閉経後女性の白血球数が乳がんなどの予測因子に

白血球数が多い閉経後女性は乳がんや肺がんなどの発症リスクが高く、
それによる死亡率も高いという論文が発表されました。
白血球数は種々ある検査の中で一番簡単といっていい検査法で、逆に軽視され
がちです。
喫煙で白血球が増加することはよく知られていますが、喫煙の有無の補正後も
有意に差が出たようです。

参考 Medical Tribune 2007.10.11

以下紹介させていただきます。

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 福田忠夫  花の小径  油絵 F10号
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WBC数から閉経後女性における癌および死亡率を予測
HealthPartners Research Foundation(ミネソタ州ミネアポリス)のDr. Karen L. Margolisはロイターヘルスに「安価な検査であることや実際に用いられている頻度
から考えると、疫学研究では白血球(WBC)数は思っているほど多く調査されていない」
と述べた。

Women’s Health Initiative(WHI:女性の健康イニシアチブ)研究グループの
Dr. MargolisらはWHIに登録された女性143,748名を対象に、ベースラインのWBC数
と新たに診断された浸潤性乳癌、大腸癌、子宮内膜癌、および肺癌との関係を調査した。
いずれもベースラインにおいて50歳〜79歳の閉経後の女性であり、癌は認められ
なかった。

交絡因子補正後、WBCの最高四分位の女性では最低四分位の女性より浸潤性乳癌
のリスクは15%、大腸癌のリスクは19%、子宮内膜癌のリスクは42%、肺癌のリスクは
63%高かったと、研究者らは報告している。

浸潤性乳癌、大腸癌、および肺癌による死亡率はWBCの最高四分位の女性間で高く
(最低四分位の女性と比べて)、これは非肺癌死亡率および全癌死亡率と同様であった
という。

http://www.kwn-rmn.jp/cgi-bin/taiho/news.cgi?mode=jpview&num=3292
Margolis KL,et al. Arch Intern Med 2007;167:1837-1844.
http://news.henok.jp/kiji/2007/10/wbcreuters.shtml

<コメント>
何故、閉経後女性なのかははっきりわかりません。発表がWomen's
Health Initiative Research Groupによってされたためかもしれません。
この傾向が閉経前女性ならびに男性にも敷衍出来るかは大いに興味
のあるところです。
悪性腫瘍で白血球が増加することは成書にも記載されています。
免疫機構と炎症は悪性腫瘍の病因と関係します。問題はすでに発症
(発生)しているためなのか、もしくは将来の発生の予知因子かという
ところです。
すでに「担癌(がん)状態」であるならば、CRP,hsCRPや血沈もこれらの
マーカーになるということになります。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)


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# by esnoopy | 2007-10-18 00:36 | その他

コレステロ−ルと脳梗塞

TC値が高いと、脳梗塞を発症した場合に比較的軽症ですむ、という興味深い発表がされ
ました。
発表者はデンマークのグループでStroke誌に発表されました。

Olsen TS,et al. Stroke 2007;38:2646-2651

同グループは、高コレステロール血症はおもに軽症の脳卒中と関係する(軽症脳卒中は
コレステロール値の高い人が多い)という仮説を検証するため、血清TC値と脳卒中の
重症度およびその後の死亡との関係を検討。

結果 略

結論

高いTC値は脳梗塞の重症度の低さと関連。
10年後の生存分析でも、TC値と死亡率との間に直線的な逆相関が認められ、血清
TC値1mmol/L(38.67mg/dl)の上昇により死亡リスクは11%低下(P=0.01)。

<コメント>
TC値と脳梗塞罹患率については述べられていません。
(原著ではどうかわかりませんが)
高TCが脳梗塞の危険因子であるならば、脳梗塞の発症予防にはTC値の低下
を図るためスタチンが必要となります。
しかし発症後はTCが高い方はいいとこの論文は言っています。
TC値の絶対値の記載がないため、脳梗塞対策にはどのくらいのTC値レベルがよい
のかは、この抄録からは判然としません。
一番知りたいところでもあります。

スタチン推進者が冠動脈疾患にのみ目を向けて、lower the better と声高々に喧伝
していることに対する警鐘と謙虚に受け取るべきかも知れません。
これらの(御用?)学者にも是非読んでいただきたいものです。
もっともこのデータは講演会では取り上げられないでしょうが。

実験データを統計処理するとき都合の悪い数値をカットすること。
これはデータ捏造といいます。
講演会で「スタチンは冠動脈疾患を減少させる、ないしは軽症化させる」といった内容を、
スタチンの一面だけとらえて強調し都合の悪い成績は話さない。
「コレステロールは低ければ低いほどいい」
こういうのは「木をみて森を見ず」といいます。

彼らを真の科学者といっていいのでしょうか。

参考 Medical Tribune 2007.10.11
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欧米の死因をみると、心臓病、なかでも動脈硬化が原因で起きる「心筋梗塞」等の
リスク(危険性)が大きくなることは、医学的にも証明されている。
一方、欧米とは異なり、日本では悪性新生物による死亡者がトップで、心筋梗塞と
脳梗塞(脳卒中の間違い?)を合わせた死亡者数の2倍以上にも達しているので
ある。
この死因の大きな違いは、日本の食生活が欧米と異なっているためといわれており、
外国のデータをそのまま日本人に適用せず、日本独自のデータが必要なことは
明白である。
つまり、日本人としては、「高脂血症」などを患っている方を除いては、動脈硬化の
予防だけにとらわれず、脳やガンについて考慮する必要があると言える。

「コレステロール研究所」
http://homepage3.nifty.com/takakis2/col.htm
                     から引用しました。
全くその通りだと思います。

高脂血症治療と脳卒中
http://square.umin.ac.jp/pb165/mito/sparcl06may.html
J-STARS(Japan Statin Treatment Against Recurrent Stroke)
http://jstars.umin.ne.jp/medical/outline/index.html
(脳血管疾患の再発に対する高脂血症治療薬HMG-CoA還元酵素阻害薬の予防効果
に関する研究 一部ログインが必要です。)
http://jstars.umin.ne.jp/medical/outline/index.html


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# by esnoopy | 2007-10-17 00:46 | 循環器科

椎間板ヘルニアの原因遺伝子発見

国内で100万人以上の人が悩まされている椎間板ヘルニア。
実はこのヘルニアの発症には遺伝子が関与しているとのことです。
椎間板ヘルニアの発症への関与が判明した遺伝子は二つ目で、予防や治療法の
開発につながると期待されます。

椎間板ヘルニアの原因遺伝子発見=コラーゲン作る働き?
理研など
2007年10月7日(日)
腰痛や座骨神経痛を招く椎間板(ついかんばん)ヘルニアの原因遺伝子の一つを、
理化学研究所と慶応大、富山大、京都府立医科大の研究チームが7日までに
発見した。
この遺伝子のDNA塩基配列が特定のタイプの場合、そうでない人に比べて
約1.4倍、発症しやすくなる。研究成果は発症の仕組みの解明や新薬開発に
役立つと期待される。

この遺伝子は、軟骨組織だけにある「11型コラーゲン」を生み出す遺伝子の一つで、
「COL11A1」と呼ばれる。日本人の椎間板ヘルニア患者の協力を得て、
この遺伝子のDNA塩基配列を調べたところ、特定の部位の塩基の種類が
チミンの人は、シトシンの人に比べ、11型コラーゲンを生み出す働きが
3分の2程度に低下し、約1.4倍発症しやすくなることが分かった。 
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/health/jiji-07X752.html

椎間板ヘルニアの原因遺伝子を世界で初めて発見
- 腰痛、座骨神経痛の治療につながる大きな一歩 -
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2005/
050502/index.html

(平成17年5月に「CILP」遺伝子が同じく理科研から発表されています。今回の
「COL11A1」遺伝子は2つ目ということになります。)


椎間板ヘルニアの新たな原因遺伝子「COL11A1」
- 腰痛、坐骨神経痛の病因解明に向けての新たな一歩 -
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/
071002/detail.html

腰椎椎間板ヘルニアの発生に影響を及ぼす要因は何か
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000045_0012.html
(遺伝的影響についても述べられています。)
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デュフィ Interior com Janelas Abertas
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<番外編>
Medical Tribune2007.10.11より
(第48回日本人間ドック学会)
●慢性腎臓病は頸動脈肥厚の危険因子
(喫煙により両者の関連がより顕著に)
健診受診の28%がCKDであった。
(eGFR60ml/分/1.73㎡未満または尿中アルブミン/尿中クレアチニン30mg/g
以上をCKDと定義)
●健診時の白血球数を禁煙活動に活用
CRP陰性患者で検討。
喫煙本数が白血球数に比例。
<コメント>
愛煙家の白血球やCEAが高いのは医師の間では常識です。
禁煙活動に活用というひねりが効いています。


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# by esnoopy | 2007-10-16 00:50 | その他

高尿酸血症の患者が来院した時

「健診の結果で尿酸が少しだけ高いといわれたんですけど?」
こんな患者さんが健診の結果票を持って来院されたら先生はどう対処されますか?
痛風の既往がなく他の検査項目でも異常なく体重も標準の場合。
私なんかほんとに困ってしまいます。
ビールを飲む男性なら低プリンの発泡酒を紹介するという逃げ道もあるのですが。

二次性高尿酸血症
http://wellfrog.exblog.jp/6660785/

血清尿酸値は慢性腎臓病の危険因子
●虎の門病院健康管理センターの辻医長、原部長らは、人間ドック受診者7万1,632例のデータから、尿酸CKD発症の独立した危険因子であり、血清尿酸値(UA)が7.1mg/dL以上群では5.1mg/dL未満群に比べCKDの発症リスクが1.59倍有意に増加することを発表した。
●Modification of Dietin Renal Disease(MDRD)簡易式による推算し球体濾過量(eGFR)と年齢および各種検査値との相関を検討。
●男女ともUAは血清クレアチニン、年齢、血清尿素窒素(SUN)に次いでeGFRと強く相関し、特に女性ではSUNに匹敵する強い相関を示した。
●UAの値により4群に分けた場合、UA値が低い群より高い群が順にCKDの発症リスクは有意に増加した。
結論:
UAは年齢、血圧、SUNなどとともに、CKD発症の独立した危険因子であった。
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出典
Medical Tribune 2007.10.11

簡易MDRD式
http://www7a.biglobe.ne.jp/~aijinkyo/ccr.htm
要旨
●正常高値の血清中尿酸値は高齢者における軽度認知障害のバイオマーカーであると思われる。
●軽度の尿酸値上昇がみられる高齢者において尿酸低下薬により虚血性脳疾患が減少したり、認知機能を改善したりすることができるかどうかについて検討する価値がある。
<コメント>
尿酸値の上昇が、腎機能低下に伴う尿酸の腎排泄低下(尿酸クリアランスの低下)によるとしたら、原因なのか結果なのかということになるような気もします。
尿酸クリアランスは検討してあるのでしょうか?

