増加につながる可能性が示唆されている。
従って、最終目標は140mmHgとするが、慎重な降圧が必要という基本的な内容は2004年のガイドラインを踏襲することになりそうだ。
どのような表現にするかについては議論が必要だ。
※JATOS:The Japanese Trial to Assess Optimal Systolic Blood Pressure in Eldrly Hypertensive Patients

―― 主要な薬剤については、いかがですか。
特にβ遮断薬、α遮断薬の扱いは国際的に変わってきています。

荻原 

α遮断薬は、主要薬からは外れそうだ。エビデンスが得られる前に、大規模臨床試験「ALLHAT」が中止された影響が大きい。
ただし早朝高血圧など、条件によっては引き続き有用な薬であることに変わりない。
早朝高血圧の診療に関する項目を設け、そこでα遮断薬の使用を推奨することになるだろう。

β遮断薬は、引き続き主要薬として残る可能性が高い。
大規模臨床試験の「LIFE」や「ASCOT」で、他の主要薬に比べて同等あるいは劣っているとの結果が出たことを受けて、英国のガイドラインでは主要薬から外された。
しかし欧州ガイドラインには残っているし、国際的にまだ解釈が定まっていないので、日本のガイドラインでは今回は残ることになると思う。


「LIFE」や「ASCOT」で使われていたβ遮断薬が古いタイプのものだったという問題もある。
代謝面に悪影響を及ぼさない新しいタイプのβ遮断薬は試験を実施すれば、結果が異なる可能性もある。
※ALLHAT:Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial
※LIFE: Losartan Intervention for Endpoint Reduction in Hypertension
※ASCOT:Cardiovascular event reduction in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial

―― 2006年末に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と利尿薬の合剤が発売されました。
現在、承認申請中のものも幾つかありますが、合剤の位置付けはガイドラインに盛り込まれますか。

荻原 
まずは、降圧薬の2剤併用をどのように位置付けるかだ。2004年のガイドラインでも、中等症以上なら、2剤を併用して厳格に降圧することを推奨していたが、これをさらに踏み込んだ形にする可能性がある。
米国のガイドラインであるJNC7では、中等症以上なら最初から併用療法を考慮することを推奨している。
2剤併用の代わりに合剤という選択肢が出てきたので、その位置付けも議論になるだろう。
既に日本でも発売されているロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジドの配合剤は、添付文書に「原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合に本剤の使用を検討すること」と書かれているが、ガイドラインが一歩先行して、厳格な降圧が必要な場合には治療開始時から合剤の使用を考慮する旨を盛り込んでもいいのではないかと思っている。

―― ガイドラインの改訂について、作業手順と今後のスケジュールを教えてください。

荻原 
ガイドラインの作成委員会は35人で構成されている。
内訳は日本高血圧学会内からの24人と、関連学会からの代表者11人だ。
高血圧学会の理事のほぼすべてが、ガイドライン作成委員会に含まれている。
関連学会とは、具体的には日本循環器学会、日本内分泌学会、日本糖尿病学会、日本脳卒中学会などだ。

ガイドラインは12章構成の予定で、主要な項目には、学会内から「査読者」を複数割り当てた。
査読者は、作成委員やほかの査読者からの意見を盛り込んで、責任を持って担当項目の項目のたたき台を作る役割を担う。
作成委員のみならず、ほかの項目の査読者も、E-mailなどですべての項目に対して自分の意見を提出することができる。
たたき台の原稿は、既に3月14日にできあがっている。

たたき台を基に、作成委員会のメンバーと査読者(合計100人程度)がさらに議論を重ねる。E-mailのやり取りは毎日行われているが、加えて、今年5月には改訂委員と査読者、および評価委員が大阪で一堂に会して議論する。
その内容を踏まえてガイドラインの原案を作成し、インターネットで、日本高血圧学会の会員に公開する。
会員は原案に対して「パブリックコメント」を提出することができる。
また、日本医師会の代表を介して、一般医にモニターしていただくことも考えている。

9月に札幌で開催される学会では、ガイドラインの改訂についてシンポジウムを開く。事前に寄せられた学会員からのコメントと、シンポジウムでの議論を踏まえて、最終案を作成する。
完成したガイドラインの公表は、来年の年明けになる見込みだ。

どうなる? 新・高血圧治療ガイドライン
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/t005/200804/506248_3.html
出典 日経メディカル オンライン
版権 日経BP社


<コメント>
つい最近、高血圧治療ガイドラインが出たと思っていたらもう4年も経っていたんですね。
ガイドラインの作成過程が詳しく述べられており、その点を特に興味深く読ませていただきました。

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<番外編>
医療関係者も必読!「さらば財務省!」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/honda/200804/506334.html「御用学者たちの情けない実態」
霞が関が、これまで官僚主導の政策立案を継続できた最大のからくりは、審議会システムにある。(中略)審議会のメンバーの人選は事実上、担当省庁が行う。
閣僚はそんな細かなことにまで関わっていられないので、役所から推薦された人物を承認してメンバーが決まる。
役所は当然、自分たちとは反対の意見を持つ人間は、初めから排除する。


<コメント>
以前から「審議会」という存在を胡散臭く思っていました。

「御用学者」とはよくぞ言ってくれました。
少しだけすっきりしました。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-05-02 00:10 | 循環器科

PERISCOPE試験

ピオグリタゾンは2型糖尿病患者の冠動脈プラークの進展を抑制する:PERISCOPE試験
インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾン(アクトス(R))は、スルホニル尿素薬グリメピリドに比べ2型糖尿病患者の冠動脈プラークの進展を有意に抑制することが、北米と南米で実施された多施設共同二重盲検無作為化試験PERISCOPE(Pioglitazone Effect on Regression of Intravascular Sonographic Coronary Obstruction Prospective Evaluation)により明らかにされた。
冠動脈プラークの進展に対する抑制効果が示された糖尿病治療薬はこれまでなかった。


ピオグリタゾン群とグリメピリド群の冠動脈プラークの進展をIVUSで評価
2003年8月~2006年3月に、冠動脈疾患を有する2型糖尿病患者543例が、北米および南米の97施設から登録された。全例に冠動脈血管内超音波(IVUS)が施行され、ピオグリタゾン(15~45mg)群(270例)あるいはグリメピリド(1~4mg)群(273例)に無作為に割り付けられた。
18ヵ月の治療期間に、認容性がある場合は最大用量まで漸増した。冠動脈プラークの進展は試験終了時のIVUSで測定し、360例(ピオグリタゾン群:179例、グリメピリド群:181例)が検査を受けた。主要評価項目は、%プラーク体積(PAV:Percent Atheroma Volume)のベースラインから試験終了までの変化とした。


結果 
省略

結論

ピオグリタゾンは、グリメピリドに比べ2型糖尿病患者の冠動脈プラークの進展を有意に抑制した。
ピオグリタゾン治療を受けた患者では、広範なサブグループにおいて冠動脈プラークの進展が抑制された。

これらの知見は、動脈硬化進展リスクの高い2型糖尿病患者に対する治療戦略の決定において大きな意義をもつ可能性がある。

監修者のコメント
本試験は、インスリン分泌を増加させるスルホニル尿素系抗糖尿病薬グリメピリドと比較して、インスリン抵抗性を改善しインスリン分泌低下に働くチアゾリジンジオンであるピオグリタゾンの方が、冠動脈プラークの進展を抑制することを、直接的な血管内エコー検査(IVUS)を用いて証明した。 
これまでに、同様の研究プロトコールで、グリメピリドとピオグリタゾンの頚動脈内膜中膜肥厚の進展抑制効果を比較したCHICAGO試験(Carotid intima-media tHICkness in Atherosclerosis using pioGlitazOne)があるが、この研究においてもピオグリタゾンの方が有意に頸動脈肥厚の進展を抑制している。 
PERISCOPE試験とCHICAGO試験に共通している脂質への影響として、グリメピリドとピオグリタゾンのLDLコレステロールに対する効果には差がない。
しかし、ピオグリタゾン群ではトリグリセリドが低下し、HDLコレステロールが増加している。
これらのメタボリックシンドロームに関連する脂質代謝異常への影響は、一部はピオグリタゾンのアディポネクチン上昇とインスリン抵抗性改善作用によると考えられる。
今回のPERISCOPE試験では、実際に血漿インスリンレベルの低下もみられている。

