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COPD (世界の権威に聞く)

Medical Tribune誌の"世界の権威に聞く"という特集号で、Bartolome R. Celli タフツ大学内科教授 へのインタビューで勉強しました。

Bartolome R. Celli タフツ大学内科教授
カリタス聖エリザベス医療センター肺・救命救急診療・睡眠医療科部長,COPD患者の診断および治療に関する基準を確立した米国胸部学会および欧州呼吸器学会の委員会副議長,The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Desease(GOLD)執行委員会の元メンバー。


COPDは,気道や肺の炎症によりもたらされる慢性の気流閉塞性疾患であるが最近の研究からは全身性疾患との認識が広まっており,COPDがもたらす合併症や生命予後への影響について注目されている。
タフツ大学内科のBartolome R. Celli教授は,多次元的評価法による予測死亡率の有用性など,患者の個別性に応じた全身性症状の改善に着目して研究している。


COPD患者の予後に明るい兆し,BODE指数が死亡リスクの予測に有用

米国ではCOPDはどのような現状ですか。
米国では現在,COPDがおもな死因の第 4 位で,年間13万人以上が亡くなっています。
18歳以上でCOPDと診断されているのは1,100万人以上です。
最近のCOPDによる死亡数は,男性に比べて女性のほうが多くなっています。ただし,多くの症例がいまだ正確に診断されずにいます。
しかしその一方で,現時点では喫煙率が低下していることや,多数の新しい診断・治療法が実用化されていることから,COPDリスクのある人の予防や患者の予後について明るい希望を持ってよいとする理由が十分にあるということを,最初にお伝えしたいと思います。

COPDの生命予後や死亡リスクを決定する因子について最近の知見をお聞かせください。
まず,COPDを新しいパラダイムを通して見る必要があります。
つまりCOPDを単なる呼吸器疾患ではなく,評価可能な全身への影響(合併症)を伴う重要な疾患でもあると考えられます。

また,このパラダイムによると,COPDは予防や治療が可能な疾患であると考えるのです。

したがって,COPD患者の全死因や呼吸器系の原因による死亡リスクを予測するBODE指数は重要な意味を持ってくるのです。BODEは肥満指数(BMI;B),気流閉塞度(the degree of airflow obstruction;O),呼吸困難(dyspnea;D),6 分間の歩行テストで測定する運動能力(exercise capa-city;E)を意味します。
この 4 つの変数を使用して,スコアが高いほど死亡リスクが高くなる多次元的10点満点方式の評価法を作成しました。
われわれは,COPD患者の全死因や呼吸器系の原因による死亡リスクを予測するという点で,
BODE指数が 1 秒量(FEV1.0)よりも優れていることを明らかにしました。

これ以外にも重要で補完的なアプローチが,研究や新しい治療法の開発に重要な道を開いています。

最大吸気量/全肺気量比(inspiratory-to-total lung capacity ratioIC/TLCは,COPD患者の全死因死亡率や呼吸器系の原因による死亡率に関して有効で独立した予測因子です。
携帯型酸素飽和度測定器で24時間測定すると,COPD患者の日常生活動作と夜間のいずれにも影響を及ぼす,頻発する潜在的に重要な酸素飽和度の低下を確認できます。
蛋白質マイクロアレイプラットホーム(PMP)技術により,重要な臨床予後予測因子に関係する血清中の選択マーカーが確認されています。

心不全や心筋梗塞,不整脈,肺塞栓症はいずれもCOPD増悪に似た症状を呈するため,COPDの増悪と思われる症状を慎重に診断することがきわめて重要です。増悪の程度に伴い健康状態の悪化や肺機能の低下,死亡が生じるため,増悪の予防と適切な治療が非常に重要です。遷延性低酸素血症や不均一に分布する肺気腫による過膨張,末梢性筋機能障害など,特定の臨床表現型の検出における最近の進歩により,それぞれの患者に最適な治療を提供できるようになっています。


肺の過膨張が治療で重要な標的
最近の大規模試験によってどのようなことが明らかになったのでしょうか。
COPD患者6,112例を対象にしたTORCH試験では,サルメテロール/フルチカゾン配合剤群の全死因死亡率が12.6%,プラセボ群では15.2%であることが明らかになりました。

事前に決めた統計学的有意水準には至りませんでしたが,サルメテロール/フルチカゾン配合剤群では,死亡リスクがプラセボ群に比べて2.6%低下したほか,QOLの改善,増悪の程度の軽減,肺機能低下速度の遅延という成績が得られました。
 
UPLIFT試験では,チオトロピウムの長期投与により肺機能低下速度や健康状態,増悪の頻度に対する有用性を示すかどうかを明らかにしようとしています。
今年には報告されるでしょう。