痛風クリアランス検査
https://ssl12.secureserver.jp/~higasigu/100/clearance02.htm
窒素・腎機能・痛風関連
http://www8.ocn.ne.jp/~snkulab/09sub.html

尿酸は強力な抗酸化物質
尿酸は、かつては代謝的に不活性なプリンの最終産物であると考えられていたが、現在では強力な抗酸化物質と認識されており、その血漿中濃度はビタミンC、E等の他の抗酸化物質の約10倍であると著者らは指摘している。
一部の研究では、尿酸には神経保護作用があり、アルツハイマー病等の神経学的疾患のリスクを低下させる可能性があることが示唆されている。
ハーバード大学公衆衛生学部の研究者らによる最近の研究では、高尿酸値とパーキンソン病(PD)リスク低下との間に関連が認められた。
この知見は究極的にPDの進行遅延に関係がある知見であるかもしれない(Weisskopf MG et al. Am J Epidemiol. 2007;166:561-567)。
 中略
一方で、尿酸値上昇は軽度であっても、軽度認知障害だけでなく、高血圧症、2型糖尿病、脳卒中、致命的心血管系イベントに関連がある。

ischemic burdenの増大と高尿酸値が関連
http://www.m3.com/news/news.jsp?pageFrom=m3.com&sourceType=SPECIALTY&articleId=57406&articleLang=ja
<コメント>
結局、尿酸が少し高めなのはいいことなのか悪いことなのか?
今までも尿酸については数多く語られて来ました。
高尿酸血症の方はどちらかというと肥満の方が多く、メタボリックシンドロームを介した間接的なリスクファクターと私自身は考えていました。
脂質異常症における中性脂肪にあたるとイメージすればわかりやすいか知れません。
いずれも脇役です。
上記の報告のように、尿酸が直接的にCKD発症の誘因となったり、逆に抗酸化作用、神経保護作用といった良い面があるということなら、臨床医としては、生命予後に関していいものか悪いものか(積極的に治療といった介入が必要か)どうかを早く結論づけていただきたいものです。

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# by ESNOOPY | 2007-10-15 00:27 | 高尿酸血症

肺がんの原因遺伝子

「がん」は細胞の設計図「遺伝子:DNA」の病気と考えられます。
そのがんの中でも肺がんは日本人の死因の男性で1位、女性で2位になっており、なおかつタチの悪いものということで、がんの中でも最も問題視されています。
年間約7万人が新たに肺がんに罹患し、約3割が転移や再発で亡くなっています。
肺がんのうち腺がんは男性の肺がんの4割、女性の7割を占めます。
腺がんはたばこを吸わない人でも発症する場合が多く、年々患者数は増加しています。

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きょうは肺がんの原因遺伝子について勉強しました。最近発表された研究2題の紹介です。

喫煙者の肺がん起こす遺伝子発見
喫煙者の肺がんの原因とみられる遺伝子を科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業の研究チームが突き止めた。喫煙者のがんの早期発見や、治療法の開発につながる成果として期待されている。

間野博行・自治医科大学ゲノム機能研究部教授らが見つけた遺伝子は、細胞の骨格タンパクを作るEML4と呼ばれる遺伝子の半分と、キナーゼ(タンパク質リン酸化酵素)を作る遺伝子の一種であるALK遺伝子という、異なる遺伝子の半分ずつが融合する異常によって生じていた。このEML4-ALK遺伝子は、日本人の肺がん症例の約1割に存在することが確認された。

肺がんの原因としてこれまで知られていた遺伝子異常は、非喫煙者に多く見られ、肺がん症例の多くを占める「喫煙による肺がん」については、どのような遺伝子異常があるか分かっていなかった。間野教授らの調査でも、新しく見つかった遺伝子を持つ患者群と、既知の遺伝子異常がみられた患者群とは、全く別のグループに分かれていた。

新しく見つかったがん遺伝子によってがん化した細胞にALKキナーゼ阻害剤を加えたところ、がん細胞が死ぬことが確認できたことから、ALKキナーゼ阻害剤が今回見つかったがん遺伝子によって起きる肺がんの治療法になる可能性も期待されている。

肺がんの原因遺伝子を発見
http://www.jst.go.jp/pr/info/info411/index.html(コピペでリンク願います。) 
(科学技術振興機構報 第411号)

肺癌の新規原因遺伝子の発見
http://igakujoho.jugem.jp/?cid=6

米大が初期肺がん再発リスクの予測遺伝子検査を開発
米Duke大学Medical Centerの研究グループは、初期肺がん患者の再発リスクを分類し、再発リスクが高く化学療法が必要な患者と、再発リスクが低く化学療法が不要な患者を区別する遺伝子検査を開発した。
研究グループは、開発した検査を用いることで、現在、化学療法がなされていない患者群に対して化学療法が導入でき、その結果、多くの患者の命を救うことができるとしている。
開発した検査は、患者の腫瘍細胞中の複数の遺伝子の発現レベルを、DNAチップを用いて測定するもの。
研究グループは、「Lung Metagene Predictor」と命名している。
今回の研究は、129人の患者の遺伝子を検査し、患者の実際の再発状況と比較した。
その結果、患者の再発リスクを90%の精度で予測することができたという。
成果は、New England Journal of Medicine誌2006年8月10日号に掲載された。
さらに研究グループは、今回開発した遺伝子検査の有効性を確認するため、6カ月以内に複数地域で、初期の非小細胞肺がんの患者1000人以上を対象とした臨床研究を計画しているという。
現在、がんの危険度の分類(ステージ)は、腫瘍の大きさ、リンパ節への浸潤の有無や他の臓器への転移の有無などを基準に決められている。
そして、そのステージに応じて治療方法が選択されている。初期の肺がんは、比較的リスクが低いがんと分類されているため、治療は手術のみで、化学療法は行われていないという。
しかし、今回の研究の代表者であるAnil Potti氏によると、リスクが低いがんと分類されているにも関わらず、初期肺がん患者の3分の1以上は再発に苦しんでいるという。
Potti氏は、「今回開発した検査で、これまで分類することができなかった初期肺がん患者のなかで再発リスクの高い患者を分類でき、積極的な治療を行うことが可能となった」と語っている。

http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/post_71(コピペでリンク願います。) 
(肺がんの約20%では、診断された時点ですでに遠隔転移が見つかっています。目に見えないレベルの微小ながん転移の存在はもっと多いと考えるのが妥当といわれています。)

<コメント>
2007年10月11日 朝日新聞夕刊に
「肺がん再発リスク予測 名大開発 細胞の遺伝子検査」という記事が出ていました。
腺がん細胞のうち、特定の82個の遺伝子の機能を解析することで、将来の再発リスクが高いかどうかを突き止めたという内容。

肺がんの克服を目指して、がんの知識・がんの情報広場
http://www.gan3.com/gan3/data15/data15.html

全国初!肺がん・膵がんを対象としたSMAP法遺伝子検査方法を外来で実施
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/070928.html
(持参した肺がん組織、リンパ節などの検体で検査。EGFR遺伝子変異検出によるイレッサ感受性検査。オーダーメード医療を目指す。)

「日本人の死因トップはがん、中でも肺がんが多い」知らない人は6割
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/04/6_29.html

日本における死因別死亡数
の動向予測
http://www.tokyo-eiken.go.jp/SAGE/SAGE2006/sage.html

高血圧治療のACE阻害薬に肺がん縮小効果:マウス実験で確認
http://medical-today.seesaa.net/article/37099235.html
(本題とは関係ありませんが肺がん関連の話題として紹介させていただきました。)

他にもブログがあります。
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# by esnoopy | 2007-10-13 00:23 | がん治療

ヘリコバクターピロリ菌感染と胃癌

最近、新聞などでヘリコバクターピロリ菌感染と胃癌に関する発表が
続きました。
このピロリ菌は細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となりうることが明らかに
なっている唯一の病原体です。
一方、ヘリコバクター・ピロリの除菌が広く行われだした頃から、
この治療を行った患者に食道炎や食道がんの発生が多いことが
報告されています。
本菌は胃に対して悪影響をおよぼす一方、食道に対してはむしろ
疾患を防御している可能性もいわれています。

きょうはそのピロリ菌と胃癌についての新知見を紹介をさせていただきます。


<ピロリ菌>感染持続のナゾ判明 東大チーム
50歳以上の日本人の半数が感染しているとされるピロリ菌が、胃の中で
感染を持続させる仕組みを、東京大医科学研究所などの研究チームが
解明した。
ピロリ菌は胃かいようや胃がんの原因になるとされる。
抗生物質による除菌以外の新たな治療法の開発につながる成果で、
11日発行の米科学誌に掲載される。
胃や腸の表皮細胞は絶えず自ら細胞死を引き起こし、2〜3日ごとに
新たな細胞と置き換わることで病原菌の感染から身を守る。
その中で、ピロリ菌が長期間、感染し続ける仕組みは謎だった。
笹川千尋・東京大医科学研究所教授(細菌学)らは、ピロリ菌に感染
したスナネズミでは、細胞死が通常の半分程度しか起きないことを発見。
一方、「CagA」というたんぱく質を作れないピロリ菌を作り、スナネズミに
感染させると、通常通り細胞死が起きた。
このため、ピロリ菌は胃粘膜にCagAを注入することで細胞死を抑制
していると結論した。
ピロリ菌の中には、薬に耐性を持つ菌も出始めている。
笹川教授は「細胞死を抑制する経路を断てれば、持続感染を防ぐ
新たな治療法への布石になる」と話している。
10月11日1時39分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071011-00000010-mai-soci

ピロリ菌の持続感染戦略を発見
(抗生物質とは異なる新しい治療法開発への布石)
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20071011/index.html
(上記の研究者によるサイトです。詳しく説明されています。)

早期のピロリ除菌、胃がん予防に効果 和歌山医大調べ
胃がんを引き起こすとされるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を、胃壁が
変化する「萎縮(いしゅく)性胃炎」発症の前にすると胃がんの予防効果
が高いことが、和歌山県立医大の一瀬雅夫教授(第2内科)らの大規模
な調査でわかった。
早期の除菌が有効であることを示すデータで、横浜市で開かれている
日本癌(がん)学会で3日、発表した。
萎縮性胃炎は、胃壁が薄くなり、胃酸の分泌が減る状態。ピロリ菌
感染者の約3割に見つかり、10年以上を経てがんになることが多い。
一瀬教授らは、1994年以降に、和歌山県で胃がん検診を受けた
40歳以上の男性で、ピロリ菌に感染した人のうち、4129人を約
10年間追跡し、胃がんの発症率などを調べた。
検診時に萎縮性胃炎と診断された人のがん発症率は、約2%で
除菌してもしなくても有意差はなかった。
診断されなかった人では、除菌に成功した人の発症率は0・62%と、
除菌しなかったか除菌に失敗した人の1・07%に比べ胃がんのリスク
が約40%減少した。
   (2007年10月4日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071004-OYT8T00066.htm

ピロリ菌感染で胃がん発症…日本人はなりやすい型
胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌に感染しても、胃がん
のなりやすさは遺伝子の型によって異なり、日本人の大半はなり
やすい型であることが、名古屋大大学院の浜島信之教授らの研究で
分かった。
同教授らは、ピロリ菌感染者が胃がんを発症する場合、胃粘膜の
萎(い)縮(しゆく)から胃がんへと段階的に進行することに着目。
感染者の日本人248人の遺伝子を調べ、委縮に移行した人
としていない人との違いを分析した。
その結果、「PTPN11」という遺伝子の一部の型が「GG」「GA」の人
は5〜6割の高率で胃粘膜委縮が起きており、「AA」の人では1割強
にしかみられなかった。
日本人の9割以上はGG型とGA型で、AA型は1割に満たず、
ピロリ菌感染から胃粘膜委縮に移行するリスクが高いことが示唆
された。
PTPN11の機能は分かっていないが、ピロリ菌に含まれる毒性の
強いタンパク質「CagA」との関連が示唆されている。
浜島教授は「遺伝子型の違いがCagAの働きに影響を与えている
のではないか。
いずれにせよ除菌はした方がいい」と話している。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_10/t2007100140.html


ピロリ菌は胃癌の最大原因
http://naisikyou.com/iii/ca2.htm
(ピロリ菌は「煙草なみの発癌物質 )
ピロリ菌の臨床研究の現状
・・・・・・困難な臨床介入試験
http://naisikyou.com/iii/tikenn.htm
ヘリコバクター・ピロリ
http://wkp.fresheye.com/wikipedia/ヘリコバクター・ピロリ?from=wikiclip
ピロリ菌
http://wellfrog.exblog.jp/7073379
c0129546_8232322.jpg

照沼 光治 舞雪
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<薬剤ニュース>
●バルトレックス錠500
水痘の適応が新たに加わりました。
「成人および体重40Kg以上の小児には1回1000mを1日3回
経口投与する。」
(帯状疱疹の場合と同じ投与量)
「成人の水痘の治療においては5〜7日間、小児の水痘の治療
においては5日間使用し、・・・」
(使用期間が成人と小児で異なります。)
●ダイドロネル錠200
重大な副作用の追加
顎骨壊死・顎骨骨髄炎(ビスフォネート系薬剤全般)
報告された症例の多くはビスホスフォネート系薬剤にて治療中
に抜歯などの歯科処置や局所感染に関連して発現しており
特に抜歯した場合にその部位付近で発生しています
ビスホスフォネート系薬剤には注射剤と経口内服剤があり 
顎骨壊死・顎骨骨髄炎は癌患者に投与される注射剤での報告
が多くを占めていますが まれに経口剤でも報告されていること
があります。
 顎骨壊死・顎骨骨髄炎のリスクとしてビスフォネート系薬剤
の投与の他にも下記の因子が考えられます
悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、
口腔の不衛生、歯科処置(特に抜歯)
<新聞広告より>
経鼻内視鏡の一面広告で内視鏡ビデオのサイトが紹介
されていました。
http://and-fujifilm.jp/stomach/index.html
当院でも導入を迷っているところです。
結構多い鼻咽頭の愁訴の患者さんに対して鼻咽頭ファイバー
的な応用が出来るのも魅力と思っています。
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# by esnoopy | 2007-10-12 00:38 | 消化器科

