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新糖尿病薬

現在、2型糖尿病に対する経口血糖降下剤としてはスルフォニル
尿素剤、ビグアナイド剤、グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系
インスリン感受性改善剤、速効型インスリン分泌促進剤があります。
それぞれ一長一短といったところです。
勿論、血糖を下げればそれでいいというわけではありません。
結果として、合併症を減らし、何よりも生命予後を改善する薬剤
でなければなりません。
それぞれの薬剤が理論的にかなり深く解明されているとはいう
ものの、振り返ってみると意外とエビデンスが少ないという印象
を持ちます。
私自身、元循環器専門医としては、興味の中心はどうしても降圧剤
などの循環器領域の薬剤となります。
これらの薬剤はこれでもかというぐらいに臨床試験が新たに企画され、
結果の発表も目白押しです。
そのような薬剤と比較して、ということですから糖尿病専門医の
先生のご機嫌を損ねたらごめんなさい。

さて、先生方もご存知のようにピカ新の糖尿病新薬が新たに加わる
見通しのようです。
第50回日本糖尿病学会学術集会のシンポジウムからの紹介です。
早く上市されることを期待したいと思います。
 

話題の糖尿病新薬は「日本の2型患者にとって福音」

糖尿病の新たな薬として注目されているGLP-1誘導体や
DPP-4阻害薬は、特に日本人の2型糖尿病にとって大きな
福音になる——。
5月24日、仙台で開かれている第50回日本糖尿病学会学術
集会のシンポジウム「新しい治療法GLP-1」で、座長の一人
である東京女子医大糖尿病センター長の岩本安彦氏は、
こう締めくくった。

このシンポジウムでは、日本で進行中の臨床試験については、
残念ながら発表はなかった。
しかし海外での臨床試験によれば、GLP-1誘導体やDPP-4
阻害薬には、血糖降下作用があり、低血糖が起こりにくいことや
膵臓のβ細胞を保護し増生することも分かっている。
また、食欲を抑制し体重減少効果があるなど、抗糖尿病効果
が高いことが認められている。

最初に登壇した秋田大内科教授の山田祐一郎氏は、これまで
の知見を俯瞰した上で、「インスリン分泌不全や膵臓のβ細胞
の減少が主な病態である日本人の2型糖尿病では、GLP-1
誘導体とDPP-4阻害薬の双方とも治療薬として有望である」
と言及。
一方、「米国人のようにインスリン抵抗性あるいは肥満が主な
病態である欧米人の場合は、GLP-1誘導体の方が有用だろう」
との見解を示した。

「マイナス面を強いて言えば高価なことぐらい」(発表者の一人)
との声もあるほど、これら新薬への期待は高い。
日本では現在、万有製薬や小野薬品工業をはじめ、ノバルティス
ファーマやグラクソ・スミスクラインなどが開発に取り組んでいる。
2〜3年後とみられる日本での上市が待たれるところだ。
     (日経メディカル オンライン)

新糖尿病薬_c0129546_7572382.jpg

平山郁夫 水彩画/風景「蘭州」
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k45077986

第50回日本糖尿病学会年次学術集会より
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200705/503313.html
血糖値とともに脂肪の値を低減/Ⅱ型糖尿病の新薬「ERGOSET」
http://cliplife.jp/clip/?content_id=g331yuas


ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)
by esnoopy | 2007-10-05 07:46 | 糖尿病
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