これらグリメピリドとピオグリタゾンを比較した2つの研究でみられた糖尿病患者の動脈硬化進展抑制効果は、どのような薬剤で血糖を低下させるか、すなわち血糖低下療法の“質”の重要性を示している。

糖尿病を合併する高血圧患者にはレニンアンジオテンシン系抑制薬が推奨される。
基礎実験において、カンデサルタンとピオグリタゾンの併用が心血管保護につながることが示されており(2008年1月28日掲載「ピオグリタゾンの糖代謝を介さない直接的臓器保護作用。カンデサルタンで増強」、Nakamura T et al. Hypertension. 2008; 51: 296-301.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18158350?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum)、日常臨床でもカンデサルタンとピオグリタゾンの併用が、更なる臓器保護作用をもたらす可能性がある。
([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)


原著
Nissen SE et al. JAMA. 2008; 299: 1561-1573.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18378631?ordinalpos=22&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum出典
ピオグリタゾンは2型糖尿病患者の冠動脈プラークの進展を抑制する:PERISCOPE試験
http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=3548
(パスワードが必要です)
版権 CareNet.com

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<番外編>
m3.comニュースより
日本医師会の唐澤祥人会長は18日、2期目続投以降初めて本紙の単独インタビューに応じ、社会保障費の伸びを毎年2200億円圧縮する抑制策について、「医療費が伸びる伸びると言うが、もうそれほど伸びないはずだ。伸びるからと過度の抑制策を継続すれば、日本の医療を本当に壊してしまう」と訴えた。
その上で「この素晴らしい医療提供体制を絶対に壊すべきではない。私も助けられた。恩返しがしたい」とも語り、小脳出血から自身を救ってくれた日本の医療提供体制を守るためにも、政府に対して医療費抑制策の転換を強力に要請していく考えを示した。

唐澤会長は道路特定財源をめぐる議論を引き合いに、「道路財源を一般財源化する方向を考えているようだが、そうすると2200億円はどうなるのかということもある。なぜ、これほどまで社会保障費を圧縮しようとするのか分からない」と指摘。
その上で、「道路の40兆円、50兆円と比べれば、2200億円は大した額ではない。行政にとっては、これぐらいわずかだから抑えようということかもしれないが、われわれにとっては大問題だ。与党の皆さんには、われわれの立場を理解してほしいと思っている」と述べ、継続的にロビー活動を展開する意気込みを示した。

医療の主体は国民
今年度の診療報酬改定で創設され、地域医師会で届け出拒否を呼び掛ける動きが出ている「後期高齢者診療料」については、「主治医とか担当医とか、これまでなじみのない制度が導入されたかのように言われているが、選択肢の1つとして、こうしたやり方もあるというメニューが出されたにすぎない」と説明。
その上で「医療の主体は国民」と強調し、「制度が先にあって医療を決めていくのではなく、社会の疾病構造や人口の変化、産業・経済の状況などを踏まえて、国民が選択した方式に従って取り組んでいくことが重要だ」と述べた。
また、厚生労働省が構想している「総合科」についても、「行政サイドが制度で医師を枠にはめていくという体制は、われわれにはなじまないし国民も喜ばない」と批判。
日医が検討している「総合医」については、「医師の進む道を根本的に考える、あるいは考える機会としての研修と位置付けている」とした。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=717712008年4月23日


<コメント>
老齢者が増え、(偏在は別問題として)医師が増えれば当然医療費は伸びるはず。
「もうそれほど伸びないはず」という発言。
そんなこと言っていて本当に大丈夫だろうか。
小脳出血を起こしたこと自体、脳動脈硬化があることを証明したみたいなもの。
しかし、「なぜ、これほどまで社会保障費を圧縮しようとするのか分からない」というところは医師の誰もが同意見です(自民党べったりの会長としては矛盾に満ちた発言ではありますが)。

「医療破れて道路あり」

日医会長に唐沢氏が再選
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080401-OYT8T00437.htm任期満了に伴う日本医師会の会長選は1日、投開票が行われ、現職で東京都医師会所属の唐沢祥人(からさわよしひと)氏(65)が、新人で兵庫県医師会所属の下間秀晃(しもつまひであき)氏(47)を大差で下し、再選された。任期は2年。
投票は全国の都道府県医師会から選ばれた代議員352人が行い、白票などを除き、唐沢氏が304票、下間氏が27票を獲得した。
(2008年4月1日 読売新聞)

日医会長に唐沢氏再選 診療報酬プラス改定で「無風」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/science/134373/唐沢氏は与党と緊密に連携する路線をとり、本年度の診療報酬改定では医師の技術料などの「本体部分」を8年ぶりにプラス改定に導いた。こうした路線が会員に支持されたとみられ、選挙戦はほぼ無風だった。

<コメント>
「本体部分」を8年ぶりにプラス改定
「無風」再選の理由はそういうことだったのか。
内科医は4月からみんな泣いているというのに。
私のようなシモジモには今までどのような実績を残された会長かはわかりませんが、これから2年この会長に託すことになったんですね。
2年前の会長就任時、小泉政権と積極的に関係を改善することを公約としたようです。
ご存知のように後期高齢者医療制度は小泉政権の時に法案可決されたものです。

以下は読売新聞の「解説」からです。
唐沢氏の対抗馬として立候補した下間(しもつま)秀晃(ひであき)氏(47)は、立候補の理由として「現場の医師はいろんな意味で疲弊しており、安心して医療に従事できていない。政府との協調路線を取るだけでは問題は解決しない。弱体化した医師会を戦える組織として立て直したい」と語り、政府・与党との関係を巡る路線論争を挑んだ。
2月の大阪府医師会長選でも、政府・自民党との距離の取り方が最大の争点となり、日医執行部と歩調を合わせる現会長と、執行部を批判し、前日医会長の植松氏が支援する元副会長の一騎打ちとなった。結果は、135票対134票のわずか1票差で現会長が辛勝するなど、火種はくすぶっている。
次期衆院選で票の見返りを期待する自民党厚労族からは「今の日医は自民党の言うことに素直に従う。唐沢氏を会長選で落選させるわけにはいかない」という声も聞こえるが、唐沢執行部が自民党との蜜月(みつげつ)関係を強調することが、投票にどう反映されるのかは不透明だ。

08年度予算案では、診療報酬のプラス改定の財源を捻出(ねんしゅつ)するため、大企業のサラリーマンが加入する健康保険組合などが、1000億円の負担増となる法案が提出された。
一方で、医師不足や地域医療の立て直しの効果的な策は見えず、今年1月以降全国で77の医療機関が分娩(ぶんべん)の中止・制限を予定している。
日本の医療体制が崩壊の危機を迎えようとしている。

政府との距離争点に 協調路線の現職に新人挑む
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080327-OYT8T00167.htm?from=goo

<コメント>
医師会員は大阪府医師会長選でみるように割れています。
開業医は日々の診療に汲々です。
しかし死に体の自民党にべったりで本当にいいのかという素朴な疑問が湧きます。


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by esnoopy | 2008-04-25 00:01 | 循環器科

脳梗塞2次予防にみる最新の動向

きょうは脳卒中の2次予防について勉強しました。
一般的に医師も患者も一度起こった脳卒中のリハビリで頭がいっぱいになってしまいがちです。
一度あることは二度ある。
いったい脳卒中の再発率はどのぐらいなのでしょうか。
当然初発の確率より高いとは思うのですが。

小樽市 脳神経外科 島田脳神経外科
http://www.shimada-noushinkei.com/diseases3.html
脳卒中の再発の頻度は決して低いものではなく、発症後5年間で20~40%とされ、同期間の死亡率は45~61%とされています。多くの報告では発症1年以内の再発率が高く、脳梗塞は脳梗塞として再発することが90%、10%は出血として再発するといわれています。また、脳出血の再発率は年間2.9%で、半数近くは脳梗塞で再発すると報告されています。


とにかく脳卒中のリスクファクターがあって発作を起こしたわけですから、二次予防が重要であることには間違いありません。
患者への啓蒙も含めて医療側も心すべきテーマだと思います。

