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カテゴリ:その他( 72 )

引越しのお知らせ

転居のご案内

画像メモリの都合で本日をもって以下のサイトに引っ越しました。

井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp

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by esnoopy | 2008-05-21 00:39 | その他

かえる切り抜き帖 2008.5.18

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出典 日経新聞・朝刊 2008.5.14
版権 日経新聞社
(画像をクリックすると拡大します)

<コメント>
またまたやってくれました。
「女医は・・・産婦人科などで特に必要とされ・・・」
きついからただでさえ成り手がないのに、女医がよりによって産婦人科医になると
いう幻想。
厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン会議」の構成員は一体?

矢崎義雄氏 循環器内科学の重鎮
野中 博氏  日本医師会常任理事(専門は内科)
辻本好子氏 学歴や経歴不詳

女医はメンバーに入っていない。
こうやって当事者を抜きにして物事が決まっていく。

<参考サイト>
「安心と希望の医療確保ビジョン」第1回会議の開催について
平成19年12月21日
出席予定者
舛添要一厚生労働大臣
松浪健太厚生労働政務官
矢崎義雄(独立行政法人国立病院機構理事長)
野中 博(野中医院院長)
辻本好子(NPOささえあい医療人権センターCOML理事長)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/s0107-1.html

野中医院
http://www.myclinic.ne.jp/nonaka/pc/doctor.html
野中博常任理事,介護保険制度を語る
http://www.med.or.jp/nichinews/n160805a.html
いのちの主人公、からだの責任者
http://www.lifence.ac.jp/goto/weblifence/inta/inta6.html
厚生省「医者にかかる10箇条」のここに学べ
http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/Isyanikakaru10kajyou.html
患者情報室の設置を――NPOささえあい医療人権センターCOML理事長 辻本好子氏
http://health.nikkei.co.jp/forum/index.cfm?i=2004042602345pe
辻本好子
http://www.u-shimane.ac.jp/01topics/file/kyakuin.pdf


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
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(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-05-18 22:42 | その他

飲酒と死亡リスク

飲酒の量と頻度は死亡リスクに影響
〔米メリーランド州ベセズダ〕米国立衛生研究所(NIH)の一機関である米国アルコール乱用・アルコール依存研究所(NIAAA)疫学・予防研究部のRosalind A. Breslow博士らは,1988年に実施された全米健康調査に参加した4万4,000例のデータを用いて飲酒習慣と死亡との関係を検討し,飲酒の量と頻度はともに死亡リスクに独立した影響を及ぼすとの知見をAlcoholism: Clinical and Experimental Research(2008; 32: 513-521)に発表した。

飲酒パターンに着目すべき
Breslow博士は,米国立がん研究所(NCI)がん研究センターがん疫学遺伝学部門の統計専門家であるBarry I. Graubard博士とともに,1988年の全米健康調査のデータを検討した。調査に参加した約4万4,000例のうち約半数が1998年時点で飲酒習慣があった。
このうち,2002年末までに2,500例以上が死亡した。
 
同博士らは,死因と飲酒状況を比較した結果,男性では飲酒の頻度と量が心血管疾患による死亡率に影響を及ぼすことを明らかにした。
1回の飲酒量が多いほど心血管疾患死のリスクが高く,例えば1回に5杯以上飲む男性は1回に1杯しか飲まない男性に比べて心血管疾患死のリスクが30%高かった。
また,飲酒量は男性のがんによる死亡率の上昇と関連した。
これに対し,飲酒頻度は,男性では心血管疾患死亡率の低下と関連した。
飲酒頻度が120~365日/年の男性は,1~36日/年の男性と比べて心血管疾患死亡率が20%低かった。
しかし,今回の研究は,頻繁な飲酒による心血管疾患への影響の解明のためにはデザインされていない。
女性では,頻繁な飲酒は発がんリスクの増加と有意に関連し,飲酒量の増加が全死亡率の上昇と関連した。
 
NIAAAのTing-Kai Li所長は「われわれの知見は,適度な飲酒が重要であることを強調する内容となった。米国の飲酒者の大部分を占めるアルコール依存のない飲酒者にとり,飲酒の量と頻度は死亡に関する制御可能な危険因子と考えられる。今回の知見はアルコールに関連する健康アウトカムを調査する際は,飲酒のパターンも検討することが重要であることを示している」と述べている。


平均値の検討では不十分
過去の研究では,中等度の飲酒は心血管疾患死のリスクを低下させ,多量の飲酒は死亡率の上昇をもたらすことが明らかにされている。
しかし,Breslow博士は,このような研究の多くでは被験者の平均飲酒量を検討しており,このアプローチではたまに深酒をする人と継続的に軽く飲む人の区別が付かないという欠点があると指摘。
「平均飲酒量では,週に1回7杯飲む人と,毎日1杯ずつ飲む人を区別することができない。
われわれの研究は,米国民を代表するコホートにおいて,飲酒の量と頻度がともに死因別死亡率に独立した影響を及ぼすことを示した初の研究である」と述べている。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41190283&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.5.8
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
個人的な話で恐縮です。
私は週4日の休肝日、すなわち3日が飲酒日です。
飲酒日はつい飲みすぎてしまいます。
我慢していたという「自分へのご褒美」気分と、次の日が飲めないからという「のん兵衛」の屁理屈からです。
この論文を読んでしまったからには飲酒の仕方を変えなければなりません。
毎日少量飲んで、週3日は少しだけメリハリをつけるとか。