われわれは以前,短時間および長時間作用型の気管支拡張薬もともにCOPD患者の肺過膨張を軽減することを明らかにしました。
というのも,
肺の過膨張が治療上重要な標的になるからです。

GOLDは新たな病期分類,増悪の管理,包括的医療チーム確立を推奨
患者管理についてGOLDレポートからわかることは何でしょうか。
最新のGOLDレポートには,COPDの診断,管理,予防に関する新しい基準,重症度を明らかにする新たな病期分類のガイドライン,増悪の管理に関する推奨事項,連携治療に必要な包括的医療チーム確立に関する推奨事項が記載されています。
GOLDの2007年追補版も発表されました(詳細はhttp://www.goldcopd.com/で閲覧可能)。

COPDの増悪を抑えることが重要な治療目標ですから,増悪例の自宅管理では現在実施している気管支拡張薬療法の用量や回数を増やすことが必要です。
さらに,COPD増悪時ではコルチコステロイドの全身投与も推奨されています。
病院で管理する場合は,酸素療法,非侵襲的呼吸管理,抗菌薬投与も役割を果たします。


患者個々に合った包括的アプローチで延命可能
多次元的評価法による死亡率予測の有用性,また最少の費用で最善の転帰を得て最大の治療効果を上げる活用法について教えてください。
多次元的評価法により,医師が患者 1 人 1 人に必要な診療について焦点を絞りやすくなります。
予測死亡率に目を向けることによって,延命のために何をすべきかという問題にも容易に焦点を定めることができます。
COPDは全身症状を伴う疾患であるため,患者それぞれの特性に合わせて介入することによりQOL改善,延命,死亡率低下が期待できると考えています。

呼吸リハビリテーションにより,転帰不良に関係する運動能力,呼吸困難などの変数とともに,多次元的BODE指数も改善します。
将来,全身性炎症の改善または正常化を目指した介入が実施されるでしょう。
われわれは,気流制限の程度に直接的には関係しないCOPDに伴う全身性疾患に着目することにより,同症の罹患率や死亡率の低下が可能かどうかを検討しています。

現在,COPDを生涯にわたって管理するには,包括的なアプローチが重要です。多くの患者では,COPDのさまざまな症状に対して複合的な治療を同時に展開することが必要なのです。

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Comment
COPDは全身性疾患として  予防と治療が可能な時代に
順天堂大学呼吸器内科客員教授 福地 義之助 COPDについて世界的に最も広く引用されているGOLDの2006年改訂版に導入された,"COPDは予防と治療が可能な疾患である"という疾患概念をかねてから強調してきたのはCelli教授です。

COPD治療に対する,医師と患者の長年にわたる無力感や悲観論にとらわれることなく,今や積極的に治療を展開すべきだという確固たる信念が,Celli教授のインタビューからもよく伝わってきます。

有効な治療が可能になったのは,長時間作用型気管支拡張薬が普及してきたことや,呼吸リハビリテーションの早期導入が広まったことなどが貢献しています。

さらに,COPDの全身的影響としてGOLDに挙げられている動脈硬化症,骨粗鬆症,筋萎縮性変化などは,一般臨床においても高齢者診療では日常的に多く診療していますが,その適切な管理が一般臨床医にとっても重要な診療内容となることは必至でしょう。

このためには,COPDが全身性疾患であることを十分に理解し,Celli教授が提唱したBODE指数に即して,体重(BMIなど)の維持に直結する栄養管理,気流制限(obstructive disturbance),呼吸困難(dyspnea)の改善を図る気管支拡張薬の投与,運動能力(exercise capacity)を向上させる運動療法などを標的とした治療戦略を立てることが重要です。
 
TORCH,INSPIRE,UPLIFTなどの大規模臨床試験においてCOPDの予後の改善,増悪の防止,患者QOLの向上とともに肺機能の低下を改善することが示されれば,COPDをさらに早期から治療することの意義が確認できると期待されます。

わが国で発刊されている『呼吸リハビリテーションマニュアル』の「運動療法」(2003年)と「患者教育の考え方と実践」(2007年)に関するガイドラインは,COPD患者の診療を行ううえでおおいに役立つ情報を満載しているので,広く参照していただければ幸いです。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41141021&year=2008

出典 Medical Tribune 2008.4.3
版権 メディカル・トリビューン社

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by esnoopy | 2008-04-18 00:08 | 呼吸器科

呼吸器感染と心疾患・脳卒中リスク

呼吸器感染症が心臓発作と脳卒中の引き金や悪化の原因となりうることは、医学的
にも容易に想像できることです。
肺炎球菌ワクチンの接種が1回限りと定められている国内では、どのタイミングで
接種するかも臨床医の頭を悩ませています。
きょうはこのあたりの論文紹介で勉強しました。