東京女子医科大学神経内科教授の内山真一郎氏
―― 脳卒中の2次予防については、これまでにかなりの臨床成績が集積していると思いますが、現時点でエビデンスの確立している治療法についてご説明ください。
内山
■脳卒中の予防対策として最初に行うべきことは、危険因子を適正に管理することです。
脳卒中の危険因子として知られているのは高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、心房細動、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病(CKD)などですから、それらを食事、運動、禁煙、薬物により治療する必要があります。
特に2次予防では、既に脳卒中を発症しているハイリスクの人々が対象となるので、より厳格な管理が必要であり、一般に早期から薬物療法の適応になると考えていいでしょう。

危険因子の管理は脳卒中の病型(脳出血か脳梗塞か)にかかわりなく有益ですが、脳梗塞の2次予防では、危険因子管理とともに抗血栓療法が必要になります。
どのような抗血栓療法を行うかは、脳梗塞の病型によって異なります。
動脈にできる血小板血栓に起因する非心原性脳梗塞に対しては、抗血小板療法が適応になります。

一方、心臓から飛んだフィブリン血栓が脳血管を閉塞する心原性脳塞栓を予防するためには抗凝固療法が必要であり、経口抗凝固薬のワルファリンが広く使用されています。

脳梗塞の病型に応じてこれらの治療を適切に行えば、再発を有意に抑制しうることが証明されています。

―― 抗血栓療法は出血性副作用を伴うため、予防効果を高めるために治療を強化すると出血リスクが増大するというジレンマをかかえています。最近の研究でこの問題を克服する展望は開けてきたのでしょうか。
内山
■抗血小板療法についていえば、日本ではアスピリン、チクロピジン、シロスタゾールの3剤が使われてきましたが、昨年から新たにクロピドグレルが加わりました。

海外ではシロスタゾールと同じフォスフォジエステラーゼ(PDE)阻害薬に属するジピリダモールも使用され、アスピリンとの併用または合剤による治療が行われていますが、日本ではまだ、脳梗塞2次予防におけるジピリダモールの適応は認められていません。
最近の大規模臨床試験では、抗血小板薬の併用によって再発予防効果が改善するかどうかが検討されてきましたが、アスピリンとクロピドグレルに関しては、両者を併用してもそれぞれを単独で投与した場合に比べて明らかな上乗せ効果がみられず、出血性副作用が増加するという結果でした。
代わって今、注目されているのがアスピリンとジピリダモールの併用療法です。この併用療法については、PRoFESS(Prevention Regimen for Effectively Avoiding Second Stroke)という大規模試験が最近終了し、5月に最終結果が発表される予定です。
約2万人の脳梗塞既往例を対象に徐放性ジピリダモールとアスピリンの合剤の再発抑制効果をクロピドグレルと比較する研究です。

アスピリン・ジピリダモール併用がなぜ期待されているかというと、シロスタゾールを含むPDE阻害薬に関しては、アスピリンと併用しても出血性合併症が増加しないことが複数の臨床研究で示唆されているからです。

したがって、PRoFESSで合剤の有効性と安全性が証明されれば、両薬剤の併用が抗血小板療法を強化する有力な方法として確立することになります。

―― PRoFESSでARBの脳梗塞予防効果が検証される意義についてお話しいただけますか。
内山
■ARBは高血圧治療薬として広く使用されていますが、脳卒中の再発を抑えるためには血圧を厳格に管理する必要があります。特に高血圧が脳出血を引き起こすことを考えると、脳梗塞予防の目的で抗血栓療法を施す場合、出血リスクを増大させないためにも血圧を低くコントロールすることが重要です。

ですから、血圧管理の役割は極めて大きいのですが、脳卒中患者は糖尿病やCKD、心房細動、あるいはメタボリックシンドロームを合併していることが多く、そのような症例に対しては、降圧薬の中でも心血管保護作用をもつレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬が有用といわれます。

PRoFESSでRA系阻害薬の1つであるARBの有用性が認められれば、その脳保護作用が臨床的に証明されることになります。

ちなみに、もう1つのRA系阻害薬であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬については、冠動脈疾患の2次予防効果は認められているものの、単独で脳梗塞再発を有意に抑制することを示したデータはありません。
また、脳梗塞の予防においてACE阻害薬とARBのどちらが優れているかについても、まだ結論は出ていないのですが、今年の春、結果発表が予定されている大規模試験ONTARGET(Ongoing Telmisartan Alone and in Combination with Ramipril Global Endpoint Trial)によってある程度明確になるだろうと思います。

ONTARGETは冠動脈疾患、脳卒中、末梢動脈疾患の既往例を含む脳心血管病のハイリスク患者約2万5000例を対象に、ARBのテルミサルタンとACE阻害薬のラミプリルを、それぞれ単独投与した場合と、両薬剤を併用した場合の脳心血管イベント抑制効果を比較する試験です。

この試験の興味深いところは、正常血圧の被験者が多数導入されていることです。
したがって、試験の結果、もしも正常血圧群でイベント抑制効果に差が生じれば、それは降圧を超えた血管・臓器保護作用の差を反映したものといえるでしょう。
主要評価項目は、心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中・入院を要するうっ血性心不全からなる複合エンドポイントの頻度ですが、症例数が多いので、脳血管イベントに関しても信頼性の高いデータが得られるだろうと期待しています。

((日経メディカル別冊)
日経メディカル オンライン
版権 日経BP社
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/stroke08/update/200803/505713_2.html


<コメント>
ONTARGETの結果は3月末に発表されました。

ONTARGETの結果を考察する
http://blog.m3.com/reed/20080412/ONTARGET_
注目の降圧薬臨床試験 ONTARGET
http://blog.m3.com/reed/20080404/__ONTARGET

他にもブログがあります。
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by esnoopy | 2008-04-14 00:19 | 循環器科

脳梗塞病型と抗血小板療法 その2(2/2)

昨日の続きです。

豊田 
抗血小板薬の併用についてですが各薬剤個々に機序が違っており,理論的には異なる機序の薬剤を併用すればより高い効果が得られるとの意見もあります。
しかし実際行われた試験においてはいまだ十分な結論が得られていません。

発症 3 か月未満かつハイリスクな虚血性脳血管障害患者約7,600例を対象としたMATCHManagement of Atherothronbosis with Clopidogrel in high-risk patients with recent transient ischemic attack or ischemic strokes)クロピドグレル単独またはアスピリン併用群で二次予防効果を検討した結果,両群間で主要血管イベントの相対リスク減少効果に有意差は見られず,一方頭蓋内出血発症率はクロピドグレル単独群で有意に低いとの結果が示されました。

この結果は,患者の危険因子・病態・投薬期間やリスク/ベネフィットを考慮しながら単独/併用療法を選択する必要があることを示唆しています。
実際にMATCHでは高血圧が78%を占めており厳重な血圧管理が必要だということだと思います。

卜部 
日本人に対して,国内臨床試験でクロピドグレル単独ではチクロピジンに比し安全性が確認されましたが,併用に関してはいかがですか。

豊田 
一般住民を対象とした疫学研究では,欧米人に比べ脳出血発症率が高いことが明らかにされており,抗血小板薬の併用療法による出血についても十分に考慮する必要があります。
しかし,その点に関する日本独自のエビデンスはほとんどありませんでした。
BAT(Bleeding with Antithrombotic Therapy)Studyでは,国内19施設で脳卒中または心血管疾患により抗血栓療法を受けている約4,000例を抗凝固薬/抗血小板薬の単独あるいは併用の 4 群に分け,出血性合併症の頻度を調査しました。
抗血小板薬はそのほとんどがチクロピジンでしたが,その結果,抗凝固薬および抗血小板薬の単独あるいは併用療法における日本人の出血性合併症の頻度は欧米での報告とほぼ同じであり,特に高いということはなかったという結果でした(表 2)。
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しかしながら出血性合併症の危険性は考えられるので,抗血小板薬の併用療法にあたっては十分な適応の考慮はもちろんのこと,注意深い血圧の観察がやはり必要不可欠と考えています。

