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特定健診・保健指導制度

いよいよ特定健診・保健指導制度が4月から導入されます。
裁判員制度もそうですが、どのような経緯でどのレベル(どういった役人や有識者と称する人、そして誰がそういった人を選んでいるのか)でこういったことが制度化されて行くのかよくわかりません。

私は一開業医ですが、どのように関わっていけばいいのか、日本医師会に入会している立場ですが今もってよくわかりません。
私自身、生理的に受け付けなくて、知ろうとしないのかも知れません。

特定健診・保健指導制度,現場の声は第36回日本総合健診医学会

いよいよ今年(2008年)4月から特定健診・保健指導制度が始まる。
1月25,26日に神戸市で開かれた第36回日本総合健診医学会では,「セルフヘルスプロモーションをめざした総合健診」をスローガンに,4つのセッションを割いてこの制度を取り上げた。
会場は立ち見が出るほどの聴衆で埋まり,本テーマに対する関心の高さが伺えた。

保険者の指導による成果達成を義務付け
特定健診・保健指導制度は,保険者および健診関係施設が40~74歳の受診者に特定項目から成る健診を実施,メタボリックシンドロームあるいはその予備軍と見なされる人に対し,保健指導を行い,成果達成を義務付けるもの。
5年後の2012年にはメタボリックシンドローム保有者の増減率に応じて金銭的なインセンティブあるいはペナルティが課せられる。
特定健診は腹囲(男性85cm以上,女性90cm以上),もしくは腹囲が左の基準に満たない場合,body mass index(BMI)が25以上の,内臓脂肪蓄積リスク保有者をスクリーニングするステップ1,ステップ1の基準に達していた人を血糖・脂質・血圧・喫煙歴により階層化するステップ2,さらにリスクの多寡や年齢,服薬の有無に応じて「積極的支援」,「動機付け支援」といった保健指導の程度を階層化するステップ3と4から構成される。

対象年齢前からの指導も必要
メタボリックシンドロームを,喫煙を含めた複数の危険因子で包括的かつ階層的に評価するこれらの基準については,おおむね問題なしとの報告があった一方で,ステップ1の腹囲を中心とした階層化に問題があるとする報告もあった。
現在の健診データを用いた後ろ向き解析で,同制度の階層化によるシミュレーションを行った山梨県厚生連健康管理センターの一之瀬仁美氏は,現在の腹囲基準値が,特に女性において,必ずしも他の検査項目(血糖,血圧,脂質)と関連が見られないと報告。
「腹囲基準の見直し,あるいはBMIによる階層化が妥当ではないか」と指摘した。

進興会立川北口健診館の中島千枝氏は,40歳代のみならず,制度の対象となる前の30歳代からBMIが他の検査項目の異常と良好な相関を示したとの検討結果を報告し,制度対象外の年齢であっても,より早期からBMIに着目した健診・指導実施体制を整えていきたいとの発表を行った。

現制度では非肥満の糖尿病予備軍が取りこぼされる
また,現在の各指標の基準値による階層化そのものの落とし穴を指摘する報告もあった。
東海大学(医療情報学・医療統計学)教授の大櫛陽一氏は,同学会所属施設の特定健診対象者に関連するデータや各種コホート研究の結果から,同健診の検査項目の異常値が年齢・性差を反映していない上,「現行の制度では非肥満者の新規糖尿病発症が見落とされる危険性が高い」と述べた。

実際,日本人の糖尿病患者の過半数は非肥満者と言われており,そうした患者予備軍への介入が後手になれば,現在,医療費負担に占める割合の大きい糖尿病の罹患率減少には必ずしもつながらず,同制度の目的の1つである医療費適正化の障害ともなり得る。

特定保健指導の実践には大きな負担と課題
同制度の肝となるのが,保健指導対象となった人への実践だ。
指導対象者が多く見込まれる施設では,後ろ向き解析によるシミュレーションを実施,指導にあたる人員の確保・育成ならびに適正な配置が必要との報告も行われた。

また,健診・指導の一連の流れにおいては,膨大な個人データの管理・運用が発生することから,コンピュータによるネットワーク,インフラ整備が不可欠となる。
新虎ノ門会新浦安虎ノ門クリニックの滑田梨沙氏らは「健診指導にeメールを利用することで,双方向のやり取りができるだけでなく,可能なところは指導内容を定型化し,メールに添付することで,指導者の違いや連絡時間帯による指導内容の差を生じさせないメリットがあるのではないか」として導入を予定していると報告。

さらに,健診・指導システムの整備・運用については,外部委託保険者が業務の一部あるいは大部分を請け負う場合もある。
(株)ハーディ社長の矢後昭彦氏は「保健指導そのものは個別性を要する行為だが,同制度の管理・運用にあたっては,従来の方法論では人員・時間といった物理的困難が避けられない」と指摘。
不特定多数の対象者が時期や場所を問わず,厚生労働省のプログラムに沿った共通の健診あるいは指導を受けられるようにするには,マスプロダクションの概念の導入が必要とし,業務のオートメーション化・定型化への対応が鍵との提言を行った。

健診受診者に対する取り組みについても,既にメタボリックシンドローム健診を独自に実施,あるいは同様のプログラムを試行した数施設で報告があった。
メタボリックシンドロームの人はそうでない人に比べ,健康への関心は高いものの,実践にはなかなか踏み切れない傾向にあるようだ。
管理目標設定にあたって,たとえば初期にあまりに高い目標設定をすると,達成が困難になる。
そこで,対象者自身の自己評価の範囲をいかに設定していくか,効率的な集団指導の方法論や,指導が長期にわたる場合のフォローアップをどうすべきかなど,多くの課題や取り組みが示された。

国が保険者を介して疾病予防対策だけでなく,その成果達成を義務付けるという初の試みが,果たして実効性を発揮するか否かはもちろんだが,健診・医療ひいては公衆衛生の現場にどのような影響・変化が訪れるのか。
その動向が今後も注目される。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0801/080113.html


