ある日のこと。
日本腎臓病学会の「CKD診療ガイド」のエッセンスが書かれた冊子をMRが持って来ました。 ひと言で言えば、早期発見により病診連携をとりながら、早期から治療にとりかかる。 そして透析への移行を出来るだけ先送りにする、という趣旨と受け取りました。 定義、診療定型システムモデル、、日本人のGFR推算式(改訂MDRD簡易式)などの羅列はごもっともとして、問題は治療についてです。 私のような気の短い元循環器専門医(この科を選んだのも、治療効果が結果にすぐに直結するという考えからです)にしてみれば、治療法が一番気になるのです。 以下、エッセンスの中から、治療に関する事項を抜き出してみました。 ●まず第一に生活習慣の改善(禁煙、減塩、肥満の改善など) ●血圧の管理目標は130/80mmHg未満であり、緩徐に降圧することを原則にする。 ●降圧にはACE阻害薬やARBを第一選択とし、必要に応じて他の降圧薬を併用する。 ●糖尿病性腎症では血糖をHbA1c6.5%未満に管理する。 ●LDLコレステロールを120mg/dL未満に管理する。 ●腎性貧血を疑う場合は、腎臓専門医に相談する。 ●エリスロポエチンや経口吸着薬の投与にあたっては、腎臓専門医と相談する。 ●腎排泄性の薬剤は腎機能に応じて減量する。 ●非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS),造影剤、脱水などは、腎機能低下のリスクである。 そこで、空っぽの頭なりに少しだけ考えてみました。 タバコを吸わず、塩分摂取もそこそこで、標準体重で、血圧正常で、糖尿病もなく、LDLも正常で、貧血もなく、薬剤の服用や造影剤も使わず、勿論脱水もないCKDの患者さんを想定してみました。 さて、腎臓病専門医でない私は、このガイドラインから治療に関して何が得られるのでしょうか。 ステージと診療計画についての、診療計画の内容も頭の悪い私には、何だかよくわかりません。 ごく最近、糖尿病性腎症を合併した途端に、今までの糖尿病の栄養指導はすべて忘れて下さい、と紹介先の病院で言われた糖尿病の患者さんがいました。 金科玉条の蛋白制限も、いろいろ問題がありそうです。 <参考> 慢性腎不全に低たんぱく食は疑問 http://www.npojip.org/newspaper/hodanren/029.htm ご意見お待ちしております。 というより門外漢の、CKDの治療について迷える開業医に知恵をお授け下さい。
by esnoopy
| 2007-08-14 22:06
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