肥満のままで糖尿病を改善へ

肥満のままで糖尿病を改善へ   筑波大がマウス実験
肥満になっても脂肪の質を変化させれば糖尿病になりにくいことを、
筑波大大学院の島野仁准教授(内分泌代謝学)らが動物実験で
突き止めた。米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。
糖を体内に取り込むインスリンの働きが、肥満や脂肪の増加によって
妨げられるのが糖尿病の原因の一つとされる。
研究チームは、通常のマウスと、脂肪のもとになる脂肪酸の一種
を合成する酵素を遺伝子操作で欠損させたマウスを、体脂肪率
40%まで太らせて脂肪肝にしてみた。
通常のマウスの肝臓ではインスリンの働きを助けるたんぱく質が
減り、働きを妨げるたんぱく質が増加。高血糖など糖尿病につな
がる恐れのある症状が出た。
問題の酵素を欠くマウスは、インスリンの働きが適正体重の時と
ほぼ同じだった。
島野さんによると、この酵素がないと脂肪の質が変化して、
肝臓にたまってもインスリンの働きを妨げずにすむらしい。
運動や食事制限をうまく実行できない糖尿病の患者に対し、
この酵素を邪魔する治療法も考えられる。
島野さんは「ダイエットが難しくても、糖尿病への効果が期待
できそうだ」という。
2007年10月04日12時31分
http://www.asahi.com/life/update/1004/TKY200710040173.html
(ニュースサイトのため将来的にリンクできなくなります。
全文掲載させていただきました。)
<コメント>
他のサイトではこの研究での酵素が「Elovl6」であることが
紹介されていました。

研究グループは、体内で糖から脂肪を作る際、脂肪酸を構成する
炭素分子の鎖を長くする酵素「Elovl6」に着目。遺伝子組み換え
によりこの酵素を欠損させたマウスで実験したところ、肝臓で短い
脂肪酸が増え、脂肪の質が変わった。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200710010186.html
ELOVL6 Gene Card
http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=ELOVL6
c0129546_8235491.jpg

P・アイズピリ カンヌのテラス リト【石版】
http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g60031559


“肥満により引き起されるインスリン抵抗性における長鎖脂肪酸
伸長酵素Elovl6の重大な役割
http://www.md.tsukuba.ac.jp/clinical-med/endocrinology/research/Research%20FACE%20detail.html
近年、脂肪酸-糖代謝のホメオスタシスに破綻をきたした病態
としてメタボリックシンドロームが注目されています。 
高脂肪食を中心とする食生活の変化や運動不足といった現代
社会を背景として引き起されるこの病態は、糖尿病や虚血性
心疾患の原因となり、そのメカニズムの解明と予防・治療法
の開発は重要です。 
組織内に脂質が過剰に蓄積するような病態がインスリン作用
不全を引き起こすという「脂肪毒性」という概念が提唱される
ようになり、脂肪酸の摂取量や組織における蓄積量(量的変化)
が生活習慣病病態に及ぼす影響に関しては多くの研究が
なされています。 
しかしながら、脂肪酸の組成の変化(質的変化)が生活習慣病
病態に及ぼす影響やそのメカニズムに関しては未だ未解明な
部分が多く残されています。

中略

上述のように、脂肪酸組成の変化がエネルギー代謝の重要な
決定因子であることが明らかになりましたが、その詳細な
メカニズムについては不明な点が多く残されています。 
現在、細胞が脂肪酸組成の変化を感知してエネルギー代謝を
制御するメカニズムと生活習慣病発症のカギを握る脂質
メディエーターの解析を精力的に行っています。
またこの酵素の欠損が高血圧や動脈硬化性疾患にどのような
影響を及ぼすのかについては今後のさらなる解析が必要
となります。 
さらにこの脂肪酸の質的変化は食欲、嗜好性、行動、意欲など
にも影響を与えることがわかり、代謝と脳、行動という新しい
連関についても検討しています。

以上は

肥満により引き起されるインスリン抵抗性における長鎖脂肪酸
伸長酵素Elovl6の重大な役割
http://www.md.tsukuba.ac.jp/clinical-med/endocrinology/research/Research%20FACE%20detail.html

からの引用させていただきました。
中略の部分にElovl6ノックアウト(KO)マウスを用いた研究の
内容が紹介されています。
ここにも今年のノーベル生理医学賞のノックアウトマウスの手法
が用いられています。
肥満のままで本当にいいんならやせれない人に(もし薬剤が開発
されれば)とりあえず薬でもということになりそうですが、
いずれにしても肥満はよくありませんよね。
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# by esnoopy | 2007-10-11 07:44 | 糖尿病

2007年ノーベル医学生理学賞

2007年のノーベル医学生理学賞受賞者が発表されたというニュースはもう既に皆様ご存知の通りです。
ニュースのウェブは将来アクセス出来なくなるためドキュメントしておきたいと思います。

さて昨日は「インスリン発見を1ドルで売ったバンティング」というタイトルで1923年にノーベル医学生理学賞を受賞したバンティングにまつわるエピソードを奇しくも紹介させていただきました。
http://wellfrog.exblog.jp/d2007-10-09

「奇しくも」というのもこの時期にノーベル賞の発表があることを知らなかったからです。
まさに偶然のタイミングだった訳です。
そしてもう一つ。
実は私にとってのもう一つの偶然があります。
それは今、「脳卒中ラット(SHRSP)」「高血圧自然発症ラット(SHR)」を開発された家森 幸男先生の著作を読んでいるところだったからです。

今110歳まで生きられる!  脳と心で楽しむ食生活
家森幸男 著  生活人新書  日本放送出版協会 発行


ISHスペシャルインタビュー
高血圧診療の温故知新◆家森 幸男氏
脳卒中発症ラットを開発、予防に生かす
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ish2006pre/interview/200609/501402.html

2007年ノーベル医学生理学賞受賞者3人の横顔
 
2007年のノーベル医学生理学賞は、特定の遺伝子の機能を失わせた「ノックアウトマウス(knockout mice)」の作成に成功したマリオ・カペッキ(Mario Capecchi、米国)、オリバー・スミシーズ(Oliver Smithies、米国)、マーチン・エバンス(Martin Evans、英国)の3氏に贈られることが決定した。

マウスの胚(はい)性幹細胞の遺伝子を操作して、ヒトの病気を複製した実験用マウスを作成する方法を発見した功績が認められた。ノックアウトマウスは実験用モデルとして、アルツハイマーやガンの原因解明や新薬の実験などに利用される。

この発見は専門的には「ジーンターゲッティング(gene targeting、遺伝子を標的とすることの意」と命名されているが、通常は「遺伝子ノックアウト」と呼ばれる。

エバンス氏(66)は授賞に、「子どものころからの夢がかなった」と喜びを語った。
ナイトの称号を持つエバンス氏は、英カーディフ大学(Cardiff University)生物科学研究所の所長で教授(哺乳類遺伝学)も務めており、「英国の研究がこういう形で評価されたことをうれしく思う。科学分野で最高の栄誉を受け大変幸せだ」と語った。
(エバンス氏:マウスの胚性幹細胞という様々な組織に成長できる万能細胞を開発した。)

イタリア生まれのカペッキ氏は米ユタ大学(University of Utah)の教授(人類遺伝学・生物学)で、6日に70歳の誕生日を迎えたばかり。授賞は「この上ない栄誉だ」と語り、今後の抱負を述べた。

「現在の生物学研究はすべてマウスを使っている。今後は、この技術をマウス以外の生物にも応用できるかどうか研究したい。ヒトの免役システムはどうやって病気と闘っているのか。生物間で免疫システムの働きに違いはあるのか、違いがあるとしたら、それはどのようなものか。そういったことを解明していきたい」

カペッキ氏は第二次世界大戦中、故郷イタリアのベローナ(Verona)で母親がナチスの秘密警察に逮捕され、ダッハウ(Dachau)の強制収容所に送られたため、路上で物乞い生活を強いられた。

英国生まれのスミシーズ氏(82)は、幼いころ漫画で読んだ発明家にあこがれて研究者になったという。現在は米ノースカロライナ大学(University of North Carolina)の教授(病理学)。
(カペッキ氏とスミシーズ氏:細胞内の特定の遺伝子の機能を止める技術を開発。)

目下、腎臓の機能を研究しており、受賞の理由となった研究を利用して、遺伝子を矯正しヒトの治療に役立たせたいと語った。

2007年10月09日 18:28 
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2295439/2225047
What is gene targeting?
http://ko.cwru.edu/services/targeting.html
Gene targeting
http://en.wikipedia.org/wiki/Gene_targeting
(wikipediaに早くも2007年のノーベル医学生理学賞受賞者3人が紹介されています。)

Knockout mouse
http://en.wikipedia.org/wiki/Knockout_mice
Knockout Mice
http://www.genome.gov/12514551
マウスおよびラット系統の命名法に関する規則と指針
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalas/pdf/iczn.pdf
生殖研究モデルラット
http://reproduction.jp/jrd/jpage/vol48/480201.html
(自然発症ミュータント、人工的誘発ミュータント、さらには育種開発された疾患モデルについてもポジショナルクローニングあるいはポジショナル候補遺伝子探索法により、表現型(疾患)を逆の方向から遺伝子に結びつけることができる。ゲノム解読情報と遺伝解析ツールの整備は、主たる原因遺伝子のみならず修飾遺伝子の同定をも可能にするであろう。そこで、今、古くて新しいテーマである「疾患モデルラットの開発」が見直されるようになったのである。)

審査員によると、ノックアウトマウスは実験用モデルとしてアルツハイマーやガンの原因解明や新薬の実験などに利用される。
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リャド『スタット公園の庭』 シルクスクリーン
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p83775337?u=;meiseiitou60

現在では、マウスの遺伝子のほぼ半数に当たる一万の遺伝子についてノックアウトマウスがつくられ、遺伝子の機能を調べる方法として定着。ヒトの病気のモデルマウスも約五百以上できており治療法開発や生命科学の基礎研究に欠かせない実験手法となっている。
がん研究に不可欠
【勝木元也・自然科学研究機構理事(発生工学)の話】遺伝子の働きを個体レベルで見えるようにした、飛び抜けてオリジナリティーの高い研究をした三人だ。特定の遺伝子をつぶすノックアウトマウスは、免疫学や神経学、とりわけがんの研究では、なくてはならないものだ。画期的研究で、みんなこの三人がもらうと予想していた。(今回の受賞は)遅かったぐらいだ。
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007100902054891.html
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          朝日新聞 朝刊 2007.10.9
他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室  http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed
(循環器科関係の専門的な内容)
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# by esnoopy | 2007-10-10 00:49 | その他

インスリン発見を1ドルで売った男

インスリン発見を1ドルで売ったバンティング

ちょっと古い医学雑誌を整理していたら面白い題の
医学史の話が目に入り思わず読んでしまいました。
ちょっと紹介させていただきます。
(一部省略)

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尾作貞子  バラ
http://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/101792256

1921年5月16日、トロント大学のネズミの出没する
薄暗い研究室で、29歳の無名の外科医フレデリック・
バンティングは研究を始めた。
相棒はまだ22歳の医学生チャールズ・ベストであった。
主任教授のマクラウドはすでに避暑にでかけ、10匹の
犬とわずかな器材が彼らに残されていた。
やがて許された8週間の期限である7月中旬になった
が、二人の努力にもかかわらず有効な膵エキスは
得られなかった。
バンティングは前の年に、トロントから数百マイル
離れたオンタリオ州ロンドンで開業した。
しかし、1か月後に得た収入は4ドルだけで、
フィアンセも去って行った。
向学心の強いバンティングは、知人の紹介でロンドン
大学の生理学助手となり、秋に学生の指導をする
準備として図書館で膵臓のことを調べていた。



膵臓と糖尿病への感心が消えかけていた10月30日、
バンティングは患者の来ない診察室で図書館から
借りた新着の医学雑誌を読んでいた。
雑誌にはミネソタ大学病理のバロンが、膵臓結石の
ために外分泌部が萎縮した症例を報告して、動物の
膵管をしばっても同じことが起こると報じ、
この現象と糖尿病との関係を示唆していた。
バンティングは、バロンの論文から激しい啓示を
受け取った。
「バロンの論文を読んで私は眠れなかった。
膵島細胞と糖尿病との関係を、膵管を結紮して
抽出することによって攻めて行く手段もあるように
みえた。
夜中の2時まであれこれ考えて、そのアイディアを
実験計画の形に結晶させることができた。
深夜に起き出して私はノートに書いた。”犬の膵管
を結紮せよ。6ないし8週間、変性を待て。残った
膵臓を取り出して抽出せよ”」
1920年11月、バンティングは中古のフォードを
駆って母校トロント大学に向かった。
生理学のマクラウド教授は糖代謝の権威であった。
マクラウドにしてみれば、一介の外科医バンティング
に何ができるかと、一蹴したのは当然である。
不屈の3度目の要請で、マクラウドは自分が夏休み
に行くので、8週間、研究室と10匹の犬を使う許可
を与えた。


c0129546_739391.jpg

約束の8週間が7日ほど過ぎた7月27日、
バンティングとベストは犬の血糖を低下させる
抽出液を手にした。
そして8か月後の1922年1月11日には、糖尿病の
少年に試用して成功した。