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日本人間ドック学会新ガイドラインの狙い
― 作成委員会委員長・山門實氏に聞く
特定健診・保健指導制度に対応し,判定区分などを変更

 昨年(2007年)12月,日本人間ドック学会の「人間ドック健診成績判定及び事後指導に関するガイドライン」が5年ぶりに改訂された。そのポイントと狙いについて,同ガイドライン作成委員会委員長の山門實氏(三井記念病院総合健診センター所長)に聞いた。今回の改訂は,今年(2008年)4月に導入されるメタボリックシンドロームの概念に基づいた特定健診・保健指導制度に対応し,判定区分や一部判定基準値を変更したもので,予防医学の立場に立つ同学会として,生活習慣指導を重視する基本姿勢を貫いている。
一方,薬物療法についてもきめ細かな開始基準を設け,個々人の特性に応じたオーダーメード感覚の保健・医療対応を提案している。

国の“受診勧奨値”を3分割し,きめ細かな薬物療法開始基準を提示

― “今回のガイドライン改訂の趣旨について教えてください。
「各専門領域の学会が作成しているガイドラインは,それぞれの疾患に対する診療・治療を中心とした指針だと言えます。
これに対して,予防医学の立場に立つ日本人間ドック学会のガイドラインでは,治療よりも生活習慣の改善を優先して考えており,質の高い保健指導が全国均一に行えることを目指しています。各検査値の判定基準もそのような観点から設定しており,それは本来,頻繁に変える必要のないものです。
しかし,今回,特定健診・保健指導制度が導入されることになりました。
人間ドックで行う健診は特定健診の内容をカバーしており,人間ドック受診者も特定保健指導の対象となります。
私たちの試算では,特定保健指導の対象者は人間ドック受診者の約2割です。このため,ガイドラインの体裁を国の新健診制度に対応したものに改める必要が出てきたのです。

― 改訂の大きなポイントは判定区分の変更ですね。
「特定健診制度では,メタボリックシンドロームの病態と関連する各種検査値について“保健指導判定値”と“受診勧奨値”を設定しています。私たちが慎重に対応しなければならないと考えたのは,後者についてです。
特定健診制度では,各専門学会が定めた診断基準値に基づいて“受診勧奨値”を設定しています。
例えば,高血圧については140/90mmHg以上です。
国は受診勧奨値について,それを超えた場合でも,軽度であれば直ちに薬物療法を導入するのではなく,生活習慣の改善を優先して行い,効果が認められなかった場合,必要に応じて薬物療法を行うべきであることを提唱しています。
その趣旨自体は私たちの考えと同じなのですが,具体的な基準を示していないのが問題だと思います。
どの程度の検査値であれば,どの程度の期間,生活習慣指導のみで対応すべきなのか,言い換えると薬物療法の開始基準が不明確なのです。
そこで,今回のガイドラインの改訂では,国の受診勧奨値を超えたレベルを3分割し,
「C1;積極的支援(1)」
「C2;積極的支援(2)」
「D;受診勧奨」
という3つの判定区分を設けました。
C1では6か月,C2では3か月の生活習慣指導を行い,それでも改善しない場合に薬物療法の導入を考慮します。
これらの基準は,さまざまな臨床試験の結果を吟味して決めました。

一方,Dでは生活習慣指導を継続しつつも,直ちに薬物療法の導入を考慮します。
旧ガイドラインと比較すると,A~Eの5段階を大きな判定区分としている点では同じですが,新ガイドラインでは,旧ガイドラインにおけるC区分を2つに細分化したことになります。
また,それぞれの区分名と定義を国の新制度に合致するものに改めました」

“受診勧奨値”を単純比較してはならない
― “受診勧奨”という言葉を単純比較すると誤解が生じるということですね。 「新健診制度の“受診勧奨値”は,日本人間ドック学会の新ガイドラインではC1またはC2の判定基準値に相当します。
新ガイドラインにおける“受診勧奨値”,すなわちD区分の判定基準値は,上述のように受診勧奨者のなかでも,直ちに薬物療法の導入を考慮するレベルを明示するという趣旨から,新健診制度の “受診勧奨値”より高い値を設定しているのです。
一部に,日本人間ドック学会が国に反旗を翻したかのような報道もありましたが,国の制度に沿いつつ,よりきめ細かな基準設定を行ったことを理解していただきたいと思います」

― 日本人間ドック学会が薬物療法に消極的な学会というのも誤解だと言えますね。
「繰り返しになりますが,“受診勧奨値”を単純比較して,日本人間ドック学会の値のほうが高いため,薬物療法導入に消極的と判断するのは早計です。
新ガイドラインの判定区分Dは,そのレベルに至らなければ薬物療法を行わなくてよいという意味ではありませんから。
もちろん,生活習慣指導をおろそかにして安易に薬物療法に走るのは問題ですが,生活習慣指導だけでは効果が得られない人が多いのも事実であり,薬物療法が必要な患者に対しては速やかに導入すべきです。
新ガイドラインにおける区分設定は,特定保健指導の対象者に対して適正な生活習慣指導とともに,適正な薬物療法が行われることを意図したものにほかなりません」

― “受診勧奨”を巡る混乱の背景には,診断基準と薬物療法開始基準が区別されていないことが影響している面もありますか。
「特定健診制度には,各専門学会のガイドラインが色濃く反映されていますが,学会によっては,診断基準は設定していても,薬物療法開始基準を明示していません。薬物療法の導入は医師が個々に判断すべきだという立場だと思いますが,薬物療法開始基準が明示されないことで,診断基準値を超えたら直ちに薬物療法を開始すべきだという誤解が生じる可能性も否定できません。現場の医師に判断材料を提供する意味で,専門学会としての見解を示すことも必要だと考えています」