以前、休肝日は意味がないという研究報告をみた覚えがあります。
たしか休肝日を作るとALDHの酵素活性が低下するといった内容でした。
さがしてみましたがネット上では検索できませんでした。
夢だったのかも知れません。


<参考ブログ>
アルコール性肝障害
http://www.kusuriyasan.org/byoukitoyobou/arukorusei-kanen.htm
休肝日をつくろう
http://www.health-net.or.jp/kenkozukuri/healthnews/050/050/k140/index.html
アルコール脱水素酵素2の遺伝子の個人差によって男性の脳梗塞の危険性は2倍にはねあがる
http://www.mitos.co.jp/jigyo/adh.html
日本人はお酒に弱いというのは本当か?
http://www2.health.ne.jp/library/0600/w0600001.html

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田崎広助 富士(紫) リトグラフ
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x33501214



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by esnoopy | 2008-05-12 00:03 | その他

赤沈検査の今日的意義

赤沈(血沈)、ESR。
なんだかレトロで懐かしい言葉の響きです。
私は本来の専門は循環器内科なのですが、大学の方針で結核療養所へ派遣されていた関係もあって赤沈大好き医者です。
最近も赤沈をきっかけに多発性骨髄腫の診断が出来ました。
さて今時珍しい赤沈検査の記事が載っていました。

赤沈検査の今日的意義を再検討
医師により重要度の認識にばらつき

〔スイス・クール〕 赤血球沈降速度(赤沈)の中等度亢進の原因を解明するのはきわめて困難である。
また,急性疾患の診断法としては,赤沈よりC反応性蛋白質(CRP)のほうがはるかに優れていることも知られている。
赤沈検査に対する評価は専門家の間でも分かれているが,クール州立病院のWalter H. Reinhart教授は,同検査の今日的意義についてTherapeutische Umschau(2006; 63: 108-112)で発表した。


急性期診断ではCRPに軍配 
赤沈はフィブリノーゲンや免疫グロブリンといった高分子蛋白質の血漿中濃度を反映するため,炎症経過に対する生体の急性期反応をきわめてよく示すとされる。
しかし,赤沈の亢進が認められるのは炎症開始から約48時間後のことで,迅速検査と言えるものではない。
これに対して,CRPは炎症開始から数時間以内に上昇する。
また,炎症の消失が検査値に反映されるまで,赤沈では最長 7 日間かかるのに対し,CRPでは最長でも 2 日間しかかからない。
このため,例えば抗菌薬投与の成否の判定にはCRPが有用で,同薬投与が奏効していれば48時間以内にCRPは半減する。
したがって,急性期診断ではCRPを選択すべきである。
Reinhart教授は「赤沈の特異性も,特に中等度亢進の場合には問題で,原因を解明するための試みは徒労に終わることが多い」と述べている。
しかし,高度亢進(>80mm/h)となると話は別で,人工透析患者以外では常に,解明されるべき基礎疾患の存在を示しているという。
 
さらに,同教授は「赤血球増加症や重度の白血球増加症など,赤血球の沈降を抑制する影響因子は多く存在するため,赤沈が正常であっても健常者であることの証明とはならない」と指摘。
「このため,赤沈は無症候の患者に対するスクリーニング検査としては適しておらず,ルーチン検査や健康診断のパラメータとしての使用も控えるべきである」と強調している。
 
しかし,特定の疾患においては,赤沈検査がきわめて重要であることに変わりはない。
例えば,リウマチ性多発筋痛症や側頭動脈炎の診断では赤沈検査は欠かせないもので,IgGやIgAなどのM-蛋白質により血沈が高度に亢進する多発性骨髄腫でも同様である。
さらに,赤沈は慢性炎症性疾患の経過を示すパラメータとして価値があり,リウマチ性多発筋痛症や側頭動脈炎ではステロイド療法の管理に適している。
また,エリテマトーデスではCRPは正常値を示す可能性があるが,赤沈は疾患活動性を示す指標として適切である。
 
最後に,同教授は「赤沈は疾患の予後評価に有用だということも忘れてはならない。例えば,ホジキン病患者でひとまず治療が奏効した後の赤沈亢進は早期再発の警告信号と捉えるべきで,新たに診断された前立腺癌や腎細胞癌における赤沈亢進は,生存期間が短いことを示唆している。さらに虚血性脳卒中などの非悪性疾患においても,急性期の赤沈亢進は予後の悪化を示唆している」と説明した。