〔ワシントン〕 ロンドン大学衛生学・熱帯医学部(ロンドン)統計ユニットのTim Clayton,
Tom Meadeの両氏らは,近年の呼吸器感染症は冬季により多くなる心臓発作と脳卒
中リスクを高めることを示す強いエビデンス
が得られたとEuropean Heart Journal
(2008; 29: 96-103)に発表した。

感染翌週にはリスクが倍増
冬季に呼吸器疾患が死亡の直接的な原因となる患者に加えて,冠動脈性心疾患
(CHD)と脳卒中による死亡が増加することは,ここ数年間,死亡診断書の情報により
認識されてきたが,より確実なエビデンスが必要とされていた。

Clayton氏らは「呼吸器疾患が脳卒中の強い危険因子である」とする一般診療から得られた情報に基づいて以前の研究の知見を確認または反論するため,さらなる研究を行えるよう英国心臓財団に資金を申請した。

同氏らは,疫学研究で広く用いられる一般診療データベースIMS Disease
Analyzer Mediplus database(IMS)により臨床症例対照研究を実施。
IMSには約500人のプライマリケア医に登録された患者約200万例の詳細なデータが
含まれている。

呼吸器感染症を発症した翌週には心臓発作と脳卒中リスクが倍増したが,次第に低下
して1 か月後には過剰なリスクはほとんど見られなかった。
リスクは年齢や性に関係なく,心臓発作に関しては低リスクから高リスクまですべての
レベルで認められた。
また,最近の尿路感染症とその後の心臓発作または脳卒中との関連を示すエビデンスも
得られた。

確実に免疫能を高めるか,感染症を治療または予防することにより呼吸器感染症を減らす
便益はかなり大きいと見られる。

同氏は「呼吸器感染症とその後の心血管イベントを関連付けるエビデンスが増加しており,
これらのデータはそれに新たに加えられるものとなる。しかし,これらのイベントに対する
呼吸器感染症患者の絶対リスクは低いままである」とコメントしている。

英国心臓財団予防治療部のMike Knapton博士は「われわれは心疾患患者がインフル
エンザワクチン接種を受けることを推奨している。インフルエンザは特に心不全患者などの
心疾患患者にとって深刻な疾患であり,心臓発作の要因となることがある。インフルエンザ
は死亡原因となることから,心疾患患者は年齢にかかわらず無料でインフルエンザワクチ
ン接種を受けることができる。患者はインフルエンザに対する自衛策として,この措置を受
けるように強く推奨する」と述べている。

Medical Tribune 2008.1.31
版権 メディカル・トリビューン社

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同じような論文はすでに発表されていました。
呼吸器感染で心筋梗塞と脳卒中リスク上昇
診断後3日間が最も高い

〔ニューヨーク〕 ロンドン大学衛生学・熱帯医学部(ロンドン)のLiam Smeeth博士らは,
500万例以上の電子カルテの分析から,呼吸器感染症に罹患すると心筋梗塞(MI)と
脳卒中のリスクが著しく上昇すること,特に診断後 3 日間のリスクが最も高いことを
見出し,New England Journal of Medicine(NEJM,2004; 351: 2611-2618)
に発表した。

ワクチン接種では上昇しない
Smeeth博士らは,一般的なワクチン接種後ならびに感染症罹患後のMIと脳卒中の
発症リスクを検討するため,英国一般診療研究データベース(GPRD)に登録されている
500万例以上の成人のカルテを,個人内で比較する方法とケースシリーズ法を用いて
分析した。
初回MIまたは脳卒中の発作を起こした患者は,それぞれ 2 万486例,1 万9,063例
であった。予防接種を受けた者あるいは感染症に罹患した者のみを対象として主要な
解析を行った。

同博士らは「今回の所見は,急性感染症が血管イベントリスクを一時的に高めるという
考えを裏づけている。
感染症罹患後 3 日間のMI発症比は4.95(95%信頼区間4.43~5.53),脳卒中は
3.19(同2.81~3.62)であった。
その後の 1 週間は発症リスクが漸減した。
尿路感染症の診断後もMIと脳卒中のリスクが有意に上昇したが,呼吸器感染後ほど
ではなかった」と述べている。

一方,一般的な予防接種後にこれらの疾患が増加することはなく,インフルエンザや
破傷風,肺炎などのワクチンを接種しても,明らかな血管イベントリスクの上昇は認め
られなかった。
また,MIと脳卒中発作の再発でも初発時と同様な所見であった。

同博士らは「初発MIは夏季より冬季に多い傾向が見られたが,発症時期を夏季に
限って分析した場合でも,この呼吸器感染後のリスク上昇は明らかであった。さらに,
感染プロセスが一過性ではあるものの心血管イベントの有意なリスク上昇に関係して
いたことは,全身性の炎症自体が血管イベント発生率を変えるという考えを強力に支持
している」と述べている。