バンティングらは、この巨額の利益を生む発見を
1ドルでトロント大学に売った。
それから20年、1941年の冬。
バンティングを乗せた双発の爆撃機はイギリスに
向かう途中ニューファンドランドの森林に墜落した。



インスリン発見後70余年、アイディアに取り憑
かれた好漢バンティングもベストも今は亡く、
インスリンの発見をめぐる人間的葛藤(注)も
雪原の彼方に消えつつある。

(注)マクラウドは、留守で結果的には何も関与
しないうちにインスリンが発見されて、発見の
プライオリティをめぐりバンティングとの間に
埋めようのない亀裂を生むはめとなった。
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1924年にジャマイカで野口英世と会ったバンティング。
野口博士が左手を隠しているのが印象的です。

出典
「医道そぞろ歩き」二宮陸雄
medicina33:3 1996-3

インスリンの発見物語
http://members.jcom.home.ne.jp/3220398001/discovary/index.html
インスリン物語
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=233840
「インスリンの発見」を読む
(二宮陸雄先生が書かれた本で先生の略歴
が紹介されています。)
http://ykkyy.exblog.jp/5860204/
Banting House National Historic Site
http://www.diabetes.ca/Section_About/BantingIndex.asp
(バンティングが住んだ家が記念館となっていて
写真も載っています。)
インスリン誕生の地   バンティング・ミュージアム
のご案内
http://www.dm-net.co.jp/column/jun15/jun15.htm
ジョン・ジェームズ・リッカード・マクラウド
http://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ジェームズ・リッカード・マクラウド
(インシュリンの発見はバンディングによるものであり、
バンディングはマクラウドとの共同受賞に激怒した
といわれる。
バンティングはベストと賞金を分け合い、マクラウドも
インシュリンの精製に功績のあったコリップに賞金の
半分を与えた。)
20年の謎、インスリンの鍵穴
http://www.kek.jp/newskek/2006/sepoct/insulinreceptor.html
(最近、長年謎だったこのインスリン受容体の
立体構造がオーストラリアの科学者のグループ
によって初めて明らかになりました。)

<コメント>
マクラウドがノーベル賞に値するのかは興味の
あるところです。
また医学生ベストがどの程度のことをしたのかも。
いずれにしろインスリン発見で4人がノーベル賞を
受賞したことは、当時いかにエポックメーキングな
ことであったかがわかります。

<コメント>
以前、湯川秀樹博士が中間子理論を考えつく前後
の日記が出て来たことを報じた新聞記事がありました。
新しい発見には何らかのエピソードがあるものですね。

湯川秀樹『創造的人間』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0828.html

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# by esnoopy | 2007-10-09 00:25 | 糖尿病

インフルエンザの流行阻止

いよいよインフルエンザワクチン接種の時期になって来ました。
毎年のことですが、厚労省や専門家の勧奨もあって私達開業医
は患者さんにワクチン接種を勧めます。
毎年、ワクチン製造株は少なくとも7月には公表されワクチン
メーカーのパンフも早々と配布されます。
そして年明けの1月より流行が始まります。
そして「先生のところでワクチンを打ったんですけど
インフルエンザにかかっちゃいました。」
「うーん、そりゃ悪かったねえ。予防効果も100%というわけにゃ
いかないし、きっと軽く済むよ。」って会話が診療現場で繰り返される
わけです。
毎年不思議でしょうがないのは、 あれだけ大々的に製造株が
公表されながら、そのオフシーズンに実際の流行株がなんだったか
、つまりあたったのかはずれたのかが我々には知らされない
ないことです。
厚労省のホームページ(非常にわかりづらい)や国立感染症研究所の
を見ても出ていません。

その件については見落としているかも知れないのでご存知の方
はコメントをお待ちしています。

「先生、今年のワクチン効かないですね。はずれだったんですか?」
「さあ、私達はただ打って、かかっちゃった人には誰かの代わりに頭を
下げて謝るだけですから。」っていうことになります。
なんだか不条理です。

つい最近には、効くかどうか分かんないワクチンなんか打たなくても
かかったらタミフルをすぐにでも飲めばその方がいいんじゃないか
とも考えたこともありました。
しかし昨今のタミフル禍。
患者さんは勿論インフルエンザ難民ですが、われわれ医療側も
難民なんです。

厚生労働省:健康:結核・感染症に関する情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html
国立感染症研究所 感染症情報センター<インフルエンザ>
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/index.html

NEJMの最新号に、インフルエンザの流行をいかにして阻止するか
という論説が掲載されています。
Volume 357:1439-1441 
October 4, 2007 Number 14 4, 2007
Influenza — The Goal of Control
http://content.nejm.org/cgi/content/full/357/14/1439
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和田悟筆 油彩画 「薔薇」
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h54688629

<医療ニュース2題>
75歳以上に「主治医」制度 診療報酬骨子まとまる   2007年10月05日
来年4月に発足予定の75歳以上の後期高齢者向け医療保険について、
社会保障審議会の特別部会は4日、独自の診療報酬体系の骨子
をまとめた。
治療が長期化したり、複数の病気にかかったりしていることが多い
75歳以上の特性を踏まえ、患者の心身を総合的に診る「主治医」制の
導入や、退院後の生活を見越した入院治療計画作り、在宅医療での
介護・福祉との連携などを盛り込んだ。
今後、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)
で診療報酬の具体的な内容や単価の検討に入る。
06年の医療改革で、75歳以上は国民健康保険など、従来の医療保険
とは別の新たな公的保険に加入し、診療報酬体系も別建てにすることが
決まっている。
最大の目玉は、外来医療における「主治医」制の導入。
(1)患者の病歴や他の医療機関での受診状況を把握する
(2)患者の状態を年に1回程度総合的に評価する
(3)専門治療が必要な時には医療機関を紹介する
、などの条件を満たした場合、その医師に対する診療報酬を手厚くする。
患者一人ひとりが信頼できる医師を持つことで、複数の医療機関を渡り
歩いて検査や投薬が重複することを防いだり、外来医療から入院、
在宅療養へ移ることをスムーズにしたりする狙いだ。
ただし、すべての高齢者に主治医を持つことを義務づけるわけではなく、
どの医師を選ぶかも患者の意思に委ねられる。
主治医としての診療報酬は、患者が何回受診しても同額となる「定額制」
を導入する見通しだ。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040329.html
<コメント>
後期高齢者医療の在り方に関する特別部会名簿
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1005-4a.pdf
いつも思うのですが、こういった部会の構成メンバーはどうやって
決まるんでしょうか。
そして彼らは医療現場をどれだけ把握しているのでしょうか?
もしこのメンバーで「後期高齢者医療」が決まるとすれば、これじゃあ
国の施策というよりも「丸投げ」ではないんでしょうか?
そして誰もその結果には責任を取らないという巧妙な図式が出来
上がるというわけですか。
今後の医療現場では「主治医」の売り込み、抱え込みといった
地獄絵が待ち受けているかも知れません。

肺がん発見率9割 血液検査で精度3倍 
東大医科研   2007年10月04日
血液検査で肺がんを高精度で見つける新たな腫瘍(しゅよう)マーカー
の組みあわせを、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの
醍醐弥太郎・准教授らが開発した。
発見率は約9割で、いま診療で主に使われている3種類に比べて
1.5〜3倍高いという。
また、手術後の経過を予測する組織検査の組み合わせも考案しており、
肺がんの早期発見や術後の治療法選択に役立ちそうだ。
横浜市で開かれている日本癌学会総会で5日、発表する。
肺がんで死亡する人は年に5万人を超え、がんによる死亡で最も多い。
早期発見が難しく、発見時にはすでに悪化していて手術不可能な例
の多いことが一因という。
醍醐准教授らのグループは、肺がん細胞で特異的に作られる
たんぱく質で、血中に分泌されているものを複数見つけた。
このうち二つと、肺がんの指標として従前からあるCEAというマーカー
を加えた三つの組み合わせで、肺がん患者と健康な人の血清を
対象に検出精度を確かめた。
その結果、肺がんの8割余りを占める非小細胞肺がんの場合、
89.1%の感度で検出できることが分かった。
小細胞肺がんの場合も、別の三つのマーカーの組み合わせによる
血液検査で87.5%の検出率だった。
さらにグループは、肺がんは同じ早期で手術をしても、経過に差
があることに着目。
術後5年以上追跡している約400人の患者の肺がん組織を分析し、
特定のたんぱく質三つがいくつ検出されるかで、「5年後の生存率
が8割程度」と経過の良い場合から、「生存率2割程度」と悪い場合
まで4段階で判別できる方法を開発した。
経過が予測できれば、抗がん剤などの治療方法や開始時期の
選択に役立つ。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040170.html
<コメント>
以前、喀痰細胞診で肺がんと診断がついて専門病院へ紹介
しましたが、部位診断に1年近くかかった症例を経験しました。
腫瘍マーカー陽性(?)で肺がんではない(見つからない)症例も
ありうるわけですね。
腫瘍マーカーを診断に用いる場合には、感度や特異度を十分
理解して利用することは勿論ですが。

以上ニュース記事のため全文掲載させていただきました。

循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きは
「ふくろう医者の診察室 」http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
があります。
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# by esnoopy | 2007-10-06 00:49

新糖尿病薬

現在、2型糖尿病に対する経口血糖降下剤としてはスルフォニル
尿素剤、ビグアナイド剤、グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系
インスリン感受性改善剤、速効型インスリン分泌促進剤があります。
それぞれ一長一短といったところです。
勿論、血糖を下げればそれでいいというわけではありません。
結果として、合併症を減らし、何よりも生命予後を改善する薬剤
でなければなりません。
それぞれの薬剤が理論的にかなり深く解明されているとはいう
ものの、振り返ってみると意外とエビデンスが少ないという印象
を持ちます。
私自身、元循環器専門医としては、興味の中心はどうしても降圧剤
などの循環器領域の薬剤となります。
これらの薬剤はこれでもかというぐらいに臨床試験が新たに企画され、
結果の発表も目白押しです。
そのような薬剤と比較して、ということですから糖尿病専門医の
先生のご機嫌を損ねたらごめんなさい。

さて、先生方もご存知のようにピカ新の糖尿病新薬が新たに加わる
見通しのようです。
第50回日本糖尿病学会学術集会のシンポジウムからの紹介です。
早く上市されることを期待したいと思います。
 

話題の糖尿病新薬は「日本の2型患者にとって福音」

糖尿病の新たな薬として注目されているGLP-1誘導体や
DPP-4阻害薬は、特に日本人の2型糖尿病にとって大きな
福音になる——。
5月24日、仙台で開かれている第50回日本糖尿病学会学術
集会のシンポジウム「新しい治療法GLP-1」で、座長の一人
である東京女子医大糖尿病センター長の岩本安彦氏は、
こう締めくくった。

このシンポジウムでは、日本で進行中の臨床試験については、
残念ながら発表はなかった。
しかし海外での臨床試験によれば、GLP-1誘導体やDPP-4
阻害薬には、血糖降下作用があり、低血糖が起こりにくいことや
膵臓のβ細胞を保護し増生することも分かっている。
また、食欲を抑制し体重減少効果があるなど、抗糖尿病効果
が高いことが認められている。

最初に登壇した秋田大内科教授の山田祐一郎氏は、これまで
の知見を俯瞰した上で、「インスリン分泌不全や膵臓のβ細胞
の減少が主な病態である日本人の2型糖尿病では、GLP-1
誘導体とDPP-4阻害薬の双方とも治療薬として有望である」
と言及。
一方、「米国人のようにインスリン抵抗性あるいは肥満が主な
病態である欧米人の場合は、GLP-1誘導体の方が有用だろう」
との見解を示した。

「マイナス面を強いて言えば高価なことぐらい」(発表者の一人)
との声もあるほど、これら新薬への期待は高い。
日本では現在、万有製薬や小野薬品工業をはじめ、ノバルティス
ファーマやグラクソ・スミスクラインなどが開発に取り組んでいる。
2〜3年後とみられる日本での上市が待たれるところだ。
     (日経メディカル オンライン)

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平山郁夫 水彩画/風景「蘭州」
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k45077986

第50回日本糖尿病学会年次学術集会より
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200705/503313.html
血糖値とともに脂肪の値を低減/Ⅱ型糖尿病の新薬「ERGOSET」
http://cliplife.jp/clip/?content_id=g331yuas


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# by esnoopy | 2007-10-05 07:46 | 糖尿病

アセトアルデヒドは発がん物質?