ルーチン検査として評価する声も 
Reinhart教授の報告とは異なる意見も存在する。
独ハンブルクの内科医,Thomas Menzel博士は「赤沈をルーチンなパラメータとして使用しないとの考えには反対だ。私自身は,赤沈が正常であれば,患者には炎症が生じていないと説明している」と語った。
同博士は赤沈の中等度亢進が認められた場合,まず,比較的最近の感染の有無や胆汁が関与する問題についての問診を行っており,それが慢性胆嚢炎などの発見につながることも多いという。
さらに,患者が喫煙者であれば,胸部X線撮影,赤沈の再測定を実施することにより,比較的多くの症例で疾患の同定が可能である。
同博士は「以前,大学病院に勤務していたころに赤沈の解明のみを理由として患者を検査漬けにした事例を数多く見てきたが,これは当然,無意味で,やみくもに臨床検査を指示するつもりは全くない」と付け加えた。
 
独ベヒテルスバッハの一般医,Carl Nickel博士は「私自身は赤沈を相変わらずルーチン検査として,健康診断でもCRPと併せて利用している。
私にとって,赤沈は診断精度を高めるために欠かせないもので,中等度亢進が認められたら,特に血液像,白血球百分率,さらには甲状腺,腎臓と肝臓の検査値を重点的に調べている」と説明。
「これにより,約50~60%の症例で,それまで見つからずにいた疾患を発見できており,それが悪性疾患であることも珍しくない。
つい最近も,赤沈の中等度亢進が認められた患者から副腎腫が見つかった。
CRPが境界値かつ赤沈が中等度亢進の症例において,悪性疾患が発見されることは少なくない」と述べた。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M3929072&year=2006
出典 Medical Tribune 2006.7.20
版権 メディカル・トリビューン社


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by esnoopy | 2008-05-09 00:16 | その他

アレンドロネート長期使用が大腿骨骨折に関与?

骨粗鬆症の多くはビスホスホネート製剤投与という内科的治療によってなされているのが現状です。
そんな中、ビスホスホネート製剤の長期投与に問題があるということもわかってきました。
長期使用患者に特徴的なX線画像
ビスホスホネート製剤アレンドロネートを長期投与されていた閉経女性で、大腿骨骨折を起こした患者について分析した結果、アレンドロネートの長期投与と非定型の低エネルギー損傷(立位またはそれよりも低い体位からの転倒)による大腿骨骨折の間に関係が存在することが示唆された。
米国Weill Cornell医科大学のBrett A. Lenart氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年3月20日号に掲載された。

ビスホスホネートを用いた骨粗鬆症治療の長期的な安全性に疑問を唱える声がある。
これまでに、2件の症例集積がビスホスホネート長期使用と非定型の低エネルギー損傷による骨折との関係を示唆していた。
骨折した患者の骨生検の結果は、アレンドロネートの長期投与を受けていた患者では骨代謝が著しく抑制されていることを示した。
骨折の治癒には時間を要し、回復が見られないケースもあった。

ビスホスホネートは骨代謝を抑制するため、骨の中に微小なダメージの蓄積を引き起こす可能性はあるが、ビスホスホネート使用者の骨に微小損傷の蓄積が見られるという報告はなかった。

著者らは、ビスホスホネートの長期投与が骨の強度を変えるのではないかと考え、アレンドロネートの長期投与を受けていて、非定型の低エネルギー損傷による骨折を起こした閉経女性15人について分析した。
アレンドロネート投与期間の平均は5.4年。全員が大腿骨転子部または近位骨幹部の骨折だった。

閉経女性の大腿骨転子部または近位骨幹部の骨折は比較的まれで、著者らの病院を訪れる骨粗鬆症性大腿骨頸部骨折の女性患者の6%を占めるに過ぎない。
また、低エネルギー損傷による大腿骨転子部または近位骨幹部の骨折で受診した患者の37%はビスホスホネートを使用していたという。

分析の対象となった15人の患者のうち、10人に特徴的なX線画像が見られた。
横方向または斜め(30度以下)の単純な骨折で、皮質骨が壊れていた。
また、近位大腿骨骨幹の皮質が広範に肥厚していた。皮質の肥厚は対側にも見られた。

これらの特徴を示す10人では、アレンドロネート使用期間の平均は7.3年だった。
ところが、X線画像にこうした特徴が見られなかった残りの5人の患者の平均使用期間は2.8年だった(P<0.001)。15人の中に椎骨骨折歴のある患者はいなかった。

なお、骨折治療中にビタミンD、副甲状腺ホルモンレベルと、骨密度の測定を行わなかったため、代謝性骨疾患の有無については不明だ。

「今後、前向き研究などによる確認が必要だが、今回得られたデータは、アレンドロネートの使用と低エネルギー損傷による大腿骨骨折の関係を示唆するエビデンスを追加した」と著者らは述べている。

原題は「Atypical Fractures of the Femoral Diaphysis in Postmenopausal Women Taking Alendronate」。

アレンドロネート長期使用が大腿骨骨折に関与?
長期使用患者に特徴的なX線画像
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/200804/506323.html
出典 日経メディカル オンライン 2008. 4. 29
版権 日経BP社


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ポール・ギアマン 水彩画5号「バイオリン」
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s94670525?u=;ginza_kaigakan

