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飲酒と死亡リスク

飲酒の量と頻度は死亡リスクに影響
〔米メリーランド州ベセズダ〕米国立衛生研究所(NIH)の一機関である米国アルコール乱用・アルコール依存研究所(NIAAA)疫学・予防研究部のRosalind A. Breslow博士らは,1988年に実施された全米健康調査に参加した4万4,000例のデータを用いて飲酒習慣と死亡との関係を検討し,飲酒の量と頻度はともに死亡リスクに独立した影響を及ぼすとの知見をAlcoholism: Clinical and Experimental Research(2008; 32: 513-521)に発表した。

飲酒パターンに着目すべき
Breslow博士は,米国立がん研究所(NCI)がん研究センターがん疫学遺伝学部門の統計専門家であるBarry I. Graubard博士とともに,1988年の全米健康調査のデータを検討した。調査に参加した約4万4,000例のうち約半数が1998年時点で飲酒習慣があった。
このうち,2002年末までに2,500例以上が死亡した。
 
同博士らは,死因と飲酒状況を比較した結果,男性では飲酒の頻度と量が心血管疾患による死亡率に影響を及ぼすことを明らかにした。
1回の飲酒量が多いほど心血管疾患死のリスクが高く,例えば1回に5杯以上飲む男性は1回に1杯しか飲まない男性に比べて心血管疾患死のリスクが30%高かった。
また,飲酒量は男性のがんによる死亡率の上昇と関連した。
これに対し,飲酒頻度は,男性では心血管疾患死亡率の低下と関連した。
飲酒頻度が120~365日/年の男性は,1~36日/年の男性と比べて心血管疾患死亡率が20%低かった。
しかし,今回の研究は,頻繁な飲酒による心血管疾患への影響の解明のためにはデザインされていない。
女性では,頻繁な飲酒は発がんリスクの増加と有意に関連し,飲酒量の増加が全死亡率の上昇と関連した。
 
NIAAAのTing-Kai Li所長は「われわれの知見は,適度な飲酒が重要であることを強調する内容となった。米国の飲酒者の大部分を占めるアルコール依存のない飲酒者にとり,飲酒の量と頻度は死亡に関する制御可能な危険因子と考えられる。今回の知見はアルコールに関連する健康アウトカムを調査する際は,飲酒のパターンも検討することが重要であることを示している」と述べている。


平均値の検討では不十分
過去の研究では,中等度の飲酒は心血管疾患死のリスクを低下させ,多量の飲酒は死亡率の上昇をもたらすことが明らかにされている。
しかし,Breslow博士は,このような研究の多くでは被験者の平均飲酒量を検討しており,このアプローチではたまに深酒をする人と継続的に軽く飲む人の区別が付かないという欠点があると指摘。
「平均飲酒量では,週に1回7杯飲む人と,毎日1杯ずつ飲む人を区別することができない。
われわれの研究は,米国民を代表するコホートにおいて,飲酒の量と頻度がともに死因別死亡率に独立した影響を及ぼすことを示した初の研究である」と述べている。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41190283&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.5.8
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
個人的な話で恐縮です。
私は週4日の休肝日、すなわち3日が飲酒日です。
飲酒日はつい飲みすぎてしまいます。
我慢していたという「自分へのご褒美」気分と、次の日が飲めないからという「のん兵衛」の屁理屈からです。
この論文を読んでしまったからには飲酒の仕方を変えなければなりません。
毎日少量飲んで、週3日は少しだけメリハリをつけるとか。

以前、休肝日は意味がないという研究報告をみた覚えがあります。
たしか休肝日を作るとALDHの酵素活性が低下するといった内容でした。
さがしてみましたがネット上では検索できませんでした。
夢だったのかも知れません。


<参考ブログ>
アルコール性肝障害
http://www.kusuriyasan.org/byoukitoyobou/arukorusei-kanen.htm
休肝日をつくろう
http://www.health-net.or.jp/kenkozukuri/healthnews/050/050/k140/index.html
アルコール脱水素酵素2の遺伝子の個人差によって男性の脳梗塞の危険性は2倍にはねあがる
http://www.mitos.co.jp/jigyo/adh.html
日本人はお酒に弱いというのは本当か?
http://www2.health.ne.jp/library/0600/w0600001.html

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田崎広助 富士(紫) リトグラフ
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x33501214



他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)

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by esnoopy | 2008-05-12 00:03 | その他

飲酒と血圧

高血圧で通院中の患者さんに「先生、アルコールはのんでいいでしょうか」と聞かれた場合、「適量のアルコールは鎮静作用も期待できていいですよ」と答えると思います。
私もそう指導してきました。
そんな中、こんな記事がを見かけました。

飲酒と血圧の関連は定説より強力
英ブリストル〕ブリストル大学社会医学科のSarah Lewis博士らは,最近実施された研究のアナリシスの結果,過度の飲酒と高血圧の関連はこれまで考えられていたよりも強いことが示唆されるとPLoS Medicine(2008; 5: e52)に発表した。