危険因子を有する症例におけるクロピドグレルの意義
卜部 
抗血小板薬の選択の実際についてまとめたいと思います。

豊田 
私が脳梗塞の初発後・再発後にクロピドグレルを選択する根拠は,チクロピジンからの切り替えが必要な場合,アスピリン服用下で再発した場合,そして高血圧や糖尿病・脂質異常症など危険因子を有する場合です。
このような症例では,クロピドグレルを考慮するとよいと思います(表 3)。
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卜部 
図 2はエビデンスに基づき,当院の非心原性脳梗塞に対する抗血小板薬の選択方法を表したものです。
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まず大きくアテローム血栓性脳梗塞/TIAとラクナ梗塞に分類し,次にラクナ梗塞をアテローム関与の有無などで分けます。
一見ラクナ梗塞のようでも実際はアテロームの関与するものが多く,またTOAST分類における「その他の脳梗塞」にもクロピドグレルを選択できる症例が多いと思います。
これらのことよりクロピドグレルを脳梗塞の初発後・再発後の第一選択薬と考えています。
 
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4109221&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.2.28
版権 メディカル・トリビューン社


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-04-08 00:12 | 循環器科

足首-上腕血圧比と高齢者心血管系イベントリスク

足首-上腕血圧比は高齢者の心血管系イベントリスクを予測する
足首-上腕血圧比が低下または上昇している高齢者は心血管系イベントのリスクが高い。
特に、下肢動脈の硬化は脳卒中とうっ血性心不全の予測因子である。


足首-上腕血圧比が低下または上昇している高齢者は心血管系イベントのリスクが高く、特に下肢動脈の硬化(noncompressible leg arteries)は脳卒中とうっ血性心不全のリスク上昇を予測する因子であるとの研究結果が『Stroke』3月号に報告された。
「足首と上腕の収縮期血圧比が低い場合、死亡や心血管系イベントの発生が予測される」とピッツバーグ大学(ペンシルヴェニア州ピッツバーグ)のKim Sutton-Tyrrell, DrPHとThe Health, Aging, and Body Composition Studyの研究者らは書く。
「動脈の石灰化に伴う足首-上腕血圧比の上昇も死亡のリスクになる。足首-上腕血圧比の上昇と低下や下肢動脈硬化が高齢者の死亡や脳卒中などの心血管系イベントにどの程度関連しているかを中心に検討する」。

研究コホートは70~79歳の成人2,886名で、その生存状況と冠動脈疾患、脳卒中、うっ血性心不全にしぼった心血管系イベントについて追跡が行われた。
平均追跡年数は6.7年であった。

80%のコホートは足首-上腕血圧比が正常値(0.91±1.3)であった。
低値(≦0.9)は13%、高値(>1.3)は5%であった。
下肢動脈硬化は2%に認められた。

足首-上腕血圧比が1.0未満の低値あるいは1.4以上の高値に該当する場合、死亡率の上昇と関連があった。
足首-上腕血圧比が低い人、下肢動脈硬化が認められる人のイベント発生率は、すべてのエンドポイントに関して足首-上腕血圧比が正常な人より有意に高かった。
足首-上腕血圧比の低下、上昇および下肢動脈硬化に伴う冠動脈疾患のハザード比(HR)は、年齢、性別、人種、有病率の高い心血管疾患、糖尿病、主要な心血管系危険因子の調整後で、それぞれ1.4、1.5、1.7(すべてP<0.05)であった。
下肢動脈の硬化は、特に脳卒中(HR 2.1)およびうっ血性心不全(HR 2.4)のリスク上昇と関連した。

「高齢者では足首血圧の低下あるいは上昇が多くみられるが、そのような場合は心血管系イベントのリスクが高い」と著者らは結論する。
「下肢動脈が硬化した高齢者は、特に脳卒中、うっ血性心不全、心血管疾患による死亡のリスクが高い。今回のデータは、足首血圧からだけでも臨床的に非常に大きな情報が得られることを示している」。

Stroke. 2008;39:863-869.
Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

http://www.m3.com/news/news.jsp?pageFrom=m3.com&sourceType=SPECIALTY&articleId=69822&articleLang=ja

足に動脈硬化が疑われる症状あっても8割が放置--ネット調査
足の血管が細くなったりつまったりする閉塞(へいそく)性動脈硬化症(PAD)が疑われる症状があっても、8割以上の人は医療機関を受診せずに放置していることが、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」(本社、東京都千代田区)のアンケートで分かった。

昨年12月、30-60代の男女800人を対象にインターネットで調査を実施。
「歩行中に足にしびれや痛みを感じて歩けなくなり、休むと解消する」というPADの典型的な症状を経験したことのある人は214人いたが、このうちPADを疑った人はわずか8人(3・7%)だった。
対処法は「安静にして様子を見る」が84人(39・3%)で最も多く、▽特に何もしない49人(22・9%)▽市販薬などで対処する16人(7・5%)--が続いた。「病院に行く」と回答したのは35人(16・4%)だった。

同社によると、国内のPAD患者は約600万-700万人。進行すると足の切断に至る恐れもあり、同社は「循環器科、血管外科などを受診することによる早期発見・治療が重要」と呼びかけている。
動脈硬化:足に症状、8割が放置-ネット調査
毎日新聞社 2008.3.25
版権 毎日新聞社

http://mainichi.jp/select/science/news/20080325ddm013100167000c.html

透析患者の心血管イベント予測に足首上腕血圧比が有用
心血管リスクの評価指標として、足首上腕血圧比(ABPI)のほか脈波伝搬速度(PWV)がしばしば用いられる。
日本人の透析患者を対象にした5年間の前向き研究の結果、動脈硬化による心・脳血管イベントに対する予測能は、ABPIの方が優れていることが明らかになった。
米国心臓協会・学術集会のポスターセッションで11月4日、名古屋共立病院循環器内科の青山徹氏が報告した。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/aha2007/200711/504669.html



冠動脈病変を疑う患者における両上腕の血圧左右差と Ankle-Brachial Pressure Index の臨床的有用性
目 的:
両上腕の血圧測定は臨床上実用的であるが,冠動脈病変を疑う患者においての臨床的有用性は明らかではない.冠動脈病変を疑う患者における両上腕の血圧左右差とankle-brachial pressure index(ABI)の臨床的有用性を検討した.
結 論:
両上腕の血圧左右差はしばしば冠動脈病変が疑われる患者にみられ,有意な冠動脈病変と末梢動脈病変を持つ患者において関連がある.このように,両上腕の血圧左右差は冠動脈病変と末梢動脈病変の評価の簡便な指標として有用である.
JC Original Article Abstract 505-1J
50-5;281-289 2007.11
http://www.jcc.gr.jp/green/abstractJ/505-1J.html


<コメント>
他の内科開業医の先生方もそうでしょうが、当院も動脈硬化測定装置なるものを導入しています。
導入して2年近くになります。
患者さんの経過をみていくとPWV(当院の装置ではCAVI)の値が確実に増加していく方がいる一方、変化がないか逆に減少する方がみえます。

血圧脈波検査装置 VaSera VS-1000
http://was.fukuda.co.jp/medical/products/catalog/vascular_screening/vs_1000.html 
増加する方にはEPA製剤を処方するのですが、従来数値で動脈硬化を評価する方法がなかっただけに、かえって説明にとまどってしまうことがしばしばあります。
スタチンを投与してコレステロールの数字だけで話をしている分にはラクだったのですが・・・。
PWV,CAVIといった数値より足首上腕血圧比(ABPI)の方が心血管イベントの評価に有用であるという報告は皮肉な結果でもあります。


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-03-26 00:02 | 循環器科

高血圧患者のインターネット調査

通院良好群でもSBP 140mmHg以上が 4 割以上
〜高血圧患者のインターネット調査〜
 
サイレントキラーと言われる高血圧症などの生活習慣病は,自覚症状を伴わない場合
が多いため,通院や服薬に対する患者の意識が低いと自己判断で治療を中断する恐れ
がある。
ファイザー(株)は,インターネットで高血圧患者の治療に対する意識調査を実施した。
その結果を,獨協医科大学循環器内科の松岡博昭教授が,東京都で開かれたプレス
セミナー「高血圧症治療の通院・服薬コンプライアンスに関する調査報告」(主催=ファイ
ザー(株))のなかで報告し,通院コンプライアンスが良好な患者においても約半数が
目標血圧値を達成していない現状を明らかにした。
さらに,日本高血圧協会の荒川規矩男会長は,今回の結果を受け,高血圧に対する
社会的な取り組みの重要性を強調した。