最近、飲酒と発がんの報告が散見されます。
タバコの害のキャンペーンがアルコールに飛び火した
感もあります。
アルコールはたしかに発がんのトリガーと考えることも
できるでしょうが本当に疫学的にもそうなのか?
愛飲家はたしかに男性に多いわけですから男性の平均
寿命を下げているのか(酒飲みは早死か)?
非常に気になるところです。
(つまりがん死亡のみならず総死亡も?)
最近の報告を少しアップしてみました。

内容をそのまま掲載するのは本意ではありませんが、
ニュース記事のためアクセスが今後出来なくなるという
ことでそのまま出させていただきます。


飲酒後すぐ赤くなる人・膵臓がんリスク1.5倍

酒を飲むと顔がすぐに赤くなる体質の遺伝子を持つ人は、
そうでない人より膵臓がんになるリスクが約1.5倍高いことが、
愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の松尾恵太郎
主任研究員らの調査で分かった。10月3日から横浜市で
開かれる日本癌学会で発表する。
飲酒と肝臓がんや食道がんの関連性は既に知られているが、
遺伝子型に絡めて飲酒と膵臓がんとの関係が確認されたのは
初めてという。
松尾研究員らは、飲酒後に体内でアルコールが分解
されてできる有害物質アセトアルデヒドの代謝能力が、
3タイプある遺伝子型によって
(1)正常(2)低い(3)ほとんどない
—と違うことに注目。
2001—05年に膵臓がん患者138人と、がんでない690人
を対象に、遺伝子型や飲酒量を比較調査し、
年齢や生活習慣を加味して膵臓がんのリスクを計算した。
その結果、日本人の約5割を占めるとされるアセトアルデヒド
を正常に代謝できる人に比べ、約4割の人は代謝に時間
がかかるため、飲酒で顔が赤くなりやすく、このリスクが
1.52倍だった。残りの1割の人は代謝能力がほとんどないが、
酒も飲めない体質のため、リスクは1.09倍にとどまった。
また、正常に分解できない2タイプの人は日本酒換算で
1日1合アルコール摂取が増えると、リスクが3割増すという。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070927STXKD042826092007.html

"乳がん、飲酒でリスク拡大 酒の種類問わず 米民間調査"
米保険大手カイザー・パーマネンテが発表した調査結果によると、
女性が毎日飲酒した場合、乳がんになるリスクが拡大する
傾向が確認された。酒の種類を問わず、健康に良いとされる
赤ワインでも発生率が高まった。
調査は約7万人(うち2829人が乳がん発病)を対象に実施。
ワインなどを毎日3杯以上飲む女性の乳がん発生率は、
ほとんど飲まない女性より30%高かった。
同社研究員は「毎日3杯以上の飲酒が乳がん発生率拡大
につながるのは、毎日1箱以上の喫煙が肺がん発生率拡大
につながるのと似た関係にある」と警告した。
毎日1、2杯飲酒する女性の乳がん発生率も10%高かったため、
家族に乳がん患者がいる場合などは飲酒習慣に注意が必要
だと助言した。
飲酒と乳がんリスクの関連性は指摘されてきたが、血圧低下
などの効果がある赤ワインは例外との意見もあった。
しかし、今回の大規模調査で、赤ワインやビール、ウイスキー
の間に違いはなく、アルコール摂取量が発がん率を左右する
傾向が分かった。ただ、リスクを高める原因は未解明という。
http://www.asahi.com/health/news/JJT200709280008.html

赤ワインが前立腺がんの予防に効果=米の研究
米アラバマ大学バーミングハム校の研究で、赤ワインに
含まれているポリフェノールの一種のレスベラトロールが、
前立腺がんに効果があることが分かった。
レスベラトロールを与えたオスのネズミの実験で、
危険な前立腺がんの発生が87%も抑えられた。
また、レスベラトロールを与えられたネズミはがんになった
としても、その腫瘍は与えられなかったネズミに比べてより
小さく、進行が抑えられたという。
赤ワインに含まれるレスベラトロールには強力な化学的
予防効果があり、心臓病などに良いとされているが、
研究者はこの研究によって、もう一つの効能が付け
加わったとしている。
また、同大学の昨年のメスのネズミを使った実験で、
乳がんになる危険を減らすとの結果も出ている。
問題は、今回の実験ではオスのネズミに人間が1日に
ボトル1本を空ける量に匹敵するレスベラトロールが
与えられたこと。
研究チームは今後、人間の前立腺がんに効果をもた
らすにはどれくらいの量が必要かを調べる研究を行う
という。
研究者は、その結果が出るまでは、男性は1日に
ワインをグラス2杯、女性は1杯にとどめ、そのほかに
レスベラトロールを含むブドウ、ラズベリー、ブルーベリー、
ピーナッツなどを食べるのがいいだろうと述べている。
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_sci&k=20070910014193a

アセトアルデヒドは、ヒトリンパ球を使った変異原性試験
において染色体異常が報告されています。人の発がん性
に関しては十分な証拠がなく、国際がん研究機関(IARC)
ではこの物質を2B(人に対して発がん性があるかも
しれない)に分類しています。
 なお、日本人の飲酒と発がん性の関係を検討した疫学調査
においては、飲酒によって血中アセトアルデヒドの濃度が高い
と食道がん発生に重要な役割を果たすことが強く示唆されて
おり、食道以外の部位の発がんに対しても役割があると
報告されています。
http://www.env.go.jp/chemi/communication/factsheet/data/1-011.html

化学発がん因子(アセトアルデヒド)、物理発がん因子
http://www.pref.gunma.jp/c/02/eikanken/houkoku/tokubetu16-3.pdf
<コメント>
私の興味はただ一つ。
愛飲家の私としては、タバコと同じように、適度でもアルコールが
「発がん」を含めて、諸悪の根源だと決めつけられる日が
間近いのかということ。
不治の病にかかった時。
医者の不養生といわれることには覚悟が出来ていても、
酒が好きだったからと言われるのは・・・。
今のところ健康のために飲んでいるんですけど。

諸兄はいかがですか?


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井藤雅博10号 台形の屋根のある運河 油絵画
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(一般の方または患者さん向き)
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# by esnoopy | 2007-10-04 00:10 | 消化器科

高齢者に対する抗コリン剤投与

抗コリン作用のある薬剤は意外に多いものです。
市販の薬にももちろん含まれており一般の方の注意も必要です。
しかしわれわれ医師もうっかり処方してしまったり、すでに処方し
ていてその副作用に気づかないままでいる場合もあると思います。

「高齢者に対する抗コリン剤投与」という題のついた解説が目に
止まりました。
少し紹介させていただきます。

●高齢者で錯乱や腎不全を生じている症例では、まず薬剤性を
否定する必要がある。
●高齢者における眠剤投与は利益より弊害が大きい場合がある。
ベンゾジアゼピン系薬による睡眠時間の増加は平均約25分。
倦怠感(3.8倍)、認知障害(4.8倍)のほか転倒リスクも増加する。
●抗コリン作用のある薬剤も副作用として口渇、尿閉、発汗、
便秘はよく知られているが、高齢者では錯乱や認知機能の低下
を生ずることがある。
●60歳以上のコホート研究で、軽度認知障害(MCI)は抗コリン
作動薬服用群で80%、抗コリン作動薬非服用群で35%という
報告がある。
●医師の間で、数多くの薬剤が抗コリン作用を有しているという
ことが十分に理解されていない。
●抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤、制吐剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、気管支拡張剤、
パーキンソン病治療薬、ステロイド、潰瘍治療薬、抗精神病薬、
利尿剤など

<参考資料>
Medical Tribune 2007.8.9
c0129546_757517.jpg

児玉幸雄 パリの街』 リトグラフ
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c122894744?u=;meiseiitou60

“ありふれた薬”に意外なリスク 抗コリン剤を継続使用の高齢者、8割に軽度認知障害
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/421457.html
本当にご法度?「緑内障患者に抗コリン薬」
意外に多い投与可能例、まずは眼科医に相談を
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200705/503193.html
緑内障
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/3788465.html(抗コリン作用を有する薬剤が紹介されています。)
高齢者の服薬上の注意
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec02/ch014/ch014a.html前立腺肥大症における禁忌薬
http://www.okusuri110.com/kinki/shipeikin/shipeikin_02.html
緑内障における禁忌薬
http://www.okusuri110.com/kinki/shipeikin/shipeikin_01.html“ありふれた薬”に意外なリスク 抗コリン剤を継続使用の高齢者、8割に軽度認知障害
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/421457.htmlNon-degenerative mild cognitive impairment in elderly people and use of anticholinergic drugs: longitudinal cohort study
http://www.bmj.com/cgi/content/abstract/bmj.38740.439664.DEv1
緑内障
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# by esnoopy | 2007-10-03 00:05 | その他

医療ミスについて

○○県がんセンター 検体取り違え肺切除
50歳代男性、後遺症

医療ミスがあった愛知県がんセンター
○○市の○○県がんセンター病院」で2005年5月、同市内の50歳代の
男性患者を肺がん患者と取り違え、肺の一部を摘出していたことが
28日、分かった。
男性には、激しい運動が出来なくなるなどの後遺症が残っている。
担当医が、検査のために摘出した肺組織を、別の患者のものと
取り違えたのが原因。
同病院はその後、チェック体制の強化など再発防止策を取っているが、
男性の意向でミスを公表していなかった。
病院などによると、男性は肺がんの疑いがあるとして○○市内の別の
病院の紹介で、05年1月、がんセンターでの受診を始めた。
同年4月下旬に入院し、手術するかどうかを決める組織検査を受けた
結果、5月9日に悪性腫瘍(しゅよう)と診断され、同月25日に右肺上部
3分の1と周辺のリンパ節を切除する手術を受けた。
ところが、切除された肺を調べたところ、既に治った古い結核細胞が
見つかったものの、肺がんではなかったことが分かった。
切除された肺と、組織検査で採取されていた肺組織とが異なっていた
ことから、担当医が、男性の肺組織が採取されたプレパラートと、
別の患者のプレパラートを取り違えていたことが原因と判明した。
別の患者の手術は、男性の後に予定されていたため、取り違いに気付き、
影響はなかったという。

被害男性 病院の対応に憤り
がん医療の拠点施設として、最先端の治療が行われている病院で、
一つ間違えれば命にかかわりかねない単純なミスが起きていた。
男性には手術後、激しい運動が出来なくなったり、肩が上がらなくなる
などの後遺症が残った。
ミスの直後に、病院側は男性と家族に謝罪し、経緯を説明した。
しかし、肺の一部を切除したことについては、「結核細胞が、
がん細胞化する可能性があり、組織検査が正しくなされていても、
肺の切除は行った」と強調。
男性に対して、手術費や入院治療費は請求しなかったが、
男性が求めた慰謝料の支払いには応じていない。
男性は、「ミスを認めておきながら、『結核が取れたから良いでしょう』と、
慰謝料の支払いなどに応じなかった病院側の対応は、極めて不誠実だ」
と憤りを隠さない。

○○県がんセンター 検体取り違え肺切除
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/070929_1.htm?from=goo
<コメント>
「結核細胞が、がん細胞化する可能性があり、組織検査が正しく
なされていても、肺の切除は行った」 ・・・ ちょっと苦しい説明です。

○○がんセンターで患者取り違え手術、肺の一部摘出も生命別条なし
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050923ik01.htm?from=goo
<コメント1>
この○○県では、以前同じく(他の)県立病院で胃がんの手術をして、
その摘出標本から腫瘍細胞が見つからず訴訟になったことがあります。
昔なら病理の結果まできちんと説明せずに「悪いところは完全に取っと
いたからもう大丈夫だよ。病理もそれほど悪いもんじゃなかったよ。」
で済んでいたんじゃないんでしょうか。 
隠し事やウソは絶対にいけないということでしょうが、公立病院という
ことで事実を告知したんだろうかと考えてしまいました。
個人病院なら訴訟に持ちこたえることが出来るでしょうか。
今でもアッペンノルマーリス(正常虫垂)の手術はあると思うのですが
どのように術後に説明しているのでしょうか。