<参考サイト>
理解を深めよう更年期障害
http://www.page.sannet.ne.jp/yoshiki-s/part2.html
骨粗鬆症
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000129_0038.html
大腿骨頚部/転子部骨折 薬物療法は予防に有効か
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000042_0035.html
アレンドロネートの骨折抑制効果(FIT試験)
http://fosamac.jp/secure/related_data/fit.html
骨粗鬆症治療薬アレンドロネート
http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/web_pressroom/product_information/alendronate.html
骨密度改善効果が10年間持続
骨粗鬆症治療薬アレンドロネートを用いた臨床試験の結果が
New England Journal of Medicineに掲載
http://medical.teijin-pharma.co.jp/top/top/WhatsNew/pdf/BNT0404.pdf

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by esnoopy | 2008-05-08 00:16 | その他

かえる切り抜き帖 2008.5.5

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出典 朝日新聞・朝刊 2008.5.4
版権 朝日新聞社 
(画像クリックにて拡大出来ます)

■(医師は)他の医療関係者の働き方と比べ余りにも過酷ではないか。
何故医師は労働基準法にもとづいた働き方を要求して来なかったのだろうか。
■世の中は経済(市場原理主義)と政治(選挙)で動いている。その中で医療界は小舟のように振り回されている。
Medical Tribune 2008.5.1(リレーエッセイ・稗田慶子先生)

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by esnoopy | 2008-05-05 09:55 | その他

女性の脱毛症

近当院を風邪で受診された40代の女性の話です。
風邪としての診察を終わった後に、「風邪とは関係ない話なんですが・・・」といって、髪の毛をいきなり後ろから前へかきあげました。
円形脱毛症というにはあまりにも大きな脱毛でした。
「ここ数週間で急に毛が抜けるようになって」とのことでした。
とりあえずフロジン液を処方し、今後の治療方針はまた考えましょうといって帰っていただきました。
そんな中、こんな記事が目にとまりました。

女性にも脱毛症は大問題
 

〔ニューヨーク〕女性の 3 分の 1 以上は生涯のうちで病的な脱毛を経験している。
より重要なのは,脱毛による精神的影響が医師により過小評価されていることである。
ブリティッシュコロンビア大学(UBC,カナダ・バンクーバー)とニューヨーク大学(ニューヨーク)に所属するJerry Shapiro博士は New England Journal of Medicine(2007; 357: 1620-1630)に総説を発表した。


前頭部は保たれるのが特徴
脱毛は瘢痕性と非瘢痕性に大別される。 
瘢痕性脱毛は円板状ループス,毛孔性扁平苔癬,禿髪性毛包炎などで生じるが,今回の総説の焦点は女性の非瘢痕性脱毛である。

女性型脱毛は女性の脱毛原因として最も多く,ほとんどは家族性で,思春期以後のいつの時点でも発症し,70歳以上の女性では38%が発症する。
女性型脱毛は頭皮の中央部に生じ,前髪は残る。また,後頭部より中心線上に多い。
一部の女性ではさらに他の型の脱毛が加わり,側頭部の頭髪も薄くなる。
前頭部の脱毛が目立つ女性の場合,中心線はモミの木のようになる。
このパターンは前頭部強調と呼ばれる。
また,側頭部の頭髪が薄くなる女性もいる。

女性型脱毛はしばしばアンドロゲン性脱毛と呼ばれるが,Shapiro博士は「このタイプの脱毛におけるアンドロゲンの役割は不明で,患者の多くは血中アンドロゲン値が正常である」と説明している。

男性型脱毛が女性に生じることもある。
このパターンでは頭頂部と前頭・側頭部の頭髪が薄くなる。
男性型脱毛の女性は高アンドロゲン血症と想定されることが多いが,実際には異なる。中等度?重度の脱毛女性109例の研究で生化学的高アンドロゲン血症が認められたのは42例(38.5%)で,このうち11例は臨床的多毛の証拠がなく,24例は希発月経・無月経の証拠がなかった。 


他疾患,薬剤,ストレスも要因
女性における脱毛のもう 1 つの大きな原因は休止期脱毛である。
その特徴は多数の成長期毛が突然休止期毛に移行することである。成長期毛の毛幹は皮下脂肪に深く固定されており,頭皮に 3 ~7 年とどまるのに対して,休止期毛は皮膚の表面にあり深く固定されていない。
正常な頭髪には定期的に 3 か月程度の休止期がある。成長期毛と休止期毛の比率は通常 9 対 1 であるが,休止期脱毛では 7 対 3 になる。
休止期脱毛の女性では24時間以内に300本以上の頭髪が抜けることもある。

Shapiro博士は「このタイプの脱毛は一般に重大な疾患などのストレス(手術,出産,急激な体重減少,栄養不良,高熱,出血など)またはホルモン障害(甲状腺機能不全など)から約 3 か月で発症する」と述べている。
休止期脱毛は30種類以上の薬剤の投与開始後にも報告されている。例えば,ヘパリン,インターフェロンα,isotretinoin,リチウム,テルビナフィン,チモロール,バルプロ酸,ワルファリンなどである。