リスク上昇の機序は不明
今回の研究からは,リスク上昇の直接原因は特定できなかった。血管内皮細胞機能の
短期変化,プラーク組成の変化,白血球の活性化,脱水症,床上安静などいくつかの
機序が,単独あるいは共同して働いていると考えられる。

これまでに血管内皮細胞の機能不全が,MIや脳卒中に対する従来の危険因子に関連
するリスク上昇の特徴であることは,ハーバード大学(ボストン)のScott Kinlay博士ら
の研究(American Journal of Cardiology 1997; 80: 11I-16I)やロンドン大学
のN. Norman Chan博士らの研究(Journal of the American College of Cardiology 2001; 38: 1814-1820)などで既に知られている。Smeeth博士らは
ケースシリーズ法には個人内比較を行うことにより,例えば治療前心血管リスクといった
被験者ごとに異なる因子の影響を排除できる利点があることを指摘している。

それとは別に,白血球数増加が脳卒中リスク上昇の指標となることも,ハイデルベルク
大学(独ハイデルベルク)のArmin J. Grau博士らの研究(Stroke 2004; 35: 1147-1152)で指摘されている。

さらに,多くの小規模試験が,感染症とMIリスクの一過性上昇を関連付けている。
ボストン大学医療センター(マサチューセッツ州レキシントン)のChristoph R. Meier
博士らが急性呼吸器感染とMIの関係を調べた症例対照研究(Lancet 1998; 351:
1467-1471)は,同様にGPRDを利用し,MI発症前の12か月間に呼吸器感染に罹患
した475例を分析し,MI発症前10日間の呼吸器感染によりMIリスクが約 3 倍増大した
ことを明らかにした。同博士らは「症例交差分析で,指標日(最初に発作を起こした日)
前10日間の急性呼吸器感染に関する急性MIの相対リスクは 2.7であった」と述べている。
この初期の研究では,MIと尿路感染症の間に関連は見られなかった

Medical Tribune 2005.3.31
版権 メディカル・トリビューン社

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by esnoopy | 2008-02-14 00:05 | 呼吸器科

COPD  (その1)1/2

NIKKEI MEDICAL 2007.11の
「外来で診るやっかいな咳」という特集からです。
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清水達三(院展同人・評議員) 幻想風景 10号
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数日前から続く咳、咽頭痛、微熱、息苦しさを訴えて来院した67歳の男性。
問診により、30歳から65歳まで1日10本の喫煙歴があること、また10年以上前から、
息切れのため坂道や階段を最後まで一気に上れなかったり、空咳や痰に悩まされて
いたことが分かった。


胸部単純X線正面像に明らかな肺炎の所見は見られなかった。
だが
側面像では横隔膜が平低化しており、気腫性病変の存在が疑われた。
そこでCTを撮ったところ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に特徴的な所見である気道壁
の肥厚や小さな低吸収領域(LAA)が認められ、ウイルス感染に伴う急性上気道炎を
きっかけとしたCOPDの急性増悪と診断できた。

この患者を担当した藤沢市民病院(神奈川県藤沢市)呼吸器科医長の西川正憲氏は、
「COPDの患者の半数は、本症例のように急性上気道炎をきっかけに受診する。
特に中年以上で喫煙歴がある上気道炎患者では、COPDが隠れていないか-度は
疑ってほしい」と指摘する。

本例は前立腺肥大症による排尿障害があったため、西川氏は抗コリン薬を避け、
長時間作用型β2刺激薬のサルメテロール(商品名セレベント)とフルチカゾン
(フルタイド)を処方した。
その結果、持続していた息切れや咳などの自覚症状は数日間で消失し、初診時には
0.63Lだった1秒量は治療4週間後には0.94Lまで改善した。

不定愁訴からも常に疑う
COPDは、喫煙などで起こる肺の炎症反応が原因で気道の閉塞や肺胞の破壊が起き、
進行性の気流制限を呈する疾患だ。
2001年に発表されたわが国の疫学調査では推定患者数530万人、現時点では700万
人という数字もある。
だが厚生労働省の患者調査(05年)では、病院でCOPDと診断された患者は22万人。
多くの患者がいまだ治療の対象になっていないとみられる。

その背景には、医師・患者双方で「COPDは治らない病気」という旧来の認識がまだ
改まっていないことが一因という。
だが治療法は確実に進歩している。
世界保健機関(WHO)も06年、「COPDは治療でき、予防できる病気」と宣言、早期介入
の重要性を訴えた。

日本医大呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞氏は「より早期の段階で患者を拾い
上げることが求められており、第一線の臨床医の役割がより重要な時代になってきた」
と強調する。

代表的なCOPDの症状は、冒頭の症例のように慢性の咳嗽や喀痰、労作時の
呼吸困難など。
長期間の喫煙歴があればなおさらだ。
もっとも、全例でこの症状が前面に出るわけではない。
木田氏が診た72歳男性のケースでは、「朝着替えるときに動悸がした」「疲れやすく
なって外に出ることもなく1日中テレビを見ていた」「1-2年で10kg近くもやせた」
といった訴えが中心だった。