いずれにしてもミスはありうることですが、あってはならないことでも
あります。

<コメント2>
私の親族がある県立がんセンター乳がんの疑いで
吸引細胞診を行い乳がんと診断され手術が決定しました。
ある事情もあって、私の伝手(つて)で都内の乳がん専門医
(いわゆる全国で一二の名医)に手術をお願いしました。
術前に件(くだん)の病理組織をチェックされ、どうやら
良性らしいという判断をされたようです。
そんなこともあって手術は腫瘍摘出だけの段階で凍結切片
(術中迅速診断)の病理検査にまわされました。
術中の病理の結果で良性という診断となり、最小の手術で
数日後には退院となりました。
もちろんその後の病理の結果も良性でした。
このまま前医で手術になっていた場合に、術後に良性であった
旨告知していただけたのでしょうか。

術中迅速診断
http://www.iams.or.jp/news/jinnsoku.html
術中迅速検査
http://www.ntmc.go.jp/kensa/02_byori/byori4.htm乳がん術中に適用するセンチネルリンパ節分子診断検査が
米国で承認獲得
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/post_505.html

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シャガール「Daphnis And Chloe」
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d78799543

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# by esnoopy | 2007-10-02 00:18 | その他

タクティールケア

昨夕のニュース番組の特集で認知症の方に対するスエーデンの
取り組みが紹介されていました。
見られた方も多いのではないでしょうか。
番組の中での主人公はグスタフ・ストランデル氏。
日本にタクティールケアを紹介しようとやって来た日本語
ペラペラのスエーデン人です。
要するに、認知症の方に接する時に手を握ったり背中を
なでたりすることによって介護の効果を上げるという、いわば
補完医療です。

日本でも昔から言う「手当」や、日野原重明先生の日頃の診察法と
何ら変わることはないのです。
私達も可愛がっている犬や猫に自然とやっていることですし、
そして恋人達も・・・。

今後増加する認知症の方に接する時には是非試みたいと
思っています。

対象を間違えると医業停止処分になりますからご注意を。

詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
target="_blank">http://www.jsci.jp/news2.html
タクティールケア
http://www.kaigoyobou.org/ninchi/sweden03.html
タクティールケア
http://www.clubeko.com/taktil.htm
認知症高齢者との「タクティールマッサージとは」
http://fukushi-sweden.net/welfare/kaigonosikata/2007/taktil07.01..html

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ベルナール・ビュッフェ アンリ二世橋 リトグラフ
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<番外編>
昨日届いたAstellas Square2007.10-11月号にこんなサイト
の紹介がありました。

急性腹症のオンラインケーススタディ集
急性腹症のCT演習問題
http://www.qqct.jp/中部徳州会病院のホームページに収載されている(急性腹症のCT演習問題サイト。)

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# by esnoopy | 2007-10-01 00:38 | その他

タミフルの脳への興奮作用、ラットで実証

インフルエンザワクチンの受付が始まりました。
10月中旬より各地で接種が始まりました。
診断が確定してからの治療については頭が痛いところです。
新聞でタミフルに関する記事が載っていましたので紹介させて
いただきます。

タミフルの脳への興奮作用、ラットで実証 
米の邦人教授 2007年09月29日
インフルエンザ治療薬タミフルに脳細胞を興奮させる作用があることを、
米ワシントン大学(ミズーリ州)の和泉幸俊教授(精神医学)らがラットを
使った実験で初めて明らかにした。
内容は10月9日発行の医学専門誌「ニューロサイエンス・レターズ」に
掲載される。
タミフル服用と異常行動の関係については、タミフルを飲んだ10代の子
が自宅マンションから飛び降りて死亡するなどの問題が相次いだ。
和泉教授らは、ラットの脳から取り出した神経細胞を、タミフルと、
タミフルが体の中で分解された時にできる薬効成分のOCBという
化学物質の水溶液にそれぞれ浸した。
すると、どちらも約10分後に神経細胞の活動が過剰に盛んになった。
各薬物を洗い流した後も、40分以上神経細胞の興奮は続いた。
タミフルそのものよりも、OCBの方が約30倍も作用は強かった。
人間で未成年に異常行動が相次いでいるため、今回は思春期前の
子どもに相当する生後1カ月の幼いラットの神経細胞を使った。
また、エフェドリンという風邪薬に含まれる成分や、アルコールを、
タミフルと同時に幼いラットに摂取させると神経興奮作用が強まる
こともわかった。
脳には、血中の物質を脳内に通すかどうかを選別する血液脳関門
という脳を守る特別な機能があるが、エフェドリンやアルコールは、
血液脳関門のガードを緩めることがわかっている。
和泉教授は、思春期前の子では血液脳関門の機能が未熟であることや、
ガードを緩める作用があるものと一緒に飲むことで、タミフルが関門を
すり抜けて脳に到達し、神経細胞に作用するのではないか、
と推測している。

タミフル輸入販売元の中外製薬広報IR部の話 現在、厚労省の指示
に従いながら、タミフルや代謝産物が血液脳関門を通るかどうかなど
の基礎研究を進めているところだ。

朝日新聞 朝刊 2007年09月29日 
http://www.asahi.com/health/news/TKY200709290068.html
時間経過でアクセスできなくなりますので、全文掲載させていただきました。
<コメント>
国内ではタミフルの単独服用での報告がかなりあったのではないか
と記憶しています。
併用薬との因果関係についての検討は厚労省ではどうだったのでしょう?

血液脳関門
http://ja.wikipedia.org/wiki/血液脳関門
薬物の血液脳関門および血液脳脊髄液関門透過機構の解明、および
脳内動態予測法の確立
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~sugiyama/Research/research2.html 
[解説]タミフル服用後に死亡例
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20051119ik02.htm
タミフルで異常行動から事故死、突然死
http://www.npojip.org/sokuho/051118.html
リン酸オセルタミビル(タミフル)と突然死、異常行動死との関連に
関する考察
http://www.npojip.org/sokuho/no59-1.html
タミフル問題資料編(2)・12人の死亡例
http://river-side.at.webry.info/200512/article_7.html
薬害 タミフル脳症被害者の会
http://www.tamiflu89.sakura.ne.jp/tamiflu.html
http://www.tamiflu89.sakura.ne.jp/

(サイトが偏ってしまったかも知れません。ご容赦ください。)
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# by esnoopy | 2007-09-30 00:54 | その他

ピロリ菌

いまさらピロリ菌というところですが、胃がんとの関連の話題になると
どうしても気になってしまいます。

まずは、9月27日の新聞に載っていた記事の紹介から。

ピロリ菌感染で日本人96%が胃がんリスク・名大教授ら調査
日本人はヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると胃がんになりやすい体質
であることが、名古屋大学の浜島信之教授(予防医学)らの研究でわかった。
日本人とブラジルに住む日系人約1500人の遺伝子を解析、96%が感染
によって胃がん発症リスクが高まる遺伝子タイプだった。10月3日から
横浜市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
塩分の取り過ぎや喫煙などでも胃がんになりやすくなるとされている。
胃がん予防に対するピロリ菌の除菌効果について医師の間でも意見が
分かれているが、浜島教授は「日本人は積極的に除菌した方がよい」
と話している。
研究チームは、名古屋市に住む成人450人の遺伝子を調べた。
細胞の信号伝達にかかわる特定の遺伝子の型が「AA」だと1〜2割弱
にしか胃の粘膜萎縮が見られなかったが、「GA」や「GG」の人には5〜6割
の高い確率で萎縮が起きていた。
「AA」型の人は全体の4%しかおらず、96%が「GA」または「GG」型だった。
食事など生活環境の違うブラジルで暮らす日系人約1000人の遺伝子を
調べたところ、同様の傾向が見られた。
人の胃の中でだけ繁殖するピロリ菌に感染すると、しばしば胃の粘膜が
萎縮を起こし、胃がんになる危険が高まるとみられている。
日本人の多くがピロリ菌に感染すると胃がんになりやすい遺伝子を持って
いると考えられるという。
日本は世界の中でも胃がんの発生率が高い。
推定では84歳までに男性の8人に1人、女性の21人の1人が胃がんになる。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070927AT1G2700I27092007.html
(日経新聞・夕刊 2007.9.27)
<コメント>
新聞記事のため、今後アクセス不能になります。したがって全文掲載させていただきました。

<コメント>
結局諸外国と比べてはどうなんでしょうか?
それにAA,GA,GGといわれてもピンと来ません。
齢を重ねたへそ曲がり医者の興味は別のところにあります。
それは学会発表前に、どのような経緯で新聞などのマスコミに伝わるか
ということです。
マスコミは専門家ではないわけだから、学会発表後でも、どの発表が
価値あるものであるかはわからないはずです。
ましてや学会発表前にどうやって知るのでしょうか?
ここから先は想像になってしまうので書くのは問題があります。
是非知りたいところです。
どなたかご存知の方は是非コメント下さい。
お待ちしております。
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中島千波「不二」大判リトグラフ・エディション
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c157427357

胃炎を起こすピロリ菌の祖先は、深海の微生物?
http://www.asahi.com/science/update/0703/TKY200707030392.html
(大反響を呼んだみたいでネットで一杯出て来ます。
塩分摂取と胃がんとピロリの関係まで仮説を広げてしまいそうです。)
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沖縄の深海から採取、培養された微生物=海洋研究開発機構提供

ノーベル生理学・医学賞 ヘリコバクター・ピロリ菌
http://www.yamaguchi.net/archives/001999.html
塩分の取りすぎは H.ピロリ菌の毒性を増加させて胃ガンのリスクを高める
http://www.rda.co.jp/topics/topics2752.html
ピロリと胃がんの関係
http://www.mmjp.or.jp/kawakami-clinic/kensin/pylori2.htm
(ピロリ菌は、胃の細胞に『CagA』というたんぱく質を注入するのだそうです。
 胃の細胞に入った『CagA』は、細胞の増殖に関係する『SHP-2』という
たんぱく質と結合し、『SHP-2』を活性化させるのだそうです。
 『SHP-2』が活性化された結果、増殖促進力が強まり、胃の細胞が異常に
増殖し、遺伝子の複製を繰り返し、遺伝子変異が生じて胃がんが発症
すると考えられるとのことです。それにしてもピロリ菌は、なぜ胃の細胞に
『CagA』を注入するのでしょうか?。ーーーブログからの引用)
塩基配列
http://www.biotech-house.jp/glossary/glos_57.html
SNP
http://www.jaclap.org/LabCP/p46.html

他にもブログがあります。
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# by esnoopy | 2007-09-29 00:54 | 消化器科

レビー小体型認知症(DLB)

きょうは認知症の中でレビー小体病(DLB)について勉強してみました。

レビー小体病(レビー小体型認知症、dementia with Levy bodies ,DLB)
は一次性認知症ではアルツハイマー病に次いで多い病気です
(一次性認知症の約2割)。
このDLBには種々の病型があり,また老人性変化が混在する通常型とそれを
伴わない純粋型に区別され,臨床診断は容易でなことが少なくありません。

男性は女性より約2倍多いと言われています。
病理学的には大脳皮質の多数の神経細胞内にレビー小体という特殊な
構造物(封入体)が出現します。
レビー小体(Lewy Body)とは、元々は運動障害を主な症状とする
パーキンソン病の脳の中の中脳と言われる部分にたまった異常な構造物
をさす言葉ですが、レビー小体型認知症の患者さんの脳では、これが
認知機能を司る大脳皮質にも広く見られることから命名されました。

パーキンソン病でも病状が進んだ結果、大脳皮質に多数のレビー小体が
出現することがあります。一方、びまん性レビー小体病の患者さんでも、
パーキンソン病の症状が全くなく、別の症状を呈している場合があります。

1.レビー小体型認知症の症状
1)認知障害と精神症状
この病気はもの忘れもあり、一見アルツハイマー病に似ていますが。
特徴的なのは、とても生々しい幻視((天井の模様が虫に見える、
樹木の幹が人に見える)がみえることです。
第日によって症状に変動(良かったり悪かったり)があり、
正常に思えるときと様子がおかしいときが繰返しみられます。
(2)運動機能障害
歩きにくい、動きが遅い、手が不器用になる など、パーキンソン症状
がみられることがあります。
アルツハイマー型認知症の患者さんと比べて転倒の危険が高く、
また、寝たきりにもなりやすいといえます。
(3)自律神経障害
自律神経の障害を伴う点も特徴的です。このため、便秘や尿失禁
が目立ちます。
強い立ちくらみ(起立性低血圧)や頻尿を呈している場合もあります。
起立性低血圧がひどい場合には失神を起こす場合があり、
これが原因で立位歩行が困難な程度になる場合もあります。