脂質基準値の性差を撤廃した理由とジレンマ
― 5年前の改訂では,総コレステロール(TC)の基準値について,暫定処置ながら性差を設けていましたが,新ガイドラインでは男女同一基準としています(表3)。その理由を教えてください。
「TC値について旧ガイドラインでは男性の場合,220~239mg/dLを判定区分C,240mg/dL以上を判定区分Dとし,閉経後女性については暫定処置として,それぞれ240~259mg/dL,260mg/dL以上という男性より20mg/dL高い基準値を設定していました。それは男性に比べ閉経後女性では測定値が高く分布していること,2002年の段階ではわが国には脂質に関する大規模な介入試験の成績が存在しなかったためです。
しかし,その後,MEGAスタディの結果が発表されました。

MEGAスタディの結果を見ると,TC値の上昇に伴う心血管疾患リスクの上昇は男女で差がなく,260mg/dLを超えるレベルの人では,薬物療法を行わない場合,早期に心血管イベントが発生しやすくなることがわかりました。この結果から判断する限り,保健指導や薬物療法を導入する基準に性差を設けることは妥当ではありません。そこで,男女ともに220~239mg/dLを判定区分C1,240~259mgをC2,260mg/dL以上をDと改訂したのです」

― しかし,今回の改訂により,保健指導・医療の対象となる区分は男性では20mg/dL上方に,女性では20mg/dL下方に広がり, 220~259mg/dLという幅広いグレーゾーンが出現したことになります。この区分の人々にはどのように対応すればよいのでしょうか。
「上述のようにC区分は薬物療法を行わないのではなく,一定の期間,生活習慣指導を行った後に薬物療法の導入を考慮するという意味です。
その際,重要なのは個々人のリスクを考慮することです。
C区分の人々のなかには,220mg/dLに近いレベルでも早期に薬物療法の導入が必要な人もいますし, 260mg/dLに近いレベルでも生活習慣指導のみで対応できる人もいます。
脂質値だけで結論を出すのではなく,心血管疾患の既往や糖尿病などの合併症の有無も考慮して判断すべきだと思います」

― 閉経後女性の脂質値の問題を考えるうえでは,日本人間ドック学会主導で行われているPMHPS(閉経後高コレステロール血症予後調査研究)の結果も待たれますが,進捗状況はいかがですか。「PMHPSは全国の人間ドックを受診した閉経後女性をTC値220~239mg/dLと240~259mg/dL以上の2群に分けて5年間追跡し,予後を比較する観察研究で,約4,000例が登録されています。
試験は今年3月に終了し,2年後の2010年に結果を発表する予定ですが,中間解析のデータを見ると,両群の予後に差を見出すのは難しそうな状況です。
MEGAスタディに比べ低リスクの集団で,両群とも心血管イベントの発生がきわめて少ないのです。脂質以外に心血管疾患のリスクがない閉経後女性では,生活習慣指導のみで対応できる可能性もうかがわれ,やはり性差の存在が強く示唆されます。
ただし,現在あるエビデンスで判断しようとすると,新ガイドラインのように性差を撤廃せざるをえない。
なお,閉経後女性ではおもにHDLコレステロール(HDL-C)の上昇によって,TC値が高くなっている人が多いのが特徴です。日本動脈硬化学会も脂質異常症の診断や管理はTCではなく,LDLコレステロール(LDL-C)で行うことを推奨していますが,閉経後女性においては特に強調されるところだと思います」


http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0801/080109.html

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by esnoopy | 2008-02-01 00:05 | その他

特発性頭蓋内圧亢進症

きょうは
Medical Tribuneから「特発性頭蓋内圧亢進症」について面鏡しました。
偏頭痛との鑑別が必要ということで偏頭痛の患者をみる際には念頭に置くべき疾患のようです。
肥満女性に多いとのことで、鑑別のために腰椎穿刺をルーチンに行うわけにもいかないので
疑わしい場合にはまず非侵襲的な眼底検査がよいと思われます。

~特発性頭蓋内圧亢進症~ 片頭痛との鑑別と肥満の解消が重要
〔ベルリン〕
チューリヒ大学病院(チューリヒ)大学病院神経内科のPeter Sandor講師は、長年、
反復性発作性の頭痛を片頭痛と誤診されたまま治療効果を得られずにいた若年の
肥満女性患者について、当地で開かれたドイツ神経科学会の第80回会議で報告した。
この女性は一過性の軽度の視覚障害を生じて眼科を受診。
検眼の結果,両眼に乳頭浮腫と視野狭窄を伴う盲点拡大が認められ、この時点で初めて
特発性頭蓋内圧亢進症が疑われた。
腰椎穿刺により髄液圧の亢進が確認され、診断が確定した。

静脈洞血栓症の除外が必要
Sandor講師は「特発性頭蓋内圧亢進症が片頭痛と誤診されることは珍しくはない。患者はおもに女性で、頭部全体に中等度の頭痛を訴えるケースが多い」と説明。
頭痛は当初は反復発作性に生じるが数週間後には慢性化して毎日生じるようになる。
Valsalva操作により頭痛は増強する。
鑑別に際して重要な手がかりとなるのは,症状の変動の大きい視覚障害である。
腰椎穿刺では髄液圧の亢進が認められるが,それ以外の異常知見はない。
さらに特徴的なのは、他の患者が同検査を非常に不快に感じるのに対し,同疾患患者
は快適に感じるという点である。
 
診断確定に際しては、脳の画像診断により占拠性病変を除外するとともに、静脈洞血栓症を必ず除外しておかなければならない

頭蓋内圧亢進の原因はまだ明らかになっていない。
患者の7割はbody mass index (BMI)が26を超える肥満であるが、これは女性患者にのみ影響していると考えられている。 
肥満患者では、減量が頭蓋内圧を下げるのに有効であり、薬剤療法と しては、acetolamideまたはフロセミドを使用する。
また2~4週間にわたるステロイド投与が効果をもたらすこともある。

治療に十分に反応しない患者、あるいは視覚障害が進行した患者では、手術も検討対象となる。
ただし、以前よく行われていた腰椎穿刺の反復的施行は効果の持続が見込めないため、
現在では適用されていない。