自覚症状なしでは未通院の傾向に 
今回の調査対象は,高血圧の通院経験があり,治療開始から 5 年以上経過した40歳
以上の一般市民。
インターネット上でアンケートを配信し,実回収は2,106例であった。このうちスクリー
ニング漏れがあった196例を除外し,1,910例(男性1,547例,女性363例)について
集計した。

まず,通院コンプライアンスについて,治療開始時点から現在まで「完全に医師の指示
通りに通院」,「数日遅れる程度で通院」が当てはまる場合に通院コンプライアンス良好
とし,「 7 〜 8 割は指示通りに通院」,または「それ以下の通院」が当てはまる場合を
不良とした。
この結果,良好が全体の67.8%,不良が32.2%であった。

高血圧に対する意識については,全体の約 9 割が将来,脳卒中の発症リスクが高まる
と認知していたほか,最適な収縮期血圧(SBP)についても,全体の約 9 割が140mm
Hg以下と回答した。
高血圧を意識したきっかけは,両群ともに約60%が健康診断と回答。高血圧を意識して
からすぐに通院を開始した割合は良好群の62.3%に対して不良群は45.3%であった。

また,自覚症状の有無別に通院をすぐに開始した割合を見たところ,自覚症状があった
場合は80.6%であったが,自覚症状以外がきっかけで高血圧を意識した場合は55.5%
にとどまっており,自覚症状がない場合の約半数は通院につながっていなかったことが
明らかになった。
松岡教授は「高血圧はサイレントキラーと言われ,通常は自覚症状がない。
そのような場合に通院につながらない状況は問題である」と指摘した。

血圧コントロール不良で自己判断による服薬中止例が多い 
日常生活に関連する項目としては,家庭血圧計の所有率が全体の約 8 割にのぼって
いたものの,定期的に測定している割合は通院コンプライアンス良好群でも半分以下
であった。
健康維持,高血圧対策のために「できるだけ歩く」,「塩分摂取に気を付ける」と回答した
割合も通院良好群でも約半数にとどまり,年代別に見ると,40歳代でこれらを実行して
いる割合が他の年代と比べて低く,若年層の意識が低かった。

服薬状況については,良好群では82.1%が「ほぼすべてを服薬していた」と回答したが,
不良群では44.3%にすぎず,松岡教授は「通院状況がよくない場合に服薬状況も適切
でなくなることは十分に考えられる」と指摘した。
また,服薬しなかった理由として,「忘れてしまった」という回答が全体的に多かったが,
不良群では「高血圧に伴う症状がなくなった」を挙げる割合が高かった。これを裏づける
ように,不良群ではSBP 140mmHg以上でも服薬量を減量してよいと答える者が 3 割
を占めた。

現在SBP 140mmHg以上である割合は,不良群では66.0%,良好群でも44.2%を
占めていた。
SBP 140mmHg以上で通院をやめた患者のうち「自分自身の判断で通院を中止した」
と答えた割合は63.1%にのぼっていた。

なお,全体で見ても約 2 割が途中で通院を中止しており,このうち自己判断による中止
が約半数を占めていた。
通院中止群全体の通院期間は 1 年未満と 2 年未満とする回答が多く,併せて50%
前後であった。

同教授は「通院が 2 年以上継続すればコンプライアンスの維持が図れるのではないか」
と指摘。
「今後,治療による自覚症状の消失や血圧値の低下により,患者が自己判断で治療を
中止しないように厳格な降圧の意義を啓発していくことが重要」と述べた。

世界的に血圧管理は厳格化 
荒川会長は今回の調査について「インターネットを使用できる知的レベルが高い患者群
が対象であるにもかかわらず,治療を行っても半数近くがいまだに高血圧と診断される
状況」と評した。
そのうえで,外来治療中の高血圧患者を対象としたJ-HOME研究でも,6 割弱の患者
でSBP 140mmHg以上であったことを補足した。
一方,世界的に各ガイドラインの血圧基準値が厳格化するなか,米国合同委員会の
第 7 次報告(JNC-7)ではSBP 140mmHg未満でも高血圧前症と定義し,正常血圧
をSBP 120 mmHg未満に設定している。
同会長は降圧治療に携わる医師はこのような動きを踏まえ,厳格な降圧を実施していく
べきとした。

現在,日本高血圧協会では,一般市民に対して市民フォーラムを中心とした啓発活動
を推進しており,5 月17日の「世界高血圧の日」には日本でも啓発イベントを開催して
いる。
しかし,社会的な取り組みはまだ不十分であり,商品の塩分表示も行われていない
のが現状である。
同会長は「病院や学校の給食などでも減塩目標値( 6 g/日以下)への取り組みが
遅れている点を認識し,今後,実態調査や教育に取り組んでいく意向である」と述べた。

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ゴッホ 「夜のカフェテラス」 ジークレー 
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<自遊時間>
昨日、所属医師会会長名でこんな葉書が届きました。

特定健診・特定保健指導に関する説明会中止の
お知らせについて
 早春の候、先生には益々ご清祥のこととお慶び
申し上げます。
 さて、特定健診・特定保健指導の円滑な実施に
向け先般、標記説明会を3月○日(日)、○日
(土)に開催する旨ご案内させていただいたとこ
ろですが、未だ厚生労働省も内容について不透明
な部分も多々あり
、現時点で先生方に十分な内容
を提示することができず誤解を招く恐れがあり
ますので、大変ご迷惑をお掛けし誠に申し訳ござ
いませんが、今回の説明会を中止させていただく
こととなりました。
 つきましては、明確な内容がわかり次第再度
開催のご案内をいたしますので、その節は、よ
ろしくお願い申し上げます。

厚生労働省のドタバタぶりが伝わってきます。

内科開業医のお勉強日記
http://intmed.exblog.jp/i12/
では○○役人というカテゴリがありますが、
私にはそこまでの表現はできません。
(気持ちは同じです)

<自遊時間>
日頃、日本医事新報のエッセイを読むたびに、ドクターには文系の才能を兼ね備えた方がみえることに感心しています。
ちょっと古い週刊誌の記事で申し訳ありません。
文系と理系の話題が目にとまりましたので紹介させていただきます。

人間関係を通じて文系と理系が補い合えば、互いにプラスになり、対話が楽しいに違いないと思います。
夏目漱石と寺田寅彦の関係がそうだった。
科学好きの文系種族の漱石と、俳句や文学に造詣の深かった理系種族の寅彦との交流は、それぞれの仕事に見事に息づいています。
本来、理系と文系を分ける必要はないんだけど、理系的思考の流れはあって、理系は意識的に適用する。
文系はそれを排除してしまう傾向があるから、初めは理系に進むにがいいかも知れません。
  (池内了)サンデー毎日 2005.3.6

筑波大学大学院の感性認知脳科学では、医学系と心理学系だけではなく、デザイン学までも巻き込んで研究を進めています。
デザイナー出身の山中敏正助教授は、2人の間に置かれたお茶が人間関係にどういう影響を及ぼすかという、いわば「茶飲み友達の『場』」というおもしろい研究をしています。
「足元に埋もれている宝も忘れてはならない」
寺田寅彦先生が80年近く前に言っていた「等身大の科学」は、これから増えていくのかもしれません。
       サンデー毎日 2005.3.6
寺田寅彦
http://www.minken.city.kochi.kochi.jp/terada.html

寺田寅彦
http://ja.wikipedia.org/wiki/寺田寅彦
文系と理系の融合を試みた随筆
•『漫画と科学』
•『科学と文学』
•『西鶴と科学』
•『珈琲哲学序説』
•『神話と地球物理学』

寺田寅彦
出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』
http://ja.wikiquote.org/wiki/寺田寅彦
出典の確かなもの
• われわれがもっている生理的の「時」の尺度は、その実は物の変化の「速度」の尺度である。万象が停止すれば時の経過は無意味である。「時」が問題になるところにはそこに変化が問題になる四元世界の一つの軸としてのみ時間は存在する。
    (「春六題」)
•ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい。
    (「小爆発二件」)
•一見雑多な知識が実に不思議な程みんな後年の仕事に役に立った。それは動物や人間が丁度自分のからだに必要な栄養品やビタミンを無意識に食いたがるようなものではなかったかという気がするのである。
    (「科学に志す人へ」)