「COPDの初期症状は実に多彩が必要だ」と木田氏は指摘する。
質問表で診断につなげる
COPDを疑った場合に、必須となる検査はスパイロメーターによる肺機能検査だ。
気管支拡張薬を投与した後で、1秒率(1秒量/努力性肺活量)が70%未満ならば
気流制限があるとされ、気管支喘息や気管支拡張症といった気流制限を来す疾患を
除外した上で診断される。

だが、一般の診療所におけるスパイロメーターの普及率はいまだ10数%と低く、
患者の拾い上げに結びつきにくいのが実情だった。
そんな中、実地医家による拾い上げに有用な手段として注目されているのが、
「COPD簡易質問表」(表2)だ。
この簡易質問表は、国際家庭医学会のワーキンググループが05年に発表した
「IPAG診断・治療ハンドブック」の日本語版にある。
久留米大呼吸器・神経・膠原病内科主任教授の相澤久道氏らが翻訳した。

咳や喘鳴、息切れなどが慢性かどうかを確認し、呼吸器以外の疾患や急性の感染症
を除外した上で使用する。
質問項目の合計点数が17点以上で、「COPDの疑い」となる。

実際に相澤氏が和歌山県立医大呼吸器・アレルギー内科教授の一ノ瀬正和氏らと
協力、呼吸器科受診患者など169人にこの質問表を使ったところ、93.9%が
「COPDの疑い」と判定され、そのうちの40.4%が最終的にCOPDと診断された。

相澤氏は「スクリーニングを目的とした場合、この質問表の有用性は非常に高い。
スパイロメーターを持たない実地の先生方が使いこなし、未治療の患者の掘り起
こしに役立ててほしい」と期待する。


<コメント>
文中にあるようにスピリーバの使用の際には抗コリン作用の副作用に注意が必要
となります。
COPDが高齢の男性に多いことから、使用例が制限されてしまいます。
吸入でどのくらい血中濃度が上がるのか、一度調べてみたいと思います。そして
どのくらいこの副作用に気を使わなければならないかを。

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by esnoopy | 2007-11-26 00:06 | 呼吸器科

意外に多い高齢者のRSウイルス感染

NIKKEI MEDICAL 2007.11 にこんな記事が載っていました。


発熱と呼吸器症状を訴える高齢患者にインフルエンザを疑い、ウイルスの迅速検査を
実施したが「陰性」。
だが、「単なる風邪」と決めつけてしまうのは早計かもしれない。
RSウイルス感染症が、乳幼児だけでなく高齢者でも散見されることが分かってきたからだ。
日本臨床内科医会インフルエンザ研究班が昨シーズン、インフルエンザの迅速検査
キットで陰性だった77人の検体について、RSウイルスの有無を迅速検査キットと
PCR法で調査。
すると70歳以上の患者9人のうち4人からRSウイルスが見付かった(表3)。
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外来患者に対するRSウイルスの迅速検査は、今のところ保険適用が認められていない
ので、日常診療でこのような検査を実施するのは現実的ではないが、「高齢者にもRS
ウイルス感染症が少なくないことを頭に入れ、咳が長引くときなどには疑ってみる必要
がある」と同研究班の班長で河合内科医院(岐阜市)院長の河合直樹氏は話す。
海外では、高齢者がRSウイルス感染から肺炎を発症したり、死亡に至った事例も
報じられている。
「今回は重症化した事例はなかったが、さらに調査が必要だ」(河合氏)。


<コメント>
RSウイルスと診断がついた場合、さてどうするかということでしょう。
さてどうしたらいいのか。

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by esnoopy | 2007-11-22 00:05 | 呼吸器科

咳喘息 (その2)2/2

昨日の
咳喘息 (その2)2/2
http://wellfrog.exblog.jp/d2007-11-20
の続きです。

NIKKEI MEDICAL 2007.11の
「外来で診るやっかいな咳」という特集からです。

喘息との鑑別を念頭に
咳喘息の治療方針は、基本的にはβ2刺激薬などの気管支拡張薬を第1選択とし、
効果が不十分であれば吸入ステロイドを追加ないしは同薬剤に変更するという
もの(図3)。
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一部ではあるが咳喘息から喘息への移行が知られていることから、気管支拡張薬
や吸入ステロイドで症状が改善した後も、治療を1カ月程度は継続した方がよい。

実際の薬物選択に当たっては、それぞれの専門医の工夫がある。
「小児喘息の既往があったり、既往はなくても風邪の後に同様の咳を繰り返すという
訴えがあれば、咳優位型の気管支喘息と考える。
その場合は初回から気管支拡張薬と吸入ステロイドの併用を行っている」と田中氏。