一般に特発性頭蓋内庄亢進症の予後は比較的良好で、自然治癒に至ることも珍しくなく、
患者の約7割では3か月間の薬剤療法後に症状は消失する。
ただし、再発率は高い。

基本的に同症は良性の経過をたどるとはいえ、視力低下については例外で、未治療のままだと患者の5%が片眼の失明に至る。
したがって、早期の対処が重要であることに変わりはない。

(Copyright 2007 Doctors Guide.com)
Medical Tribune 2007.12.20
版権 (株)メディカル トリビューン


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「特発性頭蓋内圧亢進(IIH)による頭痛」の診断基準
* 以前に使用された用語:
良性頭蓋内圧亢進症(Benign intracranial hypertension : BIH)、偽性脳腫瘍(pseudotumor cerebri)、髄膜水腫(meningeal hydrops)、漿液性髄膜炎(serous meningitis)
* 診断基準:
* A. 以下の特徴のうち少なくとも1項目が該当する進行性頭痛で、CおよびDを満たす
o 1. 連日性
o 2. 頭部全体 および・または 持続性(非拍動性)の痛み
o 3. 咳 または 息みによって増悪する
* B. 次の基準を満たす頭蓋内圧亢進
o 1. 意識清明の患者で、神経所見が正常、または次の異常のうちいずれかを示す
+ a) 乳頭浮腫
+ b) 盲点拡大
+ c) 視野欠損(治療しなければ進行性)
+ d) 第6脳神経麻痺
o 2. 髄液圧上昇(肥満がない場合は200ミリ水柱超、肥満がある場合は250ミリ水柱         超)が、臥位腰椎穿刺による測定、あるいは硬膜外圧モニターまたは脳室内圧モ         ニターによる測定で示される
o 3. 髄液化学検査および細胞検査が正常(髄液蛋白低値は許容される)
o 4. 適切な検査で頭蓋内疾患(静脈洞血栓症を含む)が否定される
o 5. 頭蓋内圧亢進をきたす代謝、中毒 または 内分泌性の原因がない
* C. 頭痛は頭蓋内圧亢進と時期的に一致して起こる
* D. 頭痛は、髄液ドレナージにより120-170 mmH2Oに減圧後に軽減し、頭蓋内圧が持      続的に正常化してから72時間以内に消失する
* コメント:
o 特発性頭蓋内圧亢進(IIH)は、若年肥満女性で最も多く起こる。
o IIH患者の大半が乳頭浮腫を呈するが、乳頭浮腫のないIIHもみられる。
o IIHのその他の症候には、頭蓋内雑音、耳鳴、一過性霧視、複視がある。

頭蓋内圧亢進
http://homepage2.nifty.com/uoh/rinshou/10nougeka.htm#%93%AA%8AW%93%E0%88%B3%98%B4%90i

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by esnoopy | 2008-01-11 00:14 | その他

福山型筋ジストロフィー

1月1日の朝日新聞朝刊に朝日賞発表の記事があり受賞者の紹介がありました。
受賞者の一人の山中伸弥・京大教授については他のブログで紹介させていただきました。

万能細胞丹念な研究結実
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/12320091.html

きょうは小児科医師・臨床遺伝学者・生化学者という肩書きの3人の先生の受賞を紹介させていただきます。
最初に「日本人の名前のついた病気は珍しい」という冒頭の言葉から始まります。
日本人が最初に発見しても名前をつけない場合もあるので一概にはいえませんが、先生方はどれだけの名前が思い浮かびますか。
「田原結節」「橋本氏病」「川崎病」「間藤細胞」「猪瀬型肝性脳症」・・・・
もっとも「田原結節」「間藤細胞」は病名ではありませんが。
諸外国でどれだけ横文字になっているかはわかりません。
先生方、思いつく名前があったら是非コメントをお待ちしています。

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武者小路実篤 「蓮根と山葵」 日本画 
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世代・専門超え 難病と戦う
1993年には第9染色体上に原因遺伝子があることを解明。
98年に461個のアミノ酸からなるたんぱく質を作る遺伝子に変異が起きているのを見つけた。
福山型にちなみ、このたんぱく質を「フクチン」と名付けた。

福山型は筋ジスでは日本で2番目に多く、年30人前後の患者が生まれる。
2,000年以上前のたった1人の遺伝子の変異から広がった日本人特有の病気だとわかった。

一方、様々な糖が連なった糖鎖と生物の関係を研究していた遠藤さんは、1995年ごろから、筋肉細胞の膜にある糖鎖がくっついたたんぱく質を調べ、筋肉の構造や機能の解析を進めていた。
この糖鎖の合成に必要な酵素の遺伝子を解明。
病気との関係も調べようと、福山型の遺伝子解析をしていた戸田さんに共同研究を呼びかけた。

2001年、この酵素の遺伝子の変異で起こる糖鎖の異常が、福山型に似たMEBという病気を引き起こすことを突き止めた。
その後、同様の糖鎖の異常が、福山型の患者や、同じような脳の先天的障害を合併した類似の病気の患者でも起きていること明らかにした。

フクチンはこの酵素にくっついて作用していた。
遠藤さんは「こうした酵素を補充してやれば、糖鎖の異常による症状が改善する可能性がある」と話す。
治療法がない病気の治療に、道が見え始めた。

出典  朝日新聞・朝刊 2008.1.1
版権  朝日新聞社


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(画面をクリックして拡大ください)

<コメント>
専門分野でないのでうっかりしたことはいえませんが、日本固有の疾患かも知れません。
もしそうだとするとどこまでworldwideな病名なのでしょうか。
しかし3名のチームワークによる病因解明。
素晴らしいと思いました。
「フクチン」という名前も横山隆一氏の漫画「フクちゃん」みたいで可愛いですね。


『筋疾患百科事典』
http://www.jmda.or.jp/6/hyakka/kintop.html

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惜別 アーサー・コーンバーグ博士

コーンバーグ博士については昨年(2007年)11月6日、7日の2日間にわたって紹介させていただきました。
奇しくもその時点ですでにお亡くなりになってみえたのです。(10月28日逝去)
11月16日の新聞記事から引用させていただきました。

