きょうは正常と認知症のボーダーラインの状態について勉強してみました。
おそらく個人差のあることや加齢現象との区別が困難なことが予想されます。 もともとボーッとした人はどうやって診断するんだという声も聞こえて来そうです。 軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment,MCI)は,正常と痴呆の間に位置する知的グレイゾーンとしてクローズアップされてきた概念である. MCI には臨床的にも病因論的にも多様性があり,種々の痴呆症に進行しうる前駆段階を含む状態と考えられる. これまでにも,Age-associated memory impairment やAge-associated cognitive decline などの概念も提唱され,研究者の間でも,正常と痴呆の間のBorderlineを加齢の延長線上にとらえる(Normality model)か,疾患の始まりとして位置づける(Pathology model)かの立場の違いが存在する. 東北大学老年内科におけるもの忘れ専門外来における経験から,医療機関を受診するMCI 患者の約70% は進行性に認知機能が低下し,脳脊髄液タウ値が高く,アルツハイマー病(AD)の前駆段階と思われ,実際MCI からAD への年間転化率は約15% であった(Progressive MCI,進行型MCI). 一方,他の30% は認知機能障害に進行がみられず,脳脊髄液タウ値が正常範囲内でMRI において脳室周囲白質病変が比較的高度であった(Stable MCI,非進行型MCI). この脳室周囲白質病変には,Vascular risk factor や年齢が関連していた. 軽度認知機能障害と痴呆症の早期診断 http://www.med.or.jp/jams/symposium/kiroku/125/pdf/125021.pdf 東北大学大学院医学系研究科先端漢方治療医学荒井啓行教授 より転載させていただきました。 軽度認知障害の診断とその意義 ●軽度認知機能障害(mild cognitive impairment;MCI)は、多様な原因から生じる「正常でもない、認知症でもない」状態を指す用語である。 あるいは、物忘れなどの認知機能障害が軽度であるものの、日常生活は自立している状態と言い換えることもできる。 ●健忘型MCI(多くはアルツハイマー病に進行する。) 非健忘型MCI(前頭側頭型認知症やレビー小体を伴う認知 症などに移行する。) ●進行するMCI(アルツハイマー病や前頭側頭型認知症など の神経変性疾患や血管性認知症) 進行しないMCI(脳室周囲白質病変や微小梗塞のある血管 障害、薬物性) ●臨床的に重要なのは「治療可能なMCI」を早期発見すること。 ●ロッテルダム研究 糖尿病であることは(血管性認知症はもちろん)、アルツハイマー病の発症リスクも約2倍上昇することが示され、特にインスリン治療を受けている糖尿病患者では、アルツハイマー病発症のリスクは約4倍上昇していた。 (糖尿病と認知症については、また機会を改めて考えたいと思います。) ●スタチンを服用している高脂血症患者からのアルツハイマー病の発症が有意に低いという報告がある。 ●適度な運動、魚の摂取が認知機能の維持に有効という報告がある。 <コメント> 「ロッテルダム研究」を検索すると実にさまざまな成果が出て来ます。 またロッテルダム研究については私の宿題とさせていただきます。 参考 日本医事新報4356 2007.10.20p89 荒井啓行先生 MCI(mild cognitive impairment;軽度認知機能障害)の概念と認知症予防としての生活習慣病対策が持つ可能性 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2664dir/n2664_04.htm 軽度認知機能障害と痴呆症の早期診断 http://www.med.or.jp/jams/symposium/kiroku/125/pdf/125021.pdf (最初に転用させていただきました。MCIのすべてが学問的に記載されています。) 認知症は予備軍のうちに見つけよう http://www.healthist.jp/news/175_02/02_01.html 進む画像による早期診断 アルツハイマー型痴呆 脳血流を解析して判定 http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/1005chihou.html [PDF] 認知症予防・支援について http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/11/dl/tp1101-2h.pdf 若年性アルツハイマー|もの忘れドック-武田病院画像診断センター http://monowasure.jp/demantia/young.html “ありふれた薬”に意外なリスク 抗コリン剤を継続使用の高齢者、8割に軽度認知障害 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/421457.html (「後で入力する」をクリックして下さい。) 東北大学病院 老年科 http://www.hosp.tohoku.ac.jp/sinryou/s07_rounen.ht ミニメンタルステート検査 mlhttp://ja.wikipedia.org/wiki/ミニメンタルステート検査 認知障害なんでもサイト http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/boke2.htm 日本芸術院賞 仏芸術院賞 岡田又三郎 街並 30号 http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s73090330 <関連メディカルニュース> Donepezil for the Treatment of Agitation in Alzheimer's Disease ドネペジルはアルツハイマー病患者の興奮を改善せず認知機能改善には有効 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200710/504370.html (「後で入力する」をクリックして下さい。) Treatment of Agitation in Alzheimer's Disease http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/357/14/1382 (NEJMに掲載された抄録です。) 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed (循環器科関係の専門的な内容)
by esnoopy
| 2007-10-23 00:13
| その他
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