咳喘息では「診察時には咳は出ないが夜になると出る」という訴えをよく聞く。
その場合に札幌医大の藤井偉氏は、長時間作用型のβ2刺激薬とともに、夜に使用
するための短時間作用型β2刺激薬を処方している。

また、木原呼吸器アレルギー科クリニック(東京都大田区)院長の木原令夫氏は
「一向に改善しないという患者によくよく聞いてみると、実は正しく吸入できていなかった
というケースがままある。
改善したかどうかだけでなく、きちんと吸入できているかも確認してほしい」と強調する。

なお、どちらも吸入の気管支拡張薬とステロイドを併用している場合、
最近発売されたサルメテロールとフルチカゾンの合剤(アドエア)を使えば1剤で済む。
コンプライアンスの向上が期待できることはメリットだ
が、「喘息を鑑別せずに安易に使うことは避けたい」と山崎内科医院(東京都小金井市)
院長の山崎博臣氏は注意を促す。
喘息ならばそれに応じた患者管理が必要となるためだ。

もっとも、喘息患者を多く診ていない医師には、吸入薬の煩雑な服薬指導がハードル
となる。
これに対して山崎氏は、「β2刺激薬であるプロカテロールの内服または貼付に加えて、
ヒスタミンH1拮抗薬のアゼラスチンで治療を開始、その後1週間ごとに受診してもらい、
症状が改善していれば咳が消失するまで治療を継続する」というプロトコールを提案
する。
アゼラスチンを使うのは、ヒスタミンH1拮抗薬が第1選択となるアトピー咳嗽も念頭に
置いた選択だ。
「吸入薬を使わなくても咳喘息の治療は可能なので、多くの先生方に取り組んで
いただきたい。
ただ、この治療を1カ月間行い改善が見られない場合は喘息など他疾患との鑑別が必
要になるので、専門医に紹介してほしい」 と山崎氏は話す。

詳細な問診で手掛かりを
このような鑑別点に注意を払っても、目の前の患者の咳が、単なる感染後の咳で自然
軽快するのか、感染をきっかけとした咳喘息ないしアトピー咳嗽なのか、副鼻腔気管支
症候群などまったく別の疾患なのか、判断に迷うケースは少なくない。

その場合、藤井氏は、問診による患者の病歴に注目している。
例えば「いつも同じ時期に咳が出る」と言ったり、他にアトピー性皮膚炎や花粉症など
があり、アトピー素因が明らかな場合は、アトピー咳嗽である可能性が高い。
一方、風邪の後で膿性痰があるというなら、副鼻腔気管支症候群がまず疑わしい疾患
となろう(注)。

なお、咳喘息とアトピー咳嗽ともに吸入ステロイドに反応するため、両疾患の鑑別に
迷ったときは同薬剤を最初から使用するという方針も成り立つ。
その場合 喘息も治療に反応してしまうだけに、「吸入ステロイドで改善したが再発した
といった場合は、一度は肺機能検査をすべき」(藤井氏)とのことだ。

(注)
副鼻腔気管支症候群以外に気管支拡張症でも膿性痰と遷延性咳嗽がみられます。

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by esnoopy | 2007-11-21 00:05 | 呼吸器科

咳喘息 (その1)1/2

NIKKEI MEDICAL 2007.11の
「外来で診るやっかいな咳」という特集からです。

私個人としては、咳喘息やアトピー咳嗽などのアレルギー性咳嗽がそんなに多い
ものかという疑問もあります。
なお文中のT氏は昭和大の田中一正先生、F氏は金沢大の藤村政樹先生です。


1カ月以上前から「コンコン」という乾いた咳が続き、明け方にひどくなり目覚める
こともあるという30歳代の女性患者。
近医で風邪と診断され、感冒薬と鎮咳薬を処方されたが改善しないとのことだった。
アレルギー疾患の既往歴、喫煙歴ともになく、肺機能検査も正常。
強制呼出時の聴診でも喘鳴は認められなかった。

この患者を診察したS大のT氏は咳喘息を疑い、明け方の咳も考慮して長時間
作用型β2刺激薬のツロブテロール(商品名ホクナリンテープ)を処方した。
長引く咳の既往はなく喘息も否定できた場合、T氏は咳がひどいときに使いづらい
吸入を避け、まずテープ剤を処方するようにしている。
1週間後、患者の症状に改善が見られたため吸入ステロイドのブデソニド
(パルミコート)を追加、咳は治まった。

「長引く咳」の6割が該当

咳喘息とは、喘鳴や呼吸困難を伴わず、呼吸機能も正常、咳だけを主徴とする
好酸球性の気管支炎で、気管支拡張薬が有効な病態と定義される。
多くの場合は1カ月程度の治療で治癒するが、適切な治療を行わないと-部が
喘息に移行するとの報告があるので、その拾い上げが重要となる。