生化学者、DNA研究でノーベル賞
アーサー・コーンバーグ

この(2007年)7月、家族みんなで日本を訪れ、
懐かしく旧友と言葉を交わしていた。
若手研究者とにこやかに写真に納まっていたのが昨日のようだ。
「9月にお会いしたときも元気で、来年の90歳のお祝いを楽しみにしていたのに」とまな弟子の一人、新井賢一東大名誉教授。
呼吸不全で倒れて1週間で世を去った。

1959年、遺伝子の本体、DNAを複製する酵素の発見で、師の故セベロ・オチョアとノーベル医学生理学賞を受け、その後も遺伝子の試験管内合成や複製機構の解明で最先端を走った。
その一方、何人もの日本人を含む多くの弟子を育てた天性のメンター(導師)だった。

米国留学中、数分の講演を聴いてほれ込み、弟子となった早石修・大阪バイオサイエンス研究所理事長は「科学は知識を集積することではない、ものを理屈で考えることだ、と身をもって示した」という。
その精神は直接・間接に多くの日本人生化学者に伝えられている。

もしかすると、そばにいるだけで自然に科学ができるようになるのかもしれない。
家族も例外ではない。
幼い時から研究室で遊んだ長男ロジャーさん(スタン
フォード大教授)は2006年のノーベル化学賞を受けた。
チェリストを指の故障で断念した次男トーマスさん(カリフォルニア大サンフランシスコ校教授)も生物学に転向、世界的な分子発生学者だ。
三男ケネスさんも建築家として大成した。

トーマスさんは「敵討ち」をした。
父のノーベル賞の対象となったDNA複製酵素は、後に複製の主役ではないとわかった。
授業で父の研究への悪口を聞いたトーマスさんは怒り、真の複製酵素を探し始め、3週間で見つけた。
結局、真の酵素も働きは原理的に父の酵素と同じだ
った。
父は息子に感謝したに違いない。
 
7月27曰、京都で「酵素への愛」と題し研究を回顧した。
自ら最後の言葉との意味の「スワン・ソング(白鳥の歌)」と言っていたという。

朝日新聞・夕刊 2007.11.16
版権  朝日新聞社

<コメント>
私は昔、大学に勤務していたことがあります。
循環器内科でしたが、病院勤務からの転向だったので、どんな研究をしていこうかと四苦八苦していました。
研究テーマを自分で探すのに、学内図書館に通って調べることで一日過ごすような毎日でした。
テーマは勿論のこと、方法論ゼロからの出発。
「科学は知識を集積することではない、ものを理屈で考えること」という言葉にもっと早く出遭っていれば、と今更になって思う次第です。

博士のご冥福をお祈りします。
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コーンバーグ博士 その1(1/2)
http://wellfrog.exblog.jp/7536813
コーンバーグ博士 その2(2/2)
http://wellfrog.exblog.jp/7536871

自分のよき師“メンター”を見つけよう
http://allabout.co.jp/career/careerplanning/closeup/CU20040825A/

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by esnoopy | 2008-01-08 00:03 | その他

スポンサー付きのメタ解析

メタ解析に限らず大規模臨床試験も莫大な費用がかかるはずです。
メタ解析はあまり費用はかからないと思っていましたが結構スポンサーがついているようです。

製薬会社スポンサー付きのメタ解析は解釈に疑問が
単独スポンサー付きメタ解析では、結果と結論の不一致が37%に
Yank氏らは2004年12月までに出版された降圧薬臨床試験のメタ解析から、重複を除いた124解析を抽出した。
40%にあたる49解析が単独の製薬会社から資金提供を受けていた。

まず製薬会社に好ましい「解析結果」をもたらす要因を単変量解析で求めると、「試験の高品質」、「バラツキ検定の実行」、「感度解析の実行」が有意な因子であり、「単独製薬会社との経済的つながり」は有意な因子となっていなかった。

製薬会社に好ましい「結論」をもたらす因子は、唯一「単独製薬会社との経済的つながり」だけが有意だった。

事実、単独製薬会社と経済的つながりのあるメタ解析では、当該会社製品の有用性を示す結果が得られていたのは27解析(55%)だったにもかかわらず、45解析(92%)がその薬剤が有用であると結論しており、結果と結論の不一致が18解析(37%)に認められた。

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スポンサーなしの場合の不一致はゼロ
一方、複数製薬会社と経済的につながりのあるメタ解析14件では不一致率21%、経済的つながりの明記されていない25試験では12%、製薬会社以外と経済的つながりを持つ36解析では、結果と結論の不一致は1つもなかった。

Yank氏らは結果と結論が一致していないメタ解析を掲載した編集者とピアレビュアーを指摘している。
「データの解釈に問題がある」のであれば、いわゆる「総説」さらに「ガイドライン」も同様の問題を内包している可能性がある。
元New England Journal of Medicine編集長だったJerome P. Kassirer氏は著書「On The Take(買収の危機)」(Oxford Press、2005)において、具体的事例を挙げながら警告を発している。

Yank V et al. Financial ties and concordance between results and conclusions in meta-analyses: retrospective cohort study. BMJ. 2007 Dec 8; 335(7631): 1202-5. Epub 2007 Nov 16.


http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=1791
(「ケアネット」のパスワードが必要です。)

<コメント>
「経済的つながり」は結構メタ解析の結論に影響するという内容です。
結果はロジカル、結論はエモーショナルといったところでしょうか。
「経済的つながり」の有無の記載のない論文も多いようです。
どうせスポンサーがつくのなら単独より複数の方がバイアスが少なくなる(?)かも知れません。
いっそのこと研究対象となる薬剤のすべての製薬メーカーにスポンサーになってもらうのがよいのかも知れません。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-01-07 00:10 | その他