•「科学者とあたま」 (1933年)
•科学者になるには自然を恋人としなければならない。
自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。
科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である。
偉大なる迂愚者の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である。
•失敗をこわがる人は科学者にはなれない。科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である。
•頭のいい、ことに年少気鋭の科学者が科学者としては立派な科学者でも、時として陥る一つの錯覚がある。
それは、科学が人間の知恵のすべてであるもののように考えることである。
科学は孔子のいわゆる「格物」の学であって「致知」の一部に過ぎない。
しかるに現在の科学の国土はまだウパニシャドや老子やソクラテスの世界との通路を一筋でももっていない。
芭蕉や広重の世界にも手を出す手がかりをもっていない。
そういう別の世界の存在はしかし人間の事実である。
理屈ではない。
そういう事実を無視して、科学ばかりが学のように思い誤り思いあがるのは、その人が科学者であるには妨げないとしても、認識の人であるためには少なからざる障害となるであろう。これもわかりきったことのようであってしばしば忘られがちなことであり、そうして忘れてならないことの一つであろうと思われる。

寺田寅彦と現代/等身大の科学をもとめて
http://mmaehara.blog56.fc2.com/blog-entry-739.html
http://www.msz.co.jp/book/detail/07126.html
寺田寅彦と現代
書評:池内 了『寺田寅彦と現代?等身大の科学をもとめて』
http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/ikeuchi.htm
近年になりその手法と思想では説明できない種々の現象が登場し、それとは対極にある複雑系の科学やフラクタル理論(全体論的思想)が要請され、流行にさえなっている感がある。
科学研究の最前線は要素還元的な手法と思想のもとでは行き詰まり感があり、つぎつぎと「超」や「極」の接頭語をつけざるを得ない肥大化した事態になっている。
つまり、この思考をいくら推し進めたところで、とどのつまりは認識論的限界に陥り、人類の自然観を転換させるような発見は望めない状況にあるという。
こうしたどんづまりの閉塞状況をいかに乗り越え新たな道を切り開いていくかという問題意識から、著者は、物理学の先人のなした歴史的業績を真摯に学びそこからヒントを得ようとする。
いわゆる、著者が提唱する等身大の科学、新しい博物学、文理融合、複雑系の科学、フラクタル理論などを暗黙的に提唱した人物の業績である。
これらの種々の新たな科学の認識論的思考を希求する際、さきがけとなった人物がいた。
今年で没70年になる寺田寅彦(1878-1935)である。
寺田寅彦が生きた時代は、まさに先に述べた原子物理学の研究が花盛りのときであり、そのよってたつ思考態度は要素還元主義の思想であった。
寺田寅彦は流行する研究動向に反発するかのように、きわめて身近な自然現象を深く考察する研究態度をとったことはよく知られているが、本書は、寺田寅彦の科学的認識を現代の科学のなかに復権させようとする試み、そこから現代科学の困難性を打開しようともくろんでいる。


そんなことで、きょうは寺田寅彦と池内了の両氏をとりあげてみました。
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by esnoopy | 2008-03-06 00:04 | 循環器科

糖尿病合併例にどのスタチン?

昨年(2007年7月)の第39回日本動脈硬化学会総会・学術集会の発表からの紹介です。

糖尿病合併例にどのスタチンを使うべきか
アトルバスタチンでの血糖上昇を示唆する報告も 

2型糖尿病を合併している高コレステロール血症の患者は少なくないが、こうした患者においても、心血管系イベントの予防のために、積極的な脂質低下療法を行うことが必要とされている。
だが、糖尿病を合併した高脂血症(脂質異常症)患者に、どの高脂血症治療薬を選択すべきかについては、まだコンセンサスが得られていないのが現状だ。
7月12~13日に大阪市で開催された第39回日本動脈硬化学会総会・学術集会では、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の使い分けに関する研究結果が2題、報告された。

横浜市立大市民総合医療センターの山川正氏
ストロングスタチン間でも耐糖能への影響に差
1つは、横浜市立大市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科准教授の山川正氏による報告。
山川氏は、同院の外来に通院中の2型糖尿病患者のうち、プラバスタチン(Pr、商品名:メバロチンほか)、ピタバスタチン(Pi、商品名:リバロ)、アトルバスタチン(At、商品名:リピトール)のいずれかを服用している患者を後向きに調査し、投与開始後の耐糖能の変化を調べた。

同氏らはこれまでに、ストロングスタチンに分類されるAtと、マイルドスタチン(スタンダードスタチン)に分類されるPrを比較し、AtがPrに比べて血糖コントロールを悪化させる可能性があることを指摘している(高野達郎、山川正ら. J Atherosclerosis Thrombosis.2006;13:95-100.)。
今回は、このAtの血糖上昇作用が、ほかのストロングスタチンにも認められるかどうかを明らかにするため、検討対象にストロングスタチンのPiを加えて分析した。

調査対象は、2002年4月~2007年2月までにPr10mg、At10mg、Pi1~2mgのいずれかの投与を開始した糖尿病患者。
調査対象期間中に糖尿病薬の内容や投与量に変更があった患者などを除外し、At10mg投与群78人、Pr10mg投与群76人、Pi1~2mg投与群80人について、投与開始後3カ月間での随時血糖、HbA1c、脂質、体重の変化を分析した。

その結果、At群では、3カ月後に随時血糖およびHbA1cが有意に上昇した(随時血糖147mg/dL→177mg/dL、HbA1c6.80%→7.16%〔いずれもP<0.01〕)が、Pi群とPr群では有意な変動は見られなかった。
同じストロングスタチンでも、AtとPiでは、耐糖能に与える影響が異なることが示唆された。
なお、LDL-Cに関しては、すべての群で有意に低下したが、At群では他群に比べて有意に高いLDL-C低下作用を示していた。
このLDL-C低下作用の差について山北氏は、「At群ではマイルドスタチンからの切り替えが多かったのに対し、Pi群は同じストロングスタチンであるAtからの切り替えが多かったため、At群のLDL-C低下作用が高く出たのではないか」と分析していた。


関医院の関勝剛氏
アトルバスタチン投与でHbA1cが5.9%→6.8%
もう1つの発表は、2型糖尿病患者においてAtとPrの影響を比較したもの。
関医院(秋田県能代市)副院長の関勝剛氏が発表した。
同医院に通院中の2型糖尿病患者のうち、At投与患者66人(平均投与期間4.1年)とPr投与患者51人(同8.0年)について、空腹時血糖値、HbA1c、脂質などを投与前後で比較した。

その結果、どちらの薬剤でも脂質管理目標値は達成できていたが、やはりAt投与患者では糖尿病の状態が悪化していた。
具体的には、At投与患者の平均空腹時血糖値は111mg/dL→130mg/dL(p<0.0001)、平均HbA1cは5.9%→6.8%(p<0.0001)であり、Pr投与者では有意は変化はなかった。
関氏は「2年ほど前から、糖尿病患者にアトルバスタチンを投与するとやや血糖コントロールが悪化する印象を持っていたが、今回の分析でそのことを確認できた」と話す。

スタチンが糖代謝に与える影響は不明な部分も多いが、スタチン間で、脂肪細胞による糖の取り込みやβ細胞機能に対する影響に差があるとする基礎研究の結果も報告されている。
山川氏は、「糖尿病患者に高脂血症治療薬を使用する際には、薬剤によって耐糖能に与える影響が異なる可能性がある。
慎重に薬剤を選択するとともに、投与後の血糖値の変化にも注視した方がよい」と話している。

Nikkei Medical 2007.7
版権 日経BP社
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200707/503811.html

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by esnoopy | 2008-02-25 00:10 | 循環器科

坐位中心の生活で高血圧リスク倍増

〔スペイン・パンプローナ〕ナバラ大学(パンプローナ)予防医学・公衆衛生学の
Juan Jose Beunza博士は「コンピュータ操作や自動車の運転など坐位中心
の活動が大半を占めるライフスタイルの人は,そのような仕事に付随するストレス
も加わるため,高血圧の発症リスクが最高で50%高い」と American Journal
of Hypertension(2007; 20: 1156-1162)に発表した。