休止期脱毛では原因が除去されれば約 6 か月以内に回復するが,一部の患者では長引くこともある。

抗がん薬は成長期脱毛を引き起こし,成長期毛が直ちに破壊されて脱落する。

その他の非瘢痕性脱毛の原因として円形脱毛がある。
これは自己免疫性と考えられ,時として頭髪全体の脱毛(全頭脱毛)ないしは全身の脱毛(汎発性脱毛)に至ることもある。

間違った手入れによる脱毛も
髪の手入れが脱毛の原因となることもある。
例えば,髪の自然な成長方向とは逆方向へのブラッシングやコーミング,パーマ剤,脱色剤,弛緩剤の使用,編み髪などである。

強迫性の抜き毛(抜毛狂)も脱毛の重要な原因である。
抜毛狂は他の精神疾患と関連していることがある。
さらに,細菌感染や頭部白癬も重要である。
決定的ではないが鉄欠乏の関与も示唆されている。

臨床では,脱毛の持続期間とパターンを記録しておく必要がある。
髪が抜け落ちるのは円形脱毛か休止期脱毛を示唆し,一方,髪が薄くなるのは女性型脱毛を示唆している。
髪が付け根から抜け落ちるか(休止期脱毛,女性型脱毛,円形脱毛を示唆),毛幹に沿って切れているか(髪の手入れによる脱毛,抜毛狂,頭部白癬の特徴)の識別も重要である。

髪の手入れについてと,まつげや眉毛,その他の体毛の脱落についても問診すべきである。
Shapiro博士は「脱毛の始まる 1 ~ 3 か月前に他疾患の既往,出産,手術,心理社会的ストレス,新しく服用し始めた薬剤があれば休止期脱毛が示唆される。
ニキビ,月経不順,多毛はアンドロゲン過剰による女性型脱毛が示唆される。
甲状腺機能亢進症や低下症の症状も評価すべきで,過去と現在の服薬は入念に見直すべきである。
厳格な菜食主義や月経過多の患者は鉄欠乏性貧血が関与している可能性がある」と述べている。

まず頭皮と頭髪を詳細に観察
臨床診察は 4 段階を踏むべきである。
まず,頭皮の炎症,鱗屑,紅斑を調べる。
次に,脱毛に伴う瘢痕を評価する。
非瘢痕性脱毛は毛包が開いている(小孔)のに対して,瘢痕性脱毛には小孔がない。
 
3 番目に,脱毛の分布と頭髪の密度を調べる。
4 番目に,毛幹の質すなわち,径,脆弱性,長さ,形状を調べる。髪の先端が鈍いなら,断毛が疑われる。
次第に細くなる先端は正常である。脱毛の活動性と重症度を評価するには引毛試験を行う。
60本くらいの髪をつかみ,根元から先端に向かって引いてみる。
6 本以上の髪が抜けると陽性で,脱毛は活動中である。

血液検査ではフェリチンと甲状腺刺激ホルモンを調べる。
アンドロゲン過剰であれば遊離テストステロンを評価すべきである。梅毒の危険因子があれば,この疾患を除外すべきである。

白癬が疑われるなら脱毛部の鱗屑を水酸化カリウム塗抹標本で菌糸を調べ,培養検査すべきである。
毛幹も採取して培養検査すべきである。
特定の皮膚糸状菌( Microsporum canis )があれば,ウッド灯で観察すると緑色の蛍光を発する。
Shapiro博士は「診断に疑問が残れば,頭皮からの 4 mmパンチ生検も有益である。
この検査は瘢痕性脱毛が疑われる患者では特に有益である」と述べている。


minoxidilの局所投与が効果的
治療の前に,一般に頭皮の中心線部分の写真を撮影し,その後の比較に用いるべきである。治療効果が現れるには 6 ~12か月を要する。

治療にはminoxidilの 2 %と 5 %の局所投与液が用いられる。
5 %液の優位性を示す客観的なデータはないが,Shapiro博士は臨床経験と患者の満足度に基づいてminoxidil 5 %液を好んで用いる。
1 年以内に有効性が明らかになれば,治療を無期限に続けることが多いという。

Minoxidilは妊婦や授乳中の母親には禁忌である。
同薬局所投与液の副作用は接触皮膚炎と対称性顔面多毛(女性の 7 %で頬と額に細毛が生える)で,5 %液で多く認められる。

最近,minoxidil 5 %フォームも発売されており,局所投与液よりも接触皮膚炎がはるかに少ない。

抗アンドロゲン薬と経口避妊薬も時として女性型脱毛の治療に用いられるが,それを支持する堅固なエビデンスはほとんどない。
同博士は「抗アンドロゲン薬は催奇性が知られているので,妊娠可能年齢の女性には経口避妊薬も同時に処方すべきである」と説明している。


頭髪移植も選択肢
脱毛治療の外科手術を求める女性は増加しつつある。
現在,頭髪移植は毛包単位で行われており,経験ある外科医が施行する自然な結果が得られる。
Shapiro博士は,この方法は費用がかかり,そのうえ頭皮のドナー部位に十分な頭髪密度が必要で,長期的アウトカムのデータはほとんどないと指摘している。
移植片脱落率はきわめて低いがゼロではない。
合併症は少ないが,感染,永続的な頭皮異常感覚,動静脈奇形がある。