PK/PDパラメータ

最近、キノロン系経口抗菌剤で「PK/PD超えて叩く」をキャッチフレーズにした新薬が発売されました。
私自身古い部類の医師になります。
薬理学は少しは学生時代勉強しましたが(当時の教授が結構売れ筋の教科書の著者でした)、臨床薬理学の概念があまりない時代でした。
きょうは(株)SAFEのSAFE-DI「薬効シリーズ」の記事でPK/PDを勉強してみました。
生体内に投与された抗菌薬は、薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)の過程で刻々と変化していくため、臨床における抗菌薬の評価では、抗菌力の他に、薬物動態を考慮することが必要となります。
そこで、抗菌薬の投与計画を立てる際には、薬物動態(PK)の指標と抗菌力(PD)の指標を組み合わせて考えることで、臨床効果の予測や評価を行うことができ、また、副作用や耐性菌発現の抑制が可能になります。
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版権 (株)SAFE

<参考>
TDM、薬物動態関連の専門用語解説
薬物動態(ファーマコキネティックス) 
体内動態ともいう。薬物の吸収、分布、代謝、排泄を包括した表現である。「生体が薬物に対して何をするか(What the body does to the drug)」という簡明な説明もされる。TDMの領域では、主に薬物の血液(血漿、血清)中濃度推移を意味することが多い。PKと略記されるが、吸収、分布、代謝、排泄を表すADMEも用いられる。

力学(ファーマコダイナミックス) 
薬動力学ともいうが、「ファーマコダイナミックス」の表現が比較的多く用いられるようである。
薬物の作用の観点から、薬物動態と対比させて用いられる。「薬物が生体に対して何をするか(What the drug does to the body)」という簡明な説明もされる。PKに対して、PDと略記される。

PK-PD
以前は「PK/PD」と表記されることが多かったが、英語圏では“/”が“or”の意味で用いられ、誤解を呼ぶ不適切な表記法であることから「PK-PD」と表記されるようになってきている。薬物のPKとPDを関連させて解析することにより、薬物の作用をより理論的・合理的に解釈・説明する方法論を総括的にPK-PDと呼ぶ。PK-PDは、狭義には、個体内の血中濃度の時間変化(PD)と薬理作用の時間変化(PD)をモデル解析により関連付けて解析するものを指す。より広義には、薬物投与による長期的な曝露(Exposure)と臨床反応(Response)の関係(E-R)も含めてPK-PDと呼ぶこともある。 FDAからE-Rに関するガイダンスが出ている。(Exposure-Response Relationships: Study Design, Data Analysis, and Regulatory Applications)

細菌感染症の領域では、PDの指標である起炎菌の薬物感受性(MIC)と薬物動態パラメータを組み合わせ、AUC/MIC比、Cmax/MIC比、T>MICなどの指標をPK-PDパラメータ(PK-PD index)と呼んで用いている。International Society of Anti-Infective PharmacologyはPK-PD用語の標準化を提言している(Standardization of Pharmacokinetic/harmacodynamic(PK/PD)terminology for anti-infective drugs: an update)

ピーク値(濃度) 
最高濃度(Cmax)ともいう。投与後、吸収過程の大部分が終了し、血漿中濃度が最も高くなった時点の濃度(図1)。臨床効果や副作用との関連で評価が必要な場合があるが、吸収速度が一定しない場合には評価が困難である。

トラフ値(濃度) 
最小濃度(Cmin)ともいう。反復投与時の投与直前の血漿(血清)中濃度(図1)。血漿中濃度の経時的推移の中で、変動の小さい時点であるため、血漿中濃度のモニタリングに最も適し評価時点である。

AUC、濃度―時間曲線下面積 
「血中濃度-時間曲線下面積」という表現もあるが、「AUC」が広く用いられている。通常、添え字を用いて、AUCの時間範囲を表記する。単回投与後の無限時間までのAUC(AUC0-∞、AUCinf)や反復投与時の1投与間隔のAUC(AUCτ)あるいは24時間のAUC(AUC24h)などが多く用いられるが、non-conpartment解析(NCA)では、最終測定点までのAUC(AUC0-T)も汎用される。Introduction to the Pharmacokinetic Equationsには、AUCをはじめ、多くのPKパラメータの算出式が多数掲載されている。

ベイズ推定(値)
TDM、薬物動態の領域では、PPK解析でよく用いられるパラメータの推定方法で、事前確率分布(母集団パラメータ)に加えて、観察値(個体の濃度値)が得られたとき、その観察値に基づく事後確率分布を推定の確信度とし、その個体の最も確からしいパラメータを推定する方法をベイズ推定と呼び、その値をベイズ推定値という。

文中の図は以下のサイトでご確認下さい。

TDM、薬物動態関連の専門用語解説
http://jstdm.umin.jp/yogo/yogo.html
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by esnoopy | 2007-12-21 00:03 | その他

BMI値と死因死亡率


本報告を行った米国保健統計センター/疾病予防管理センターのKatherine M. Flegal
氏らは2000年時点の検討報告として以前に、低体重、過体重、肥満それぞれの全死因
死亡率との関連について報告を行っている。
すなわち正常体重群と比べて、低体重群と肥満群では全死因死亡率の有意な増加との関連が認められたが、過体重群では有意な減少が認められたとするものだった。

本報告では、BMI値と全原因死亡率との関連(2004年時点における)を調査。
JAMA誌11月7日号で掲載された。

各BMI値カテゴリーと、心血管疾患・癌・その他疾患との関連を調査
低体重(BMI <18.5)、過体重(BMI 25~30)、肥満(BMI >30)とし、心血管疾患、癌、その他(癌、心血管疾患以外)疾患それぞれを死因とする死亡率との関連性が
調べられた本研究は、全米対象の国民健康栄養調査(NHANES)の調査期間I
(1971~1975年)、II(1976~1980年)、III(1988~1994年)の参加者
571,042人年が対象。
2000年までの死亡率追跡調査、1999~2002年期間調査からBMI値等のデータ、
2004年人口動態統計データの25歳以上230万人の死因情報を加味して検討された。