一方、咳喘息と類似した疾患にアトピー咳嗽がある。K大のF氏が提唱したもので、
咳が主体となる症状や好酸球性の気管支炎という病態は咳喘息と同じ。
どちらもアレルギー性咳嗽と分類されているが、
①気道過敏性は正常
②咳受容体の感受性が亢進
③多くの患者にアトピー素因がある
④放置していても喘息には移行しない
など細部で咳喘息と異なる。
本症なら気管支拡張薬は効かずヒスタミンH1拮抗薬が第1選択となるが、
有効率が約6割と低いため、吸入ステロイドとの併用が行われている。

「長引く咳」で、咳以外にあまり所見がないという患者の中には、このような咳喘息、
アトピー咳嗽が多く含まれている。
実際、F氏らが、8週間以上続く咳を主訴として来院し
た患者の原因疾患を調べたところ、咳喘息とアトピー咳嗽で6割を占めていた。

咳喘息については、F氏が世話人を務める曰本咳嗽研究会が診断基準を発表
している。
だが「講演会などを通じ広く普及を図っているが、残念ながら日常診療へ浸透する
までにはまだ至っていない」(F氏)。

その理由の一つが、診断基準では気道過敏性亢進の確認を求めていること。
「非専門医が日々の外来で気道過敏性を調べるのは難しいのが実情」とT氏も話す。

日常診療では簡易基準

そこで同研究会では、簡易診断基を作成した。
それによれば喘鳴や呼吸困難を伴わない咳が8週間または3週間以上続き、
気管支拡張薬を投与して改善すれば咳喘息と診断できる。
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咳の持続期間が「8週間(3週間)」となっているが、これは咳喘息などが含まれる
「慢性咳嗽」の定義が8週間以上続く咳となっているため、簡易診断基準でも基本は
8週間以上とされた。
だが曰常診療の現場ではそこまで待てないという声が多いため、実質的には3週間
以上続いていれば基準の項目を満たすと考えてよいそうだ。

簡易診断基準を使う場合の注意点としてF氏は、「気管支拡張薬の投与は診断的
治療という側面があるので、1週間以内に再診し、気管支拡張薬の効果を確認して
ほしい。
1週間程度の使用で、咳は止まらないまでも軽減しているはず」と話す。

<コメント>
マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ感染後、百日咳などで咳が1か月(4週)ぐらい
は続く場合もあるかと思います。
したがって3週ではなく8週間以上続くという定義の方がいいかとも思います。
読んでいて少し疑問だったのは、感染後咳嗽とアレルギー性咳嗽とがクリアカットに
分類できるのかということです。
そして、気管支拡張剤(吸入、貼付、内服)が有効な場合はすべて喘息という治療診断
法も少し気になります。
ステロイドは理論的に感染後咳嗽にも有効と思われますし、感染型の喘息で
感染後咳嗽が主体の場合にも効きそうな気がします。
そしてホクナリンテープは保険上は急性気管支炎にも適応が現にあります。

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他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2007-11-20 00:10 | 呼吸器科

GOLD

GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disese)は慢性閉塞性
肺疾患の国際ガイドラインです。
2001年にはじめて本ガイドラインが発表されています。
当時COPDは「完全に可逆的でない気流制限により特徴付けられ、この気流制限は
通常は進行性で有害な粒子かガスに対する肺の異常な炎症反応を伴う」と定義
されていました。
今回は改訂版です。
その内容は2006年11月に京都で開催された第11回アジア太平洋呼吸器学会で
公式発表されました。

まずCOPDの定義は次のように変わりました。
■COPD(慢性閉塞性肺疾患)は予防と治療が可能な疾患であり、個々の患者の
重症度を規定しうる、重大な全身への影響をともなう。
■肺病変は、完全には可逆的でない気流制限を特徴とする。
■気流制限は通常は進行性で、有害な粒子やガスに対する肺の異常な炎症反応
を伴う。

まず第一にリスクファクターとして喫煙を明確化して、「予防と治療が可能」という
考えを盛り込んだのが特徴です。
その背景には、2005年2月のたばこ枠組み条約があります。
さらには肺疾患としてのみならず、全身への影響が指摘されるなど、COPDの
早期診断・早期治療の重要性がますます強調された内容となっています。
この全身への影響として体重減少や骨格筋機能障害そして骨粗鬆症、
虚血性心疾患の合併が明記されています。

スパイロメトリーによるCOPDの重症度分類ではステージ0がはずされました。

すでにインフルエンザワクチンはエビデンスAとなっていますが、肺炎球菌ワクチン
がエビデンスBとして位置づけられました。
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高橋常雄(日本美術院同人) 風景画 6号
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大規模スタディー
TORCH(Towards a Revolution in COPD Health)
セレベントとフルタイドの配合剤に関するスタディー
UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)
スピリーバに関するスタディー