メタボリックシンドロームと共通した機序 
Beunza博士は,同大学・食事とライフスタイル追跡プログラム(SUN study)に
参加した 1 万例以上のライフスタイル,食事,運動を分析した。
既に高血圧,他の心血管疾患(CVD),糖尿病あるいはがんの罹患者を除く
6,742例のうち,291例が新規高血圧と同定された。

同博士は「坐位中心の生活は高血圧だけでなく,メタボリックシンドローム全体と
関連しており,このことは体重増加などに共通の機序が存在することを示唆する
ものである」と指摘。
「有酸素運動を行うことにより,高血圧患者の血圧は最大で6.9 mmHg低下させる
ことが可能である」と述べている。

さらに,同博士は「坐位中心の習慣を持つ割合が最も高いのは余暇にほとんど運動
をしない若年男性である。彼らはコレステロール値が高かったり,果物や野菜を
ほとんど食べずに,塩分やアルコールを頻繁に摂取する傾向がある」

坐位中心の生活で高血圧リスク倍増
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4107882&year=2008
Medical Tribune 2008.2.14
版権 メディカル・トルビューン社

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パブロ・ピカソ 「夢 -The Dream-」
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v45085141

<コメント>
まさしく私のような内科開業医にぴったりあてはまる内容の報告です。
往診や在宅もほとんどせず、1週間のうち大半は外出しない毎日です。
仕事はほとんど坐業。
動かしているのは口だけ。
(頭の中はほとんど動かしていません)
坐業がいけないのは痔だけと思っていましたが、最近ではDVTによる肺梗塞が起きる
のではとなかば真剣に心配しています。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-02-22 00:07 | 循環器科

横紋筋融解症・診断基準

スタチン投与中のCK上昇はしばしば経験するところです。
β遮断剤の中でもISAのあるタイプではCK上昇も有名な副作用でした。
CK上昇イコール横紋筋融解症ではもちろんありませんが、この横紋筋融解症も意外と定義ははっきりしていないようです。
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CK基準値上限の10倍以上とミオグロビン尿を診断基準として提案

近年,薬剤の重大な副作用として横紋筋融解症が注目されているが,報告例間で検査値などに大きなばらつきが見られている。
笠岡第一病院(岡山県)内科の原田和博氏は,

①クレアチンキナーゼ(CK)基準値上限の10倍以上
②ミオグロビン尿を認める

との診断基準を提案した。

半数がCK値10倍未満で診断
原田氏は「横紋筋融解症は場合によっては薬剤の生命にもかかわりうる重大な名称であり,どのレベルでこの有害事象名を付けるかが問題になる」と指摘。
厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」では,横紋筋融解症の項に具体的な診断基準や検査値についての記載はない。
一方,米国心臓病学会/米国心臓協会/米国立心肺血液研究所の「スタチンによる筋障害の定義」によると,横紋筋融解症はCK標準値上限の10倍以上ならびにクレアチニン上昇を伴う筋肉の症状で,通常,褐色尿と尿ミオグロビンを伴うとされている。

同氏は,製薬会社に報告された筋肉関連有害事象65例について検討。
うち33例(51%)が横紋筋融解症だったが,血清CK値が基準値上限の10倍以上を示したのは17例(52%)で,5~10倍未満6例(18%),5倍未満と記載なしが各5例(15%)。ミオグロビン尿または尿潜血陽性を示したのは33例中13例(39%)にとどまった。
その一方で,「血清CK値上昇」との有害事象名で報告された11例中4例(35%)は同値が基準値上限の110倍以上であった。
同氏は「『横紋筋融解症』と「血中CK上昇」における血清CK値は実際には違いはほとんどなく,横紋筋融解症と報告された症例には重篤度で大きなばらつきがあった」と述べた。

続いて,臨床試験の担当医(医師)23人と製薬会社222社の安全管理担当者を対象としたアンケートの結果を紹介。
横紋筋融解症の診断に際して血清CK値は基準値上限の10倍以上は医師で37%,製薬会社で56%,同21倍以上がそれぞれ21%,11%,値は基準に入れていないが37%,22%,ミオグロビン尿を診断基準に入れているのは医師で68%,製薬会社で22%,ミオグロビン尿の確認がなくても褐色尿または尿潜血陽性で代用しうるのはそれぞれ16%,56%,筋肉症状(脱力,筋肉痛など)を診断基準に入れているのは65%,78%,腎機能障害を診断基準に入れているのは37%,44%であった。

以上の調査結果や文献などの検討を踏まえて,同氏は横紋筋融解症の診断基準を

①CK基準値上昇の10倍以上
②ミオグロビン尿を認める。
検査していない場合,尿潜血陽性や褐色尿があったり血清クレアチニン値の上昇があれば同義とみなす

とし,筋肉症状や腎障害は参考基準にとどめることを提案。
また同氏は,横紋筋融解症に至らないレベルの有害事象は,具体的な筋肉症状や検査値異常をそのまま記すのが現実的との考えを示したうえで,『これを機会に横紋筋融解症の具体的診断基準が設定される動きになればと思う」と締めくくった。

Medical Tribune 2008.1.24
版権 (株)メディカル・トリビューン


[2005年2月3日 (VOL.38 NO.5) p.53]
横紋筋融解症
スタチン単剤ではリスクは低い

〔ニューヨーク〕 米食品医薬品局(FDA)のDavid J. Graham博士らは「アトルバスタチン,プラバスタチン,シンバスタチンなどのスタチン系抗高脂血症薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)が横紋筋融解症を引き起こすリスクは比較的低いが,スタチン・フィブラート系薬併用療法中の高齢糖尿病患者ではそのリスクが上昇し,cerivastatin・フィブラート系薬の併用では年間10例につき約 1 例という過度の高リスクが生じる」とJAMA(2004; 292: 2585-2590)に発表した。
主要 3 剤のリスクは低い
今回の調査では,全米11の健康保険制度に登録された患者のうち,スタチン単剤療法とスタチン・フィブラート系薬併用療法を受けた25万2,460例のデータが解析された。著者の一部にFDA職員もいたが,調査実施に当たり「FDAからの指示や干渉はなかった」と記している。
Graham博士らは「スタチン療法を受ける患者が今後数年間で大幅に増加する可能性を考えて今回の調査を行ったが,処方頻度の高いスタチン系薬 3 剤による横紋筋融解症のリスクは比較的低いことが再確認された」と結論している。
しかし調査では,医師は一部の患者に対して横紋筋融解症のリスクに関する特別な指示を与えるべきであることも明らかにされている。コレステロール値とトリグリセライド値が上昇した糖尿病患者らにスタチン・フィブラート系薬併用療法を行う場合,リスクが上昇するため,横紋筋融解症と思われる症状が出現したら服薬を中止して検査を受けるよう患者に指示しておく必要がある。
併用でリスク5.5倍に
1998年初頭から2001年半ばまでにスタチン療法を受けた25万2,460例中24例が横紋筋融解症のため入院した。全例とも添付文書に示された推奨用量の範囲内でスタチンを投与されていた。アトルバスタチン,プラバスタチン,シンバスタチンによる横紋筋融解症の発症率は同等であった。スタチン単剤療法を受けた患者では,同症の発症率は年間 2 万2,727例に 1 例であったが,スタチン・フィブラート系薬併用療法を受けた65歳以上の高齢糖尿病患者では,484例に 1 例となっていた。スタチン単剤療法による同症発症率は 1 万患者年当たり平均0.44例,フィブラート系薬単剤療法では2.82例であった。
横紋筋融解症のため入院した24例(平均年齢64.6歳)のうち,13例はスタチン単剤療法,3 例はgemfibrozil併用療法,8 例はスタチン・フィブラート系薬併用療法を受けていた。23例には入院前に筋痛または筋力低下の症状が出現し,入院前の症状持続期間は平均6.9日(うち 1 例は30日)であった。18例は重度の横紋筋融解症を発症した。
スタチン単剤療法を受けた患者では,発症までのアトルバスタチンまたはシンバスタチンの平均投与期間が348日(21~1,050日の範囲)で, gemfibrozil併用療法では77日(21~179日),スタチン・フィブラート系薬併用療法では32日(18~78日)であった。スタチン・フィブラート系薬併用療法のリスクは,スタチン単剤療法の5.5倍,フィブラート系薬単剤療法の 2 倍となっていた。
FDAに提出された症例報告としては,これまでに 2 件の独立した解析が行われており,横紋筋融解症の報告数はアトルバスタチンまたはプラバスタチンよりもシンバスタチンとcerivastatinで多いとされていた。これはテキサス大学(テキサス州オースティン)のM. A. Omar博士らによる所見(Annals of Pharmacotherapy 2002; 36: 288-295)で,今回の所見とは異なっている。
Graham博士らは,ランダム化比較試験におけるミオパシーの発生率を0.1~0.5%と推定している。血清クレアチンキナーゼ濃度が正常上限値の10 倍を上回る場合,ミオパシーと定義する。スタチン系薬剤は,横紋筋融解症のほかにも無症候性のクレアチンキナーゼ上昇などの筋障害を引き起こすことがある。安全上の問題のため,cerivastatinは米国市場から回収された。
実際のリスクはさらに高い
一方,ユトレヒト大学(オランダ・ユトレヒト)のRonald H. B. Meyboom博士と世界保健機関(WHO)国際医薬品モニタリングセンター(スウェーデン・ウプサラ)のRalph Edwards博士は「WHO国際医薬品モニタリングプログラムでは,現在までに各種スタチン(他剤併用も含む)の使用中に致命的な横紋筋融解症,ミオパシー,またはその両方を生じた症例を338例把握している」と Lancet(2004; 364: 1997-1999)に発表している。このデータベースには,市場から回収されたスタチンに関連する所見が含まれていることに当然注意すべきであろう。
同博士らは,この統計データに関して「スタチン系薬剤は,使用者が多いことや,心筋梗塞・脳卒中の予防による救命率の高さと比較すると,この数字は小さなものと言える。しかし,このデータはスタチン使用にはある程度のリスクが伴うことを示しており,医薬品の副作用が疑われても報告されないケースも非常に多いため,さらにリスクは高いと考えられる」と述べている。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E6%A8%AA%E7%B4%8B%E7%AD%8B&perpage=0&order=0&page=0&id=M3805531&year=2005&type=allround