BMI値と各死因死亡率とには特異的関連がある?
その結果低体重群では、癌と心血管疾患を除くその他疾患を死因とする死亡率で
有意な増加(超過死亡:23,455例)が、過体重群ではこの点に関して有意な減少
(超過死亡:-69,299例)が認められ、また肥満群では心血管疾患を死因とする
死亡率に関してのみ有意な増加(超過死亡:112,159例)が認められた。

より詳細な解析結果からは、過体重+肥満は、糖尿病、腎疾患で死亡率の増加
(超過死亡:61,248例)が認められた一方、癌と心血管疾患を除くその他疾患に
ついては減少(超過死亡:-105,572例)していることが認められたと報告。

また肥満群では、肥満との関連が指摘される癌の死亡率の増加(超過死亡:13,839例)が認められた一方で、それ以外の癌死亡との関連は認められなかったという結果も得た。

調査期間間の死亡率の比較からは、肥満と心血管疾患との関連は経時的減少傾向
にあるという示唆が得られたとも報告。

Flegal氏らは、「今回の結果は、BMI値と全死因死亡率との関連性を明らかにする
ことに結びつくだろう」と結論づけている。

http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=1244
Flegal KM et al. Cause-specific excess deaths associated with underweight, overweight, and obesity. JAMA. 2007 Nov 7; 298(17): 2028-37.

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小松正二  富士 日本画4号

<コメント>
わかったようでよくわからない内容です。
今後の患者指導にどのように役立てていけばよいのか困惑してしまいます。

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by esnoopy | 2007-12-06 00:05 | その他

がんの約2%、CTが原因


がんの約2%、CTが原因 医療被ばくで米チーム


放射線を利用するCTスキャンの使用頻度が米国で急増、将来のがん患者のうち
約2%をこれらのCT検査による被ばくが引き起こす恐れがあると、米コロンビア大
の研究チームが米医学誌に29日発表した。

CT検査の3分の1は医学的に不要との統計もあるとして、不必要な使用を避ける
よう警告している。

チームによると米国の医療現場でCTスキャンの使用回数は1980年の約300万回から
2006年には約6200万回へと急増。

断層画像を取得するのに何度もエックス線を照射するため、撮影1回当たり15―30
ミリシーベルトを被ばく。
一連の検査でこれを2、3回繰り返し、計30―90ミリシーベルト被ばくするという。

通常の胸部エックス線撮影では0.01―0.15ミリシーベルト、乳がん検診では3ミリ
シーベルトを被ばくするとされる。

チームは広島や長崎の原爆被爆者の疫学データと比較するなどした結果、現在のCT
検査による発がんリスクが将来、全米のがん患者の1.5―2.0%に達する
と推計した。

チームは「CT検査の利益とリスクを比較することが大切だが、不要不急の検査や、
放射線の影響を受けやすい子どもへの使用は控えるべき
だ」としている。

(記事提供:共同通信社)

http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=1434


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リャド   ジヴェルニーの睡蓮  シルク
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<コメント>
この記事は地球環境問題に取り組んだ京都議定書を思い出させます。
以前読んだ文献で英国の医師に被爆量を論ずる単位は何だという質問に答えられた
臨床医はほとんどいなかったとのことです。
被爆量も知らずにCTをオーダーするのは患者サイドに立った場合、いい医師とは
決していえません。
他人事のように考えている環境問題。
医師も知らないうちに人体環境を侵しているのです。

CTの被爆については、2007.9.30のブログの最後の方に書かせていただきました。

専門医の期待に応える64列MDCTの高画質
http://blog.m3.com/reed/20070930

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by esnoopy | 2007-12-05 00:04 | その他

乳癌検診とMRI

Medical Tribune 2007.10.11
の記事で勉強しました。

高リスク女性にはMRI検査を  X線や超音波に比べ乳癌検出率高い
〔米イリノイ州オークブルック〕ワシントン大学放射線医学の教授でシアトル癌治療同盟(ともにワシントン州シアトル)乳房画像診断のConstance Dobbins Lehman部長らは、乳癌リスクの高い女性に対する3種類のスクリーニング法を比較する多施設研究を実施し、MRIは乳房(X線)撮影や超音波検査で見落とされる腫瘍を正確に同定することができるとの知見をRadiology(2007; 244: 381-388)に発表した。             

高乳腺密度の検出に強い
筆頭研究者のLehman部長は「乳癌リスクが高い女性には、MRIによるスクリーニングが有益な可能性がある。現在使用可能な乳房画像診断法のなかで、MRIは明らかに癌の検出に最適である」と述べている。

米国立癌研究所(NCl)によると、全乳癌の5~10%に遺伝的素因がある。
遺伝的に乳癌リスクが高い女性は、平均的なリスクを有する女性よりも早期に発癌することが多いため、若年期からスクリ一ニングを受ける必要がある。
しかし、50歳未満の女性は乳腺組織が高密度である可能性が高いため、スクリーニング法としての乳房撮影の有効性が低下すると考えられる。
米国癌協会は、乳癌リスクの高い女性は30歳から開始する年1回の乳房撮影に加えて、MRIによるスクリーニングを受けることを推奨している。

同部長は「乳癌の発症リスクが非常に高い女性は早期検出の可能性を高めるために、自分でできることがあると知ることが重要だ」
と述べている。

1、000例当たり23例の検出増
今回の研究では、6施設で乳癌発症の生涯リスクが20%以上で25歳を超える無症状の女性171例(平均年齢46歳)を対象として、高リスク患者におけるMRIと乳房撮影のスクリーニング成果を比較した。
すべての女性にMRI、乳房撮影、超音波検査を実施した。

生検の実施件数は16件で、6例で癌が検出され、全体的な癌発見率は3.5%であった。
MRIは全例で癌を検出できたが、乳房撮影では2例、超音波検査では1例のみであった。
乳腺組織密度が高い女性4例の癌を検出できたのはMRIのみであった。
生検率はMRIが8.2%,乳房撮影と超音波検査が2.3%。
MRI所見を受けて実施した生検の陽性的中率(PPV)は43%であった。