移植後のminoxidil療法は多くの外科医により推奨されているが,この方法についての厳密な研究は行われていない。

患者のための脱毛情報は,北米頭髪研究学会(North American Hair Research Society)のウェブサイト(www.nahrs.org)で入手可能。

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Medical Tribune 2008.2.21
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by esnoopy | 2008-03-24 00:17 | その他

基礎研究者の壊滅が将来の医学界の崩壊に

展望   基礎研究者の壊滅が将来の医学界の崩壊に
現在の危機的状況を認識すべき

将来,基礎医学の教育や研究を支える人材の壊滅が現実味を帯びている。
現在,医学部では卒業後2年間の臨床研修必修化,モデルコアカリキュラム導入がいずれも実施され,大学外の臨床志向を求める医学生が増加している。
一方で,基礎医学領域においては生化学講座などの統廃合がなされ,Medical Doctor(MD)の大学院生やポスドクの人数はきわめて少数なのが現状。
日本生化学会医科生化学・分子生物学教育協議会委員長である日本医科大学生化学教室の西野武士教授は「医学は本来,基礎と臨床のそれぞれの専門科目のきっちりした習得のうえに立った統合のなかから,多様な創造が生み出されるが,基礎医学領域の教育的基盤が崩れている現状は近い将来,臨床領域の崩壊をも導くことになり,医学界全体の崩壊につながりかねない」と危機感を募らせている。
同教授に基礎医学領域で今,何が起こっているのか聞いた。


基礎医学研究者は1990年をピークに減少
西野教授によると,基礎医学に携わる研究者数は1980年代には増加していたが,90年ころをピークに現在まで減少の一途をたどっている。

日本生化学会の会員を対象とした調査を見ると,生化学または分子生物学を専攻している医学部または歯学部学生会員数は1989年の670人から2007年には201人と約3分の1にまで減少した(図1)
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大学でも全国的に基礎医学に携わる研究者数の推移は同様の傾向にある。
日本を代表する某国立大学を例に取ると,1990年ころをピークに基礎医学研究者数は右肩下がりに顕著な減少が見られ,2007年における医学部卒業者のうち基礎医学に携わる研究を専攻していたのは1~2人であった。

同教授は現在の医学教育制度の問題点として,「基礎医学教育・研究の軽視や基礎医学研究者(特に医学部出身者)の減少,講義・実習時間数の減少や基礎医学講座の縮小,統合などによるリストラなどが挙げられる」と言う。


大学院の博士研究員がいない
こうした現状に対し,日本生化学会医科生化学の分子生物学教育協議会では前委員長である大阪大学微生物病研究所疾患糖鎖学の谷口直之教授が中心となり,「基礎医学教育・研究の危機」をテーマに,2006年10月に同協議会会員(44大学の教授51人)を対象にアンケートを行った。
西野教授は,アンケート結果から「学生の臨床志向,研究者減少,生化学講座の縮小など,基礎医学研究が着実に衰退に向かっている」と警告している。

アンケート内容を見ると,基礎医学教育・研究に対する危機について聞いたところ,「実感している」と答えたのは88%,「少し実感している」は12%で,「あまり感じていない」との回答はなしであった。
その理由(複数回答)は,「学生の臨床志向」と「研究者の減少」がそれぞれ60~70%,「生化学講座の縮小・統合」と「予算面・資金面」がそれぞれ約40%,「教育面での縮小」が約30%などであった。
生化学講座の統合・縮小が「実施されている」との回答は25%,「計画中」との回答は18%であった。

また,基礎医学研究におけるMD研究者の必要性について聞くと,存在が「必須」と答えたのが49%,「あれば望ましい」が47%と,多くが必要性を認識していた。
基礎と臨床の医学が統合されている全国共用試験(CBT)で基礎医学を独立させる考え方については,「賛成」37%,「反対」25%などであった。

ところが,臨床医学領域の所属を除いた大学院生,博士研究員,MD研究者の在籍数を見ると,大学院生では在籍数が「1人」の回答が23%と最も多く,次いで「0人」21%,「2人」20%,「3人」または「4人」それぞれ10%,「5人」8%,「8人以上」4%で,平均2.7人であった。
大学院生の在籍数のうちMD数については,「0人」と答えたのが60%と過半数を占めており,「1人」16%,「2人」14%,「7人」または「8人」はそれぞれ回答なしなどで,平均0.9人であった(図2)。

博士研究員の在籍数でも,「0人」の回答が80%(平均0.7人),「1人」6%など,博士研究員在籍数に含まれるMD研究者数も「0人」が86%(同0.2人),「1人」6%などときわめて少数であった。

また,モデルコアカリキュラムでbiologyなど語尾に「-ology」が付く科目を廃し,臨床志向の基礎医学が重視されている現状については,「まず科学者を育てる視点から基礎医学を位置付けるべき」との回答は約40%,「『-ology』を教えることが重要」は約35%であった(図3)。