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横紋筋融解症をどのように診断するか
中谷 鈴木先生はミオパシーと横紋筋融解症の診断をどのように区別されていますか。
鈴木 まず筋肉痛とCK(CPK)を診ることになりますが,激しい運動をした場合には,当然,筋肉痛は出ますし,CPKが2,000~ 3,000 IU/Lまで上昇することも珍しくありません。ですから,横紋筋融解症の目安としては,このような筋肉痛が持続して徐々に増悪するかどうか,さらに必ず尿の色にも注意しています。また,他の薬剤を服用していないかどうかも重要です。
 実際に私が経験した横紋筋融解症は,3例とも尿の色で気付きました。筋肉痛を訴える患者さんの尿を調べるとオレンジ色を呈しており,ミオグロビン尿の可能性が高いと考え,採血を行ったところ,すでにCPKが4,000~5,000IU/Lまで上昇していたことから,すぐに入院させ,血漿交換や大量補液などの治療を行いました。
中谷 確かにミオパシーでも筋肉痛とCPKの上昇は起こりますので,横紋筋融解症と診断するには構造蛋白であるミオグロビンの上昇が重要で,尿の色は一つのポイントでしょう。
木下 症状がどう伴うかは非常に重要な問題ですが,ミオパシーなのか横紋筋融解症なのかは判断が難しい場合があります。横紋筋融解症だった場合は,薬をやめるタイミングを逃してしまうと,重篤な症状に陥る可能性もあるので,怪しいと思ったらスタチンを一度中止するという選択も必要かと思います。
 逆に申しますと,高脂血症治療薬をしばらく休薬したことで,著しいデメリットを引き起こすような事態にはなりにくいという判断を,一般の先生方には持っていただきたいと思います。
石神 私の経験でも,筋肉痛とCPKは必ずしも相関が認められません。ですから,筋肉痛などがあって日常生活に悪影響を及ぼす時は,CPK が正常であっても,やはり一旦スタチンを中止します。ただ,せっかくコレステロールを良好にコントロールしている時に,多少 CPKが上昇したからと,すぐにスタチン投与を止めてしまうことも問題です。私自身はCPKが2倍以上に上昇した場合に中止を考慮するようにしています。
中谷 最近,厚生労働省では,スタチンを投与している人に筋肉痛がある場合には,すぐに主治医に相談するように注意を喚起していますが,患者さんの判断で,筋肉痛があるからといってすぐに服用を止めてしまう場合もあるので,その点は注意が必要ですね。
石神 やはり患者さんにコレステロールを下げる意味を十分説明することと,最低1カ月に1回は受診していただくようにすることが,いちばん大切だと思います。

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by esnoopy | 2008-01-29 00:05 | 循環器科

コレステロール低値の脳卒中死リスクは必ずしも低くない

観察研究のメタ解析としては最も信頼性の高いProspective Studies Collaboration(PSC)が、血清脂質と心血管系イベントに関する解析をLancet誌12月1日号で公表した。
虚血性心疾患死のリスクは予想通り、血清総コレステロール(TC)低値例で年齢を問わず低かった。
一方、脳卒中死では、TC高値がリスクとなっていたのは、相対的若年者と収縮期血圧がほぼ正常である場合のみだった。

約90万例、1千万例・年のデータを解析
解析対象となったのは、観察開始時に心血管系疾患の既往がなかった40~89歳の89万2,337人。
前向きコホート研究61件のデータが集められた。わが国からのデータも含まれているが、主として欧米人の成績である。
また一般的なメタ解析と異なり、PSC解析では原則として、オリジナルデータが入手可能だった。

1,160万人・年のサンプル(平均追跡期間13年)中、55,262例が血管系イベントで死亡していた。
内訳は「虚血性心疾患死」が33,744例、「脳卒中死」11,663例、「その他の血管死」が9,855例である。

虚血性心疾患リスクはTC低値に従い減少
性別、年齢と参加した試験で補正後、血清脂質と死亡リスクの関係を検討すると、以下が明らかになった。

まず虚血性心疾患死のリスクだが、リスク対数値とTC値の間に正の相関を認めた。
年齢の高低、性別を問わず、TC値が37.8mg/dL(1mmol/L)低いと虚血性心疾患死のリスクも有意に低かったが、相対リスクの減少率は若年者で顕著であり、高齢になるに従ってTC低値による相対リスク減少率は小さくなっていた。

また、このTC低値における虚血性心疾患リスクの減少は、収縮期血圧の高低、喫煙習慣の有無、BMIの高低を問わず認められた。

脳卒中リスクは血圧145mmHg以上では有意に大きい
一方、脳卒中死リスク(対数値)とTC値は、40~59歳で弱い正の相関が認められるのみで、それより高齢では相関していなかった。

試験開始時の収縮期血圧別に検討すると、「145mmHg未満」ではTC値が37.8mg/dL低値であれば脳卒中死リスクは有意に低くなっていたが、「145mmHg以上」であった場合、リスクは逆に有意に大きくなっていた。
この脳卒中と総コレステロールの関係については、更に検討する必要があると著者らは記している。

なお本コホートにおける「非血管系死亡」は42,865例。TCが37.8mg/dL低値だとリスクは相対的に10%有意に増加していた(95%信頼区間:1.08~1.11)。
この結果を著者らは、TCを低下させる基礎疾患などによりリスクが増加した結果であろうと記している。

TC値と総死亡の関係は示されていないが、TC低値は「虚血性心疾患死」のリスクは低いが、血圧コントロール不良例では「脳卒中」抑制に注力が必要であり、また一般的にTC低値例では続発性の低コレステロール血症を除外する重要性が示された。

http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=1644
2007/12/13(木)No.J000209

Prospective Studies Collaboration et al. Blood cholesterol and vascular mortality by age, sex, and blood pressure: a meta-analysis of individual data from 61 prospective studies with 55,000 vascular deaths. Lancet. 2007 Dec 1; 370(9602): 1829-39.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=18061058&ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

<コメント>
タイトルほどにはインパクトに欠ける内容です。
コレステロール低値で総死亡が増加するというエビデンスは以前からあるようです
が、スタチンの学術集会などでは、そのことは一切取り上げられません。
コレステロール値のLower the betterという考え方。
どうも私自身受け入れることが出来ませんでしたが、少なくともこの論文は心強い
味方になりそうです。
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by esnoopy | 2007-12-20 00:05 | 循環器科