Lehman部長らはこれらの知見に基づき、MRIによるスクリーニングでは、乳房撮影や超音波検査と比べて、高リスク女性1、000例当たり23例多く癌を検出できると推測している。

MRIは乳癌の遺伝的素因を有する女性に対する有効なスクリーニング手段であることが示されているが、平均的リスクの女性に対してMRIスクリーニングを支持するエビデンスはない。
同部長は「MRIは非常に有力な癌検出手段だが、完ぺきではない。
乳腺組織のなかには疑わしく見えるが乳癌ではな<、生検をしてしまう良性のものがある」と警告した。

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内田如風 油彩8号『柿』
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x27709057?u=;artfolio11


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by esnoopy | 2007-12-04 00:02 | その他

腰痛・下肢痛

内科開業医は,かかりつけ医(家庭医)としての使命を担っています。
かかりつけ医という言葉はどうもお仕着せのようで好きにはなれませんが、
仕方がありません。
さて、内科開業医の醍醐味は、自分の専門分野は勿論のこと、正しくない
治療をされている他科の患者さんを救ったり、幅広い視野から医療の番人
が出来た時かも知れません。
ごく最近の経験ですが、腰痛の患者さんが来院され、患者さんの希望により
大学病院を含めて4か所の医療機関に紹介状を書く機会がありました。
いわゆるセカンドオピニオンです。
それぞれの返事は、椎間板ヘルニアでレーザー治療のため1か月入院
(入院施設のある開業医)、別の病院は脊柱管狭窄症のため即刻検査入院
が必要。後者の先生には、よく今まで放置してたねと言われたそうです。
経過は明らかに急性なのに。

残りの2施設は軽度のヘルニアのために自然に治るとのことでした。
私自身、椎間板ヘルニアの経験があり、9割は自然寛解するという知識を
持っていてので放っておいて治した過去があります。
患者さんにも、腰椎のMRI所見を見せていただいて放っておけばと話して
おいたのですが。

結局、本人は最終的に放置を選択したのですが、患者も私も、すっかり
整形外科医に不信感を持ってしまいました。

かくのごとく、患者を守るには内科開業医も他科の知識も大いに必要という
わけです。
同じ開業医として言いづらいことではありますが、収益優先の医師は直感で
わかってしまいます。
先週も、ひどい下肢静脈瘤の患者さんが相談にみえました。
半年間マッサージなどの理療に整形外科に通院していたとのことでした。
「時間とお金の無駄でしたねえ。」といって早速血管外科へ紹介しました。

診々連携とはいえそのような医師には、近いからといった理由などで決して紹介
しないのが私のスタンスです。
勿論すでに通院している場合には何も言いません。

さて、きょうは
日本醤事新報 NO4249(2005年10月1日)
の内容から勉強してみました。
埼玉医科大学 高橋啓介先生の監修です。

<b>1. はじめに
日本の総人口のうち、高齢者の人口は2020年頃までは増加するというまさに
高齢化社会がますます加速されようとしている。
高齢者に多くみられる症状に腰痛がある。
腰痛は、日常診療でよく経験する症状であり、成人の有訴者率の中でも最も多く、
特に高齢者(65歳以上)では約5人に1人の割合で認められる(図1)。

2. 腰痛の原因
腰痛を訴える患者さんの疾患は多岐わたっており、原因もさまざまである。
内臓疾患や心因性の疾患も腰痛の原因となり得るが、大部分は腰椎に何らかの
異常が生じたためと考えられる(図2)。

また年代によっても腰痛を起こす原因は異なっている。
若い世代では外傷やスポーツ障害などが主な原因であるが、加齢と共に腰椎の
退行性変化が生じて椎体、椎間板などの支持組織に変形が認められるようになる。
腰痛は、こうした変化を背景に現れてくることが多いといわれている(図3)。
腰痛にはさまざまな原因が考えられるが、今回は腰痛を訴える疾患の中でも
高齢者に多くみられ、腰椎の疾患である腰部脊柱管狭窄症を中心に概説する。


3. 腰部脊柱管狭窄症とは
腰椎は年齢と共にさまざまな加齢による変化(退行性変化)が生じる。
椎間板の変性・膨隆、椎間関節の変形・肥厚、黄色靱帯の肥厚などの変化は、
腰椎内部の脊柱管の狭窄を生じる(図4)。
このような脊柱管の狭窄により、その内部にある神経(馬尾や神経根)の圧迫障害を
生じている疾患を腰部脊柱管狭窄症という(図5、6)。

腰部脊柱管狭窄症における狭窄は、骨の部位(椎体部分)には認められず、
骨と骨との間(椎間板部分)に生じる。
この椎間板高位は腰椎の動く部分であり、狭窄の程度も腰椎の動きで変化する
ことになる(図7)。
つまり、腰部脊柱管狭窄症は姿勢や腰の動きにより狭窄の程度が変化する特徴
を有する。
通常、狭窄の程度は腰椎の後屈で増強し、前屈で軽快する。    
姿勢によって狭窄部の硬膜にかかる圧力も変化する(図8)。
症状のない臥位・座位・前屈位では、馬尾・神経根への圧迫力は低い。
しかし、症状が誘発される立位や腰椎の伸展では圧迫力は高くなる。

狭窄の強くなった時に症状が出現し、狭窄が軽減すると症状も軽快することから、
腰部脊柱管狭窄症の症状は、狭窄部での神経への圧迫力の動的な上昇によって
生じると考えられている。

4. 馬尾や神経根の血流障害
脊柱管の狭窄による馬尾、神経根の圧迫は同時に神経栄養血管の圧迫も招来し、
神経の血流障害からanoxiaを起こし、痛みやしびれ、間欠は行につながると
 考えられている。
馬尾は圧迫を受けると低い圧でも容易に血流の低下をきたし、栄養障害を起こす。
即ち腰部脊柱管狭窄症の症状発現の病態は、神経の血流障害と考えられる。
 


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by esnoopy | 2007-12-03 00:05 | その他