2. 治療
レビー小体型認知症の治療は抗精神薬による精神症状のコントロールと
運動症状に対する抗パーキンソン病薬、自律神経障害に対しての血圧
コントロールなどになります。レビー小体型認知症の患者さんでは抗精神薬
への反応が過敏である事があり、少量より時間をかけて試みる事が必要です。
向精神薬は運動症状を悪化させる作用があるものが多く、逆に
抗パーキンソン病薬は精神症状を増悪させる事があるため、薬剤調節は
難しい場合があります。
アルツハイマー型認知症の治療薬が効果的な場合もあり、試みられる
こともあります。

以下引用です。
『DLBではアセチルコリン(ACh)の起始核であるMeynert基底核に
レビー小体が出現し,神経細胞の変性・脱落がADよりも強く,
大脳皮質のACh濃度もADより低いことから,ADの治療薬である
アセチルコリン・エステラーゼ(AChE)阻害薬がADよりも効果的で
あることが想定された。
(途中略)
 ドネペジルのDLBに対する効果の報告が最近増えているが,
まとまった報告はない。
ドネペジル5〜10mg/日をDLB9例に投与し,7例で認知障害が
改善したが,3例でPD症状が悪化したとの報告がある。
リスペリドンとの併用による効果も報告されている。
AD12例,DLB4例にドネペジル5mg/日を投与し,DLBでは
ADよりMMSEが著明に改善したとの報告や,ドネペジルを12週間
用いた9例のうち7例で認知障害が改善したとの報告がある。
ドネペジルが認知障害に効果があった症例報告もされている。
日本神経学会治療ガイドライン
痴呆疾患治療ガイドライン
http://www.neurology-jp.org/guideline/dementia/3_08b.html

適切な治療を受けると見違えるほど元気になる患者さんもおられるので、
専門医に相談することが大切です。
また、この病気で注意が必要なのは、幻覚があるからと安易に神経遮断薬
を使うと、認知症やパーキンソン症状が悪化しやすいことです。
レビー小体病の患者さんの物忘れは、アセチルコリンの低下が関与
しているため、これを増加させる治療を行うと物忘れが改善する点で、
早期に正確に診断することで、治療効果が期待できる疾患ともいえます。


<コメント>
ドネペジル(商品名アリセプト)はレビー小体型認知症(DLB)には
保険適応はありません。


<検査>脳MRIを用いた脳容量測定や脳血流シンチグラム、脳波、
            心臓神経シンチグラム

脳血流検査ではアルツハイマー病に似た特徴(頭頂葉・側頭葉の血流低下)
に加え、視覚に関連の深い後頭葉にも血流低下がみられます。

認知症のよりよい理解のために
http://www.pref.shiga.jp/e/seijin/kakuka/03/files3n/tihou_main.htm

レビー小体病
http://www18.ocn.ne.jp/~utano/pdcenter.files/DLB.htm
診断のための検査
http://www18.ocn.ne.jp/~utano/pdcenter.files/examination.htm
(パーキンソン病やレビー小体病の診断には病気の経過、
診察所見に加え、
MRIやMIBG検査などが参考になります。)
コウノ博士の認知症大講議!
http://www.kyowa.or.jp/info/series_lecture/sl13.html
http://www.kyowa.or.jp/info/series_lecture/lecture.html
http://www.kyowa.or.jp/info/chihou_sodan/index.html(レビー小体認知症の認識の歴史が書かれています。わかりやすく
ユニークな語り口です。)
レビー小体型認知症 【幻覚、特に幻視・錯視が現れる】
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000300/hpg000000263.htm
日本神経学会治療ガイドライン
痴呆疾患治療ガイドライン
http://www.neurology-jp.org/guideline/dementia/3_08b.html

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横山申生 早春のモンタルジー・フランス M10号 
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h54450283

くどいようですが最後に「まとめ」です。
LBD(lewy body dementia)の3つの特徴
1.アルツハイマーと似た痴呆症状
・時間と場所の認知障害
・気分、態度の変化
・判断力、分別、見識の減少
・独創力、統率力の欠如
・注意力散漫、記憶の混乱
2.パーキンソンに似た症状
・筋肉の収縮
・ゆっくりとした動作、凍ったような姿勢
・バランスの悪さ、ひきづるような足取り
・手足の震え
・猫背の姿勢
・嚥下困難、弱々しい声
・気絶、卒倒
3.その他の典型的な症状
・幻覚(幻視、幻聴、等)
・無反応
・無秩序な態度
・錯乱
・睡眠障害、せん妄
・自律神経の機能障害(便秘、血圧の変動、失禁、性的機能障害)
・日内変動が激しい


びまん性レビー小体病
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%D3%A4%DE%A4%F3%C0%AD%A5%EC%A5%D3%A1%BC%BE%AE%C2%CE%C9%C2


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(一般の方または患者さん向き)
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# by esnoopy | 2007-09-28 00:29 | その他

アスピリンによる大腸癌抑制

アスピリンの長期投与によって大腸癌抑制の発生を抑制することができるかどうか?

アスピリンを処方されている先生方は勿論、脳心血管系疾患で服用されている患者
さんには多いに興味の湧くテーマです。
大腸がんが増加しつつある日本でも看過できないテーマということで国内で試験が
始まるようです。
まずは海外の論文の紹介をしてみます。
結論としてはある程度の投与量が必要で、その量では癌抑制は出来ても副作用も
出てしまうということのようです。
意味合いは異なりますが、ある意味での「アスピリンジレンマ」ということが出来ます。


●大腸がん予防におけるアスピリンの効果を評価し、より高用量を長期間摂取すると、
大腸がんリスクは半減することを示した。一方で、消化管の大出血のリスクは2倍
になるという。
●直腸がんについては有意な効果は認められなかった。
●有意なリスク減少は、服用が10年を超えた時点で見られるようになった。
アスピリン、より高用量の長期使用で大腸がんリスクが低下する
ただし消化管出血リスクは上昇——米国の研究
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200508/394239.htmlJAMA 2005年8月24/31日
Long-term Use of Aspirin and Nonsteroidal Anti-inflammatory Drugs
and Risk of Colorectal Cancer
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/8/914
●300mg/日以上のアスピリンを約5年間使用すると、10〜14年後の大腸癌
リスクは、アスピリン非使用者に比べ74%も低くなる
●一般に、腺腫性のポリープが癌化するまでに10年以上かかることに注目、
20年以上にわたって追跡する無作為化試験を2件行った
アスピリン300mg/日を5年使用すると大腸癌リスク7割減
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200706/503391.html(Lancet誌2007年5月12日号)
「Long-term Use of Aspirin and Nonsteroidal Anti-inflammatory
Drugs and Risk of Colorectal Cancer」
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/8/914
http://kumanichi.com/iryou/kiji/cancer/10.html

●独バイエルグループのバイエルヘルスケア社は、鎮痛剤アスピリンの
有効成分であるアセチルサルチル酸を、定期的に服用した大腸がん患者
の再発率と致死率が有意に低下した、と発表した。
研究結果は5月の米国がん治療学会(ASCO)で発表されたが、同学会
ではアスピリンの大量投与が、放置するとがんになるタイプの大腸ポリープ
の罹患(りかん)率を下げるという報告もあった。
● アスピリンは既に大腸がんや膵臓(すいぞう)がん、乳がん、肺がんなど
さまざまながんの予防効果があるという研究成果が報告されている。

アスピリンで大腸がん進行抑制
http://kumanichi.com/iryou/kiji/cancer/10.html
(熊本日日新聞2005年7月27日付「夕刊メディカル」)


●大腸がん予防の目的でアスピリンを長期間服用した場合、予防効果より、
その数倍も消化管出血の副作用の危険がある
10年以上にわたりアスピリンを1日2錠(成分量325ミリ・グラム)以上服用
した女性は、服用しない女性に比べ、大腸がんになる確率が53%低かった。
しかし1日1〜2錠を服用した場合は22%の低下にとどまり、服用量が少ない
ほど効果は小さかった。
試算では、大量服用で1〜2人の大腸がんが予防できた場合、8人に深刻な
消化管出血が起きる可能性がある

アスピリンの大腸がん予防、効果上回る副作用
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050905ik03.htm

●これまで、アスピリンが大腸がん発症予防に有用かどうか、海外で複数の
臨床試験が行われているが、結果はさまざま。そこで、厚生労働省第3次
対がん総合戦略研究事業の一つとして、大腸腫瘍患者を対象にアスピリン
を投与する、日本で初めての試験が行われることになった。

アスピリンによる大腸がん予防試験がまもなく開始
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/news/post_176.html<コメント>
2年間の投与後、2〜3年追跡とのこと。短期間の試験のためはたして
結果はどうでるか?


●2007年5月に、アスピリンによる大腸癌の抑制に関する論文が、NEJMと
ランセットにそれぞれ載った。
Aspirin and the Risk of Colorectal Cancer in Relation to the
Expression of COX-2. N Engl J Med 2007;356:2131-2142
アスピリンの常用により,COX-2 を過剰発現する大腸癌のリスクは低下するが,
COX-2 発現の弱いまたは認められない大腸癌のリスクは低下しないとの
結論が得られたとのこと。

Effect of aspirin on long-term risk of colorectal cancer:
consistent evidence from randomised and observational studies.
Lancet 2007; 369:1603-1613

45歳以上の健康な女性を対象にしたWomen's Health Study WHSでは、
否定的な結果が出ている。
Low-dose aspirin did not prevent cancer in healthy women.
ACP Journal Club. 2006 Jan-Feb;144:8.
Cook NR, Lee IM, Gaziano JM, et al. Low-dose aspirin in the primary
prevention of cancer: the Women's Health Study: a randomized
controlled trial. JAMA. 2005;294:47-55. [PubMed ID: 15998890]

NEJM, Lancet拾い読み
http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/clnjc.htmlという過激なサイトを見つけました。とても小気味よい切り口です。
論理の展開が難しくて私には理解出来ないところが多々ありますが。
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# by esnoopy | 2007-09-27 00:35 | 消化器科

ジュースでアルツハイマー病のリスク軽減

フルーツジュースや野菜ジュースをよく飲む人は、アルツハイマー病
の発症リスクが大幅に低いことが示された。ジュースを週1回未満
しか飲まない人に比べ、週3回以上飲む人ではアルツハイマー病の
発症率が76%低く、週1〜2回飲む人でも16%低いという。

この知見を報告した米Vanderbiltバンダービルト大学(テネシー州)
医学部助教授Qi Dai博士によると、これは抗酸化物質の中でも特に
強力であるポリフェノールによる効果だという。ポリフェノールは果物や
野菜の皮の部分に含まれ、実を丸ごと絞ればジュースにも含まれる。
これまでアルツハイマー病に関する生化学研究では、脳に形成される
アミロイド-β(ベータ)蛋白(たんぱく)の蓄積に焦点が当てられ、
抗酸化物質がこれを防ぐ可能性について検証されてきたが、抗酸化物質
であるベータカロテンなどには効果が認められなかった。

以下略

(HealthDay News 8月31日)
米医学誌「American Journal of Medicine」2006年9月号に掲載。
http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2006/2006091104.shtml
<コメント>
この研究はKame Project(カメ・プロジェクト。カメが長寿であることに
ちなんだ命名)というそうで親近感を持ちますね。
この調査はおよそ2,000人というある程度の母集団を10年間追跡して
わかったもので、被験者の集団が大きいこと、また長期に及んでいること
から、調査結果は信頼性が高いと考えられます。
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野菜ジュースがアルツハイマー病予防に効果
http://www.yukan-fuji.com/archives/2005/07/post_2872.html
<コメント>
2005.7にすでに同様の報告が国際学会でされています(南フロリダ大学
の研究チーム)。上記のニュースは米Vanderbiltバンダービルト大学
(テネシー州)ということなので別の研究の模様。
このサイトではポリフェノール効果、カロチノイド効果についても書かれて
います。


アルツハイマー (2)—ブレイン・フード
http://www.wakagaeri.com/library/navi/contents/0692.html
アルツハイマー病、脳血管障害などの原因究明と予防薬や治
療薬の開発
http://resweb2.jhk.adm.fukuoka-u.ac.jp/FukuokaUnivSeedsPdf/3350/SEEDS.pdf?P=2007-09-03%2002:07:11
(アルツハイマーに関してはいろいろの食品が取り沙汰されています。)

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# by esnoopy | 2007-09-26 00:42 | その他

慢性腎不全患者の蛋白制限は本当に有効か?

