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下部消化管出血と大腸憩室

原因疾患はまず大腸憩室の想定を
防衛医科大学校内科第 2 講座の高本俊介氏らは,下部消化管出血に対する
緊急内視鏡例での検討から,出血の原因疾患としては患者年齢にかかわらず
大腸憩室が最も疑われるべき疾患であるとの認識を示した。
また「高齢者では合併症や抗血小板薬服用の有無を考慮して,内視鏡検査を
行う時期は慎重に検討する必要がある」との見解を表明した。


急性出血性直腸潰瘍では内視鏡的止血が有効 
高本氏らは,2001年 1 月?07年12月に,同大学校で消化管出血に対し緊急
下部消化管内視鏡を施行した146例,延べ施行回数176回(ポリペクトミー後
出血を除く)を対象に,65歳以上の高齢者群74例と65歳未満の非高齢者群
72例に分けて原因疾患,患者背景,転帰などを検討した。

原因疾患は高齢者群で大腸憩室25.6%,急性出血性直腸潰瘍(AHRU)21.6%,
虚血性腸炎12.1%の順で,非高齢者では大腸憩室26.3%,炎症性腸疾患(IBD)
18.0%,AHRU 6.9%,虚血性腸炎5.5%と,高齢者でAHRU,非高齢者でIBD
の割合が高かった。

患者背景として,抗血小板薬服用,心疾患合併,維持透析実施は高齢者群と非高齢
者群で有意差はなく,内視鏡前ヘモグロビン値は非高齢者で高い傾向が見られた。

転帰では,内視鏡的止血成功,開腹術施行は非高齢者群で割合が高く,緊急血管
造影施行,動脈塞栓術施行,死亡は両群間で差はなかった。なお,内視鏡的止血
成功例は高齢者群13例,非高齢者群18例だが,両群ともAHRUで内視鏡的止血
を行った例では全例が止血成功例となっていた。

以上のように下部消化管出血では高齢者,非高齢者にかかわらず,原因疾患としては
大腸憩室が最も多いことが確認され,出血時にまず念頭に置くべき原因疾患であった。

同時に,同氏は「憩室出血は出血点を特定できない場合やクリップで止血できない
ことが多く,インターベンションや手術を要することもあるが,クリッピング後も頻回に
出血を繰り返す例では,シアノアクリレートを併用した止血も試みている」との実績を
紹介した。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4108071&year=2008

Medical Tribune 2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社


シアノアクリレート
シアノアクリレート系接着剤(α-Cyanoacrylate adhesives)は、2-シアノアクリル酸エステルモノマーを主成分とする接着剤。反応系。
基材や空気中の水分によって急速に硬い皮膜状に硬化・接着する。作業性に優れた一液・常温硬化型でもあるため瞬間接着剤として使用される。末端のアルキル基を選択することにより特性を設計できる。粘度が低いため塗布が容易であり、また多様な被着材に適応する応用性の高さから、ゴム・金属やプラスチック類・医療用などから始まった使用範囲は広がり続け、最近では樹木接木などにも用いられる一方、皮質に馴染み易く白化する特徴から指紋判別用材料としても利用されている。剥離強度には優れるが、耐衝撃性や耐熱性に劣り、オープンタイムは短い。近年これらを改良したタイプも開発されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A5%E7%9D%80%E5%89%A4

抗血栓薬の大腸憩室出血に及ぼす影響http://jges.net/jges-z/gnt/gn490201.html
2002年7月~2005年11月までに下部消化管出血にて大腸内視鏡検査を実施した332例のうち,大腸憩室出血と診断されたのは32例(9.6%)であった.
大腸憩室出血は65歳以上の高齢者が90.6% と大部分を占めた.出血部位は左側結腸78.1%,右側結腸21.9%,出血形態は凝血塊付着81.3%,湧出性出血15.6%,噴出性出血3.1% であった。
憩室は多発93.8%,単発6.2% であった.
輸血を必要としない軽症は81.3%,内視鏡治療の必要がなかったものが81.3% と大部分を占めた。
抗血栓薬の内服率は50%(16/32)と他の下部消化管出血をきたした疾患に比べて高値であった。
大腸憩室出血例の半数は抗血栓薬を内服しており,高齢者が大部分を占めることから,大腸憩室を有する高齢者への抗血栓薬投与は出血の主な誘因の一つと考えられた。

<コメント>
当院にも70代の女性で大腸憩室に伴う下血を時々起こし、ひどい貧血になる方がみえます。
TIAがあるためやむを得ずアスピリンを投与しています。
この論文にまさしく合致する症例です。

大腸憇室症
http://wellfrog.exblog.jp/6874996

スハルト元大統領、大腸憩室で入院27 April 2004
http://www.tempointeraktif.com/hg/nasional/2004/04/27/brk,20040427-02,jp.html
ジャカルタ発:26日午後、スハルト元大統領がジャカルタ市内のプルタミナ病院に入院したことについて、担当医のアジズ医師は27日、年齢的な症状であることを明らかにした。X線検査の結果、大腸憩室が発見された。同氏のヘモグロビン濃度が6.3%に低下し容態も良くないため、医師団側は手術を避け薬物治療を行うことになった。

<コメント>
そうだったんですか。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/(循環器科関係の専門的な内容)
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by esnoopy | 2008-04-04 00:30 | 消化器科