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新型インフルエンザ対策

Nikkei Medical 2007.11の
  インフルエンザ治療 今年はどうする?
という特集からの紹介です。
大部分は先週紹介させていただきました。

新型対策が着々、迅速診断キットの開発も進む
北里研究所と阪大微生物病研究会が承認申請していた「沈降新型インフルエンザ
ワクチンH5N1」が10月19日、承認された。
新型インフルエンザに対する感染予防が期待される国内初のプロトタイプワクチンだ。

2000万人分ワクチン備蓄へ
承認前から備蓄が進められおり、すでに1000万人分が原液でメーカーに保管され
ている。
パンデミック(世界的な大流行)のリスクが高まったら、厚労省の指示で製剤化され、
医療従事者や社会機能維持者に優先的に接種される。
第1相試験で突発性難聴が1例あったが、ほかには重大な副作用は報告されておらず、
安全性は高そうだ。

現在、備蓄されているプロトタイプワクチンはベトナム株(クレード1)500万人分、
インドネシア株(クレード2)500万人分。厚労省はさらに備蓄を進める方針で、
中国株(クレード2)のプロトタイプワクチンを、ワクチンメーカーにとって製造の端境期
に当たる10月から3月まで作らせる。
ウイルスの増殖性にもよるが、来春には合計約2000万人分が備蓄できそうだ。
プロトタイプワクチンのウイルス株を多様化させているのは、どのウイルス株が新型
インフルエンザに変異するか分からないためだ。

鳥インフルのみ検出するキット
ワクチンと並んで、医師が気がかりなのは、新型インフルエンザの迅速診断キットの
開発状況だろう。
大阪府立公衆衛生研究所元副所長の奥野良信理事)、感染症部総括研究員の
高橋和郎氏らは、鳥インフルエンザウイルスを特異的に検出する迅速キットの開発
に成功。
体外診断薬としての承認を目指している。

鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスでは、核蛋白質のアミノ酸
配列が3%程度異なることに目を付け、鳥インフルエンザウイルスに特異的な
モノクローナル抗体を作製。
この抗体を利用した検査キットを開発した。

ヒトインフルエンザは「陰性」、鳥インフルエンザのみが「陽性」となる。
感度と特異性は、通常のインフルエンザ迅速診断キットと同等という。


<コメント>
医師は紛れもない医療従事者です。
優先的にワクチンを打っていただけることは有難いのですが、流行した際には矢面に
立たせられると思うと複雑な心境になります。

「社会機能維持者」・・・・こんな言葉があるとは。
どんな職種が該当するんでしょうか?事前に定義づけをしたら問題が起きそうです。
該当しない人は社会機能非維持者?
そして有事(?)の際には高齢者はどうなるんでしょうか?


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(一般の方または患者さん向き)
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by esnoopy | 2007-11-19 00:05 | 感染症
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