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臨床研究の進歩に大きな弊害
「基礎医学教育・研究の危機」に対する打開策(複数回答)で半数以上得られた回答は,「臨床研修制度を改善し基礎系大学院に入学しやすくする」(約70%),「総合科学技術会議・日本学術会議などから基礎医学重視の政策提言」(約65%),「各教員が魅力ある教育を行う」,「各学会が連携して文部科学省に予算を含めて基礎医学の重視を訴える」(それぞれ約55%)などであった。

このような,基礎医学研究の戦略的プログラムの必要性から,同協議会では,MD-PhDコースに特別進学プログラムを設置するなどの制度改革や基礎医学重視の政策など,トップダウンの実効的な提言・改革を推進していくとしている。

西野教授は「現在の医学教育は,臨床医を養成するためのプログラムを先行している現状にあることから,基礎医学にかかわる研究者が,近い将来には皆無になってしまう恐れがある。
さらには,臨床研究の基盤の壊滅にもつながり,ひいては臨床研究の進歩への大きな弊害になることが考えられる」と危惧している。


プラス選択で医学研究発展を 
ただし,アンケート項目のモデルコアカリキュラムで廃止が検討されている-ologyについて,西野教授は「なぜ廃止という二者択一のマイナス選択になるのか,基礎と臨床の両方,さらにこれらを融合させた科目などプラスの選択があってもよいのではないか」と疑問を呈しており,「-ologyは医学研究では分子レベルに応用した段階であり,さらに分子レベルをさまざまな体系で複雑に組み合わせて統合して初めて創造性を構築することになる。
その過程が医学研究全体の発展につながる。
きちんとした生化学・分子生物学などの基盤が臨床研究の進展に果たす役割は大きい」と強調する。

さらに,研究者が創造性を見出すためには,さまざまな研究分野の専門家(スペシャリスト)から学ばなければならない。
「医学部出身のスペシャリストが存在しなくなると,学ぶ側は基礎医学を軽視し結果的に基礎学力が乏しくなることで創造性が衰弱してしまい,模倣の研究を繰り返すことになる。ひいては臨床応用の幅を狭めてしまうのではなかろうか」(同教授) 

同教授が米国のメディカルスクール(医学部)に留学していたときは医学部としての教育だけでなく,理学部や薬学部などのスペシャリストからも教育を受けていたという。

こうした医学研究にかかわる多様な専門分野を学ぶことができるという教育基盤を,わが国で整備できるのかというと現実的には難しい。

同教授は「現在,医療崩壊が指摘されているが,問題が実感されてから対策を講じていくのでは間に合わないし,まさに今は危険な泥船に乗っているようなものである。
基礎医学領域の研究者がほとんどいないという現実は,10~20年後に医学界自体の衰退という第二の医療崩壊に向かっている」としており,「対策を考えることは早急な課題であるが,まずは現在の医学界の危機的状況を認識してもらうことが第一歩ではないか」と主張した。
Medical Tribune 2008.3.13
版権 メディカル・トリビューン社


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<コメント>
先生方は基礎医学教室の出身学部をみられたことがありますか。
以前からもそうだったんでしょうが、最近では特に医学部出身者が減っているようです。
原因としては、臨床研修必修化などによる臨床医育成志向が根底にあるのは間違いないところです。
現場を知らない役人が臨床現場だけでなく、基礎分野の生態系を見事に荒廃させてくれています。
医学研究は総合大学も単科医科大学も余り変わりない研究体制のような気がします。
文中の、米国では学部を超えた相乗りの研究云々とありましたが学部間の横断的研究を国内では余り聞かないのが残念です。
最近、早稲田大学と東京女子医科大学の共同研究の話題もありますが、おおいに学部の垣根を越えた研究をしていただきたいものです。

基礎医学研究者の減少が国内だけなのか、世界的な傾向なのか是非知りたいところです。
国内だけの問題とすれば政府は医師偏在(これも愚策が原因)といった問題でけでなく、この問題にも早急に手をうつ必要があります。

他にもブログがあります。
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by esnoopy | 2008-03-19 00:45 | その他

ガムをかんで体重が激減

ソルビトールにより小腸吸収が低下
ワシントン〕 フンボルト大学シャリテ病院(ベルリン)消化器病学のJugen Bauditz博士らは,チューイングガムや菓子などの無糖食品中に広く用いられている甘味料ソルビトールは緩下作用を有し,小腸における吸収を低下させるため過剰摂取には注意が必要と BMJ(2008; 336: 96-97)で警告を発した。

体重が約20%減少
この助言は,慢性下痢,腹痛,体重の激減を伴う 2 例を検討した結果行われた。
広範な検査が実施されたものの,最終的な診断は食習慣の詳細な分析の後に確立された。
問診の結果,2 例とも大量のシュガーレスガムと菓子を摂取していたことがわかった。
 
1 例目(21歳女性)は,大量のシュガーレスガムをかんでおり,ソルビトール( 1 枚のチューイングガムに1.25gを含有)の 1 日の摂取量が18~20gにのぼった。
2 例目(46歳男性)では,毎日20枚のシュガーレスガムをかんで200gの菓子を食べており,両者で30gのソルビトールを摂取していた。