分解酵素の遺伝的変異に注目
過去の観察研究から,過度の飲酒は高血圧の危険因子の 1 つであることが示されているが,これらの研究には食事,喫煙,運動レベル,社会経済状況などの交絡因子が存在している可能性がある。
飲酒と高血圧の関連性を解明する臨床試験の実施は困難で,フォローアップ期間が限られている。
今回の研究は,身体のアルコール分解能に影響を与える遺伝子に変異がある者に注目するという以前と異なるアプローチを採用した。

体内に摂取されたアルコールは,アセトアルデヒドという中間化合物を介して酢酸になり体外へ排出される。
アルコールの分解にかかわるおもな酵素は,アルデヒド・デヒドロゲナーゼ2(ALDH2)である。

一部の人は遺伝的変異によりアセトアルデヒドの代謝ができないため,アルコールを摂取すると体内にアセトアルデヒドが蓄積する。
このような変異は一部のアジア人では一般的で,飲酒後に顔面紅潮,強い悪心,眠気,頭痛などの不快な症状が発生する。
この遺伝的変異を有する者は,有さない者に比べてアルコールの許容量がはるかに低い。

Lewis博士らはALDH2の遺伝子型に注目し,変異を有する者(遺伝子型*2*2)の血圧と,変異を有さない者(遺伝子型*1*1)の血圧を比較した。

その結果,遺伝子型*1*1の者は1 日当たりおよそ 3 単位のアルコールを摂取しており,飲酒量がきわめて少ないかゼロであった遺伝子型*2*2の者と比べて,血圧が著しく高いことがわかった。

同博士は「たとえ適量であっても,飲酒はこれまで考えられていたよりもはるかに大きく血圧を上昇させる可能性があることがわかった。われわれの知見を追認し,推測の精度を上げるためには,大規模な研究が必要である」と述べている。

出典 Medical  Tribune 2008.4.3
版権 メディカル・トリビューン社


<参考サイト>
24時間血圧への影響
href="http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamph/pamph_32/panfu32_04.html" target="_blank">http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamph/pamph_32/panfu32_04.html
アルコールが日中の血圧を上げることは事実ですが、夜の血圧(飲酒後数時間)は逆に下げるように働きます。
アルコールと高血圧の関係は、これまで過大に評価されてきたのではないでしょうか。
別の見方をすれば、高血圧の患者さんが飲酒を控えた場合には、日中の血圧は下がりますが、1日の平均血圧でみれば、期待するほどの降圧効果はなさそうです。
(結論として高血圧患者への節酒や禁酒はあまり効果がない)

飲酒、喫煙と循環器病
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/text/pamph/pamph_32/panfu32_text.html
アルコールは血圧を一時的に下げることもありますが、長い間、飲み続けると、血圧を上げ、高血圧症の原因になると考えられています。多くの研究で、日々の飲酒量が多いほど血圧の平均値が上がって、高血圧症になるリスクも高まることがはっきりしてきました。
では、1日にどれくらい飲んでいると、血圧に影響するのでしょうか。日々の摂取量が多くなればなるほど、血圧が高くなっています。
「日本酒1合、ビール大瓶1本、ウイスキーシングル2杯、ワイン2杯」のそれぞれに含まれるアルコールは、約30ミリ・リットルですが、これまでの研究をまとめますと、アルコール1日30ミリ・リットルあたり、血圧は3ミリほど上がることが認められています。
こうした飲酒による血圧の上昇は、人種や、アルコール飲料の種類にかかわりなく認められていますから、あの酒だと影響が少ないといったことはありません。

アルコールで血圧が上がる理由については、血管の収縮反応が高まるほか、心臓の拍動を速める交感神経の活動、腎臓からマグネシウムやカルシウムが失われるため、などと考えられています。アルコール飲料に含まれるカロリーにより体重が増えることや、塩辛いつまみをとることも関係するでしょう。

健診で高血圧を指摘されたのですが、お酒はやめたくありません。
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/339/339066.html
高血圧の人がお酒を飲むときは、男性は1日30ミリリットル以内(ビール大びん1本、または日本酒1合まで)、女性はその半分までにしましょう。また、お酒を飲むときは塩辛いつまみを食べることが多いのですが、血圧が高い人は、塩分制限の点からも特に


アルコールと高血圧
http://www2.health.ne.jp/library/0600/w0600022.html
福岡県久山町で40歳以上の一般住民を対象にした調査を行いました。すると、日本酒1合未満の少量飲酒者でも全くお酒を飲まない人に比べると、高血圧の割合が高いことが分かりました。その上、正常血圧の人でも10年間のうち、少しでもお酒を飲み続けている人は飲んでいない人よりも、高血圧になりやすいことも分かりました。
ですから、日本人の場合、1日1合未満の少量のお酒でも、血圧が上昇する可能性が高いようです。どうして、アルコールが血圧を上げるかについては、いろいろ研究されていますが、まだよく分かっていません。




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by esnoopy | 2008-04-10 00:35 | 高血圧症