コーンバーグ博士については昨年(2007年)11月6日、7日の2日間にわたって紹介させていただきました。
奇しくもその時点ですでにお亡くなりになってみえたのです。(10月28日逝去) 11月16日の新聞記事から引用させていただきました。 生化学者、DNA研究でノーベル賞 アーサー・コーンバーグ この(2007年)7月、家族みんなで日本を訪れ、 懐かしく旧友と言葉を交わしていた。 若手研究者とにこやかに写真に納まっていたのが昨日のようだ。 「9月にお会いしたときも元気で、来年の90歳のお祝いを楽しみにしていたのに」とまな弟子の一人、新井賢一東大名誉教授。 呼吸不全で倒れて1週間で世を去った。 1959年、遺伝子の本体、DNAを複製する酵素の発見で、師の故セベロ・オチョアとノーベル医学生理学賞を受け、その後も遺伝子の試験管内合成や複製機構の解明で最先端を走った。 その一方、何人もの日本人を含む多くの弟子を育てた天性のメンター(導師)だった。 米国留学中、数分の講演を聴いてほれ込み、弟子となった早石修・大阪バイオサイエンス研究所理事長は「科学は知識を集積することではない、ものを理屈で考えることだ、と身をもって示した」という。 その精神は直接・間接に多くの日本人生化学者に伝えられている。 もしかすると、そばにいるだけで自然に科学ができるようになるのかもしれない。 家族も例外ではない。 幼い時から研究室で遊んだ長男ロジャーさん(スタン フォード大教授)は2006年のノーベル化学賞を受けた。 チェリストを指の故障で断念した次男トーマスさん(カリフォルニア大サンフランシスコ校教授)も生物学に転向、世界的な分子発生学者だ。 三男ケネスさんも建築家として大成した。 トーマスさんは「敵討ち」をした。 父のノーベル賞の対象となったDNA複製酵素は、後に複製の主役ではないとわかった。 授業で父の研究への悪口を聞いたトーマスさんは怒り、真の複製酵素を探し始め、3週間で見つけた。 結局、真の酵素も働きは原理的に父の酵素と同じだ った。 父は息子に感謝したに違いない。 7月27曰、京都で「酵素への愛」と題し研究を回顧した。 自ら最後の言葉との意味の「スワン・ソング(白鳥の歌)」と言っていたという。 朝日新聞・夕刊 2007.11.16 版権 朝日新聞社 <コメント> 私は昔、大学に勤務していたことがあります。 循環器内科でしたが、病院勤務からの転向だったので、どんな研究をしていこうかと四苦八苦していました。 研究テーマを自分で探すのに、学内図書館に通って調べることで一日過ごすような毎日でした。 テーマは勿論のこと、方法論ゼロからの出発。 「科学は知識を集積することではない、ものを理屈で考えること」という言葉にもっと早く出遭っていれば、と今更になって思う次第です。 博士のご冥福をお祈りします。 コーンバーグ博士 その1(1/2) http://wellfrog.exblog.jp/7536813 コーンバーグ博士 その2(2/2) http://wellfrog.exblog.jp/7536871 自分のよき師“メンター”を見つけよう http://allabout.co.jp/career/careerplanning/closeup/CU20040825A/ 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容)
by esnoopy
| 2008-01-08 00:03
| その他
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