2 例ともソルビトールを含有しない食品を食べるようになると,下痢は軽減し,正常な便通が再開するとともに体重が増加した。

Bauditz博士らは「予想される副作用は,通常はソルビトール含有食品に記されている細かい注意書きにのみ書かれているため,消費者はその緩下作用に気付かず,また自己の胃腸障害との関連性を認識できずにいる恐れがある」と述べている。

結論として,同博士らは「これらの症例は,ソルビトール摂取が慢性的な下痢と機能的な胃腸の不快感を引き起こすだけでなく,意図しない大幅な体重の減少(通常の体重から約20%の減少)の原因となりうることを実証している」と述べている。
このように,説明のつかない体重減少の研究には,ソルビトール含有食品に関する詳細な食事歴を含むべきである。

Medical Tribune  2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社


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<関連サイト>
シュガーレスガムのかみ過ぎは重度の体重減少を招く
http://health.yahoo.co.jp/news/detail/?idx0=w14080117
独身者やガムをかむ人は肥満になりにくい
http://health.yahoo.co.jp/news/detail/index.html?idx0=w02071104
高齢者の便秘の治療に安価なソルビトールを推奨したい
http://www.e-clinician.net/vol39/no412/pdf/recently_412.pdf

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by esnoopy | 2008-03-18 00:30 | その他

ウエスト周囲径「偏重」は疑問

ちょっと古い記事の紹介で申し訳ありません。
日経メディカル2005年12月号への掲載記事(「オピニオン」)からです。
この時点ですでに門脇先生は鋭く「ウエスト周囲径」の基準値について問題提起してみえます。
この慧眼には敬服します。

東大代謝内科教授 門脇 孝 先生
今年4月、日本内科学会や日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会など国内8学会が合同でメタボリックシンドロームの診断基準を発表した。

高血圧、脂質代謝異常、耐糖能異常は重積しやすく、これらが心血管病の大きなリスクになることは疫学調査からも明らかであり、これまでも「死の四重奏」として同様の病態が心血管病のリスクとなることは指摘されてきた。
今回、国際的なコンセンサスのある診断基準が策定されたことで、新たに国際比較することが可能となった。
また、「ウエスト周囲径」という理解しやすい項目を必須としたことで、医療関係者や国民の意識が向いたことも評価すべきだろう。

だが、ウエスト周囲径(男性85cm、女性90cm)を必須条件とし、他に血圧、食後血糖値、脂質の異常の3つのうち2つを満たす場合をメタボリックシンドロームとする診断基準を、正しく運用していくためには臨床上、次の点に留意が必要である。

「90」はリスクを広く拾えず
まず注意が必要なのは、ウエスト周囲径の基準値だ。
第3次米国コレステロール教育プログラム成人治療パネル(NCEP  ATP-mⅢの基準では男性102cm、女性88cm、国際糖尿病学会(IDF)ではそれぞれ94cm、80cmとされている。
女性の基準値が男性より大きいのは日本だけであることに加え、現場の医師からは90cm未満の女性でもリスクが集積しているとの声が上がっている。

われわれ東大糖尿病・代謝内科では、新潟県のコホート研究で調査を行い、リスクファクターの重積とウエスト周囲径の関係を調べた。その結果、男性では85cmという基準でリスク重積者の75%をとらえることができた一方で、女性は90cmでは80%程度を見逃すことになってしまった。
ウエスト周囲径を必須項目とするならば、これだけリスク重積者を見逃してしまうのは問題だ。

そもそも、ウエスト周囲径を必須条件にすること自体にも疑問が残る。
米国で男女1万人以上を11年間追跡したARIC(Atherosclerosis Riskin Community)スタディーでNCEP-ATPⅢの5項目(高血圧、HDLコレステロール(HDL-C)低値、中性脂肪高値、空腹時血糖高値、ウエスト周囲径)のうち、何が心血管病を予測するかを調べたところ、高血圧とHDL-C低値は有意に相関を示し、中性脂肪についても有意差こそ示さなかったものの、相関の傾向が見られた。
だが、空腹時血糖値高値とウエスト周囲径については心血管病を予測しなかった。
この結果を見れば、心血管病予測の点からは、ウエスト周囲径を診断基準上必須条件とする根拠は少ないと考えざるを得ない。

概念自体には賛成
私はメタボリックシンドロームの概念自体には賛成である。
生活習慣病の予防として有用な概念であり、高リスク者を把握するという観点からも意味がある。
今後エビデンスが集積されることで、診断基準はより良いものに改訂されていくはずだ。

ちなみに、われわれのコホート研究で、80%のリスク重積者を拾い上げるためのウエスト周囲径は男性83cm、女性73cmだった。
日常診療にメタボリックシンドロームの診断基
準を使う場合には、
①ウエスト周囲径のみを絶対の指標としない
②診断基準とは別に「男性83cm、女性73cm」を境界域として扱う
などの工夫が必要となってくるだろう。

Nikkei Medical 2005.12


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<関連サイト>
腹囲論争
http://wellfrog.exblog.jp/7416058

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by esnoopy | 2008-03-14 00:12 | その他