<参考資料>
Japan Medicine 2006.12.22

Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD
http://www.goldcopd.com/Guidelineitem.asp?l1=2&l2=1&intId=989
(英文ガイドラインがダウンロードできます。)
クロストークCOPD GOLDガイドライン改訂ポイントと臨床応用
http://www.carenet.com/pulmonol/gold/index.aspx

フルチカゾン/サルメテロール配合剤投与による
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の生存率試験において好結果を得る
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2006_01/P1000334.html
http://www.japancorp.net/japan/article.asp?Art_ID=33062&cid=28503
セレタイド に関するTORCH試験のプロトコールが明らかに
-COPD患者の生存率に関する世界最大規模試験-
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2004_07/P1000265.html
スピリーバ、COPD患者の肺機能(FEV1)の低下を抑制
-1年間のレトロスペクティブ解析研究より-
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2005/2005_04_07.html
<コメント>
GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disese)
一時期現在のCOPDをCOLDと言っていたような。
GOLD,COLD,COPD ややこしいですよね。
http://wellfrog.exblog.jp/6719821
<番外編>
日本医師会雑誌のある号に掲載されていた「なによりも患者さんのためにS製薬」
の広告文です。

いよいよ、時代はジェネリックへ。
1.有効性や安全性、品質は同等です。
2.患者さんのお薬代の自己負担を軽減します。
3.国の医療費の節減につながります。

国の「経済成長戦略大綱」に「ジェネリック医薬品のシェアの大幅な拡大を
目指す」と謳われています。

こちらはこちらで言い分はたくさんありますが、ここでは黙っておきます。
国の後押しがいかにもあるという印象です。
国も「目指す」という弱い表現ではなく、国立大学法人附属病院、独立行政
法人国立病院機構、国家公務員共済組合連合会 、防衛医科大学校などの
医療機関をすべてジェネリック医薬品に切り替えさせるという実行力が必要です。
そして私学助成金を受け取っている「私立大学附属病院」も。
勿論、ジェネリック医薬品に切り替えなければ助成金はカット(私学助成金は
もともと違憲の可能性があります)。
なによりも「先ず隗より始めよ」です。
個人開業医は先発医薬品を従来通り処方させていただきます。

私学助成
http://ja.wikipedia.org/wiki/私学助成
“ジェネリック医薬品”の普及が遅れた日本の事情
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/420/420837.html
後発医薬品
http://ja.wikipedia.org/wiki/後発医薬品

循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きは
「ふくろう医者の診察室」 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
               でとりあげています。
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by esnoopy | 2007-09-19 00:10 | 呼吸器科

遅ればせながら「喘息予防・管理ガイドライン2006」について

気管支喘息の患者さんは結構いると思いますが、当院のような無床診療所でかつ呼吸器科が専門でない場合には定期通院という方は見えません。
季節性に発症、増悪するケースがほとんどで調子の悪い時のみ来院されます。
それはそれでいいんじゃないかと考えています。通年性の重症患者は入院施設のある病院に通院してガイドラインに沿った治療を受けている訳ですから。
これは決して気管支喘息を侮っているわけではなく、ある程度の臨床経験の間に喘息死に立ち会ったこともありますし、死にいたる怖い病(やまい)であることも重々承知しているつもりです。
さて、このような医療環境の中でコントローラーとリリーバーとの使い分けが一番苦慮するところです。
患者さんはどうしてもリリーバーに頼ろうとします。多くはステップ1(軽症間欠型)のさらに年数回の発作のみのごく軽症の方がほとんどdからです。
今や主流(メインストリーム)となった感のある吸入ステロイド剤は分類としてはコントローラーのわけです。

最近コントローラーとリリーバーが一緒になった吸入剤が手にはいるようになりました(フルチカゾンとサルメテロールの合剤)。
ものぐさな私のような医師にはピッタしの吸入剤です。患者さんもものぐさな方もいると思いますし。

但し漫然と処方することだけは戒めようと思っています。

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平山郁夫 肉筆水彩画 『蘇州運河』
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ガイドラインをザーッと読みましたが、開業医にとっては何だかピンと来ない感じというのが率直な感想です。(まあ概略分かっていることかなってこともありますが)

喘息予防治療ガイドライン2006
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/excl/asthma/useful/guideline/2006_1.html

ガイドライン
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/excl/asthma/useful/guideline/index.html
(GSKのサイト)


内科開業医のお勉強日記
http://intmed.exblog.jp/3703779
(いつもするどいコメント。勉強させていただいてます)

相乗効果も期待できる喘息用配合剤
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200705/503237.html


他にもブログがあります。

ふくろう医者の診察室 
(一般の方または患者さん向き)
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy

葦の髄から循環器の世界をのぞく 
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2007-08-24 01:00 | 呼吸器科