今や腎臓病の領域はCKD一色です。
当地での毎月のようにCKDに関する研究会が開催されています。
また心腎連関もトピックスです。
なんだか腎臓病学会と高血圧学会と循環器学会と糖尿病学会
の相乗り、もしくは相互乗り入れの感があります。
開業医が腎不全患者に直面して一番困惑するのは食事指導です。
蛋白制限が有効と従来教えられ、そのままそのことを信じていれば
何の問題も起きません。
蛋白制限は無効かも知れないという雑音(?)を耳にした途端、
自分の食事指導は正しいのだろうか、患者さんの食事の楽しみを
無駄に奪ったりしてないだろうかと悩んでしまうのです。

さて、2007年7月に入手した「CKD診療ガイド」には「蛋白質摂取制限
(0.8〜0.6g/kg/日)はステージ3以上においてCKDに有益である」
と明記されています。
病期3は換算GFR値30〜59mL/分/1.73㎡に相当します。裏を返せば
病期ステージ1、2では蛋白制限は不要ということにもなります。

たまたま昨日「日本医事新報No.4352 2007.9.22」が郵送
れてきました。
「腎不全の食事療法−最近の知見」という総説(p53〜58)が載って
いましたので読んでみました。
例によって1982年のBrennerらの「hyperfiltration theory
(糸球体過剰濾過仮説)」の紹介から始まっています。
しかし、その後の話の展開がどうも歯切れが悪いのです。

少し紹介させていただきます。

「米国ではMDRD研究(Modification of Diet in Renal Disease Study)
で、低蛋白食の臨床的効果が疑問視された。
Levey AS,et al:Am J Kidney Dis27:652,1996

しかし、最近のメタアナリシスではその有用性を認める趨勢もある。
Pedrini MT,et al:Ann Intern Med124:627,1996」

あれっ、最近といっても10年以上前です。

「腎不全保存期治療としての低蛋白血症の有用性に関しては、
文献的には肯定的意見と否定的意見がある。Johnsonは、蛋白制限の
臨床的研究では有効性が証明されないと結論している。
Johnson DW:Intern Med J34:50;2006」

えっ。
昨年の新しい論文でこんな結果が。

しかし、医事新報の総説では
「腎機能悪化阻止には蛋白制限、塩分制限などの食事療法が最も
重要である」
と4つある結論の最初に書かれている。

図5として「食事療法による腎機能の変化」という自験例が出されて、
腎機能悪化速度が蛋白0.7g/kg/日未満で有意に遅くなるとしているが、
SDかSEか分からずt検定の結果も書かれていない。一見して有意差は
いようにみえるのですが。


腎臓病学会としては食事療法の限界は重々分かっていながら、
CKDという新しい概念で、ACEI,ARBなどの降圧剤やスタチン系薬剤
による治療に活路を見い出そうとしているといったら怒られてしまいますね。

腎臓病学会は低蛋白食の有用性のエビデンスをきちんと示して
いただきたい。
すでに公表してみえればごめんなさい。

追記
日本医師会雑誌 平成18年3月号の「(特集)慢性腎疾患」では
食事療法にはほとんど触れられていません。
実際に食事指導を担当する実地医家にとってはまさに
隔靴掻痒です。

CKD診療ガイド
http://wellfrog.exblog.jp/6716781/
CKD診療ガイド2
http://wellfrog.exblog.jp/6719821/

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≪ ブラジリエ ≫  パリジェンヌ

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# by esnoopy | 2007-09-25 00:31 | その他

某製薬メーカーに物申す

以前、某製薬メーカーの(今をときめく範疇の)降圧剤の広告
について書きました。

井蛙内科開業医/診療録 : 右と左(2007.8.17)
http://wellfrog.exblog.jp/6725043/

Medical Tribune 誌に2面を使った派手な広告で心臓を含めた
大血管をカラフルに載せたものです。

医学的に問題になる大腿動脈と大腿静脈の位置関係の誤りが
あったので担当MRを呼んで本社学術課に連絡するようにしました。
しばらくして、当社の間違いであったので以後この広告は中止
するとの回答でした。

普段左足だけがむくむ患者さんには、「解剖学的に左右の血管の走行
が違っているのが原因ですよ」と説明するわれわれ医師にとって
とても大切なポイントです。
この広告で間違った知識を持たれる若い医師もいると思います。

さて件(くだん)の広告は1か月ぐらいは続きましたが、9月初めを
最後に少し地味目な広告に一新されました。

話はそこで終わったと思っていたのですが、昨日郵送されてきた
日本医事新報No4352 2007.9.22に何とその広告が復活して
いるのです。
上記のMedical Tribune 誌だけだと思っていた広告が今度
はより多くの読者がいるどろうと思われる医学雑誌に遠隔メタ(転移)
していたのです。
良性だと思っていたのが悪性だったことがこれでわかりました。

今回は某大学の某教授の名前も出ていました(監修?)。
ご本人に迷惑がかかると思いますし、監修の責任があるとしたら
とんだ恥さらしです。

大人気ないと思って今までは控えてきましたが、抗議を含めて図を
転載させていただきます。

クレーマーと思われるかも知れませんが、広告とはいえ事実を曲げた
情報提供は製薬メーカーの姿勢として問題があります。
苦情を受けながらも広告を続けることは確信犯ということになります。
ましてや医師に向けての広告ということはわれわれ医師を愚弄することに
他なりません。

著作権の問題があるのなら製薬メーカー名を入れておわびのブログを
再アップします。

製薬メーカーには営業所長を通して再度申し入れをします。

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# by esnoopy | 2007-09-23 08:00 | 循環器科

片頭痛とトリプタン製剤

きょうは片頭痛についてお話させていただきます。

片頭痛についてはすでに十分理解されていることと思いますが、概念を整理される
方は以下のサイトをクリック願います。

片頭痛
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000061_0027.html
(頭痛ガイドライン。これ以上詳しく書かれたサイトはないと思います。
「次のページへ」もクリックして下さい)
片頭痛対策編
http://homepage2.nifty.com/uoh/hosp/01taisaku_mig.htm

さて、昨日GSK社から「イミグラン」の「使用上の注意改訂のお知らせ」が
ダイレクトメールが送られて来ました。
トリプタン製剤は現在「マクサルト」「レルパックス」「ゾーミッグ」「イミグラン」
とありますが、たまたま改訂が送られて来たことと投与法が3種類あるという
ユニークさから「イミグラン」をとりあげてみます。
他意はありませんので誤解のないようにお願いします。
誹謗中傷のつもりも全くありませんので悪しからず。

主な改訂内容としては2つです。
まず第1にセロトニン作用の増強に関連する記述が変更されました。
第2に若干の副作用の追加がありましたがここでは省略します。

改訂理由からの抜粋
本剤と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を併用した場合には、
セロトニン作用が増強し、脱力感、反射亢進、強調運動障害等がみられることがある
旨記載し、注意喚起をしておりました。この度、これらの個々の事象について
「セロトニン症候群」として一部表現を改め、さらにSSRIの薬剤の例示として
塩酸セルトラリンを追記いたしました。
またセロトニン・アドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)についても追加記載しました。

<コメント>
この「セロトニン症候群」という記載は他のトリプタン製剤にも共通の改定事項で、
「イミグラン」だけではありません。

改定前
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
改定後
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
セルトラリン(ジェイゾロフト)
ミルナシプラン(トレドミン)

ここで「セロトニン症候群」の紹介です。同じく「お知らせ」からです。

セロトニン症候群の臨床症状は、下痢・腹部膨満感などの消化器症状、不安・焦燥・
錯乱・せん妄などの精神症状の変化、振戦・ミオクロヌスなどの筋のトーヌスに関係
する症状、発汗・血圧変動・頻脈などの自律神経症状、意識障害、発熱など多彩な
臨床症状からなる。

「Sternbachの診断基準」というのがあるようです。
http://pidbgtsv.ps.noda.tus.ac.jp/fukusayouDB/SS/sindankijun/Sternbach.htm
セロトニン症候群
http://pidbgtsv.ps.noda.tus.ac.jp/fukusayouDB/SS/SSmain.htm

さて、もうひとつの「イミグラン」の話題は何といっても自己注射の申請中
ということです。
個人的には高血圧の方が自己注射で事故を起こす懸念や点鼻液があることからも
この動きには賛成しかねます。
何か起これば「自己責任」ということなのでしょうか。
ある情報筋からは群発頭痛の患者さんの組織からの強い要望ということですが
真偽のほどは確かではありません。
厚労省の良識ある判断に期待したいところです。

ブログでは、認可を待ち望む患者さんの生々しい書き込みが数多く見られます。
正しい使用法や注意事項を十分理解されていることを祈るばかりです。
当院では自己注射を希望される方は、他の医療機関に回っていただくつもりでいます。
(トリプタン製剤の群発頭痛への保険適応拡大を厚労省はまず再考する必要があります。)
<参考>
群発頭痛
 これは大変な頭痛であるが、問診で診断がつく。頭痛大学で有名な間中先生の説に、「7つの1」というものがあり、それは「1年に、1回、約1カ月間続く激しい頭痛発作で、1日に(その発作は)1回、約1時間続き、痛みとしては1側の目玉の奥が抉られるような耐え難いもの」である。決まった時刻におこる頭痛でもある。
 群発頭痛の治療には、Sumatriptanの皮下注射が現在最良の手当てであり、同時に100%酸素吸入(6~7litter/min)も用いる。点鼻剤は錠剤よりは人気があるが効果は人によって異なる。またZolmitriptanの錠剤は文献では有用とされる。しかし保険適用があるのは、Sumatriptanの皮下注射のみ。
実地医家のための頭痛診療のコツ
http://www.hhk.jp/info/kenkyu/060705.htm


片頭痛日記
http://blog.so-net.ne.jp/delta16v/2007-01-30
●このブログの方はGSKに電話され、
「イミグランの自己注射薬は昨年(H18)夏に厚生労働省に申請済み。片頭痛の
患者団体と日本頭痛学会からも認可の要望書が提出された。」という回答だった
ようです。
●市町村によって多少異なるものの、イミグランを含むいわゆる「頓服薬」は
たいがい月に10回分が保険適用の限度。
社会保険においてはきちんと個人をトレースしており、複数の病院を回って
月10回分を超える薬を集めた場合はそれが把握され、「今後そういうことをした
場合は超過分について保険対象としない」旨の注意書が送付される。
・・・・知らなかった。患者さんの方が詳しい。
<追記>
片頭痛に関しては実に多くの方がそのつらさをブログに具体的に書いてみえます。
医療関係者は、これらを通してその実態を把握する必要があります。
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他にも片頭痛に関するこんなサイトがありました。
片頭痛薬が効く場合も : 医療ルネサンス
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060808ik01.htm
「片頭痛性めまい」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/soudan/20070610ik01.htm


循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きの話題は
「ふくろう医者の診察室」 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
でとりあげています。


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# by esnoopy | 2007-09-22 00:42 | その他

世界アルツハイマーデー

今日9月21日は世界アルツハイマーデーです。
1994年のこの日、英国エジンバラで国際アルツハイマー病協会がWHO
の後援を受けて宣言したとのこと。

日本では、この日に関する活動の中心的役割は、社団法人認知症の人
と家族の会(国際名:日本アルツハイマー病協会)が果たしています。

参考資料
エーザイ マンスリーDニュース  2007.10

2007年世界アルツハイマーデー記念 第7回もの忘れフォーラム
http://www.asahi.com/ad/clients/monowasure/index.html
社団法人認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/jp/
認知症の人と家族の会代表理事高見国生さん
http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000140610230001

認知症なんでもサイト
http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/boke2.htm(医師開設のサイト。国内/国外の再診情報が紹介されています。)
認知症 初の総合研究
アルツハイマー病原因 厚労省、来年度から
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20070826-OYT8T00089.htm?from=goo
発症遅らす?プログラム
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20061002ik05.htm?from=goo
c0129546_794074.jpg

J トレンツ リャド版画「バガテルの湖
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s68775797


<アリセプト添付文書改訂>
周知のように
高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、
10mgに増量する。
という改訂が2007年9月付でありました。

「軽度及び中等度の」が削除され、「痴呆」が認知症に改訂されています。
http://www2.eisai.co.jp/di2/NO/ART_T-FG_NO_0709.pdf
10mg/日投与では、消化器系副作用に注意が必要とのことです。
当院担当のMRも嘔吐による誤嚥性肺炎には注意して下さい、
というコメントでした。
(個人的には、寝たきり高齢者での服用による嘔吐に伴う窒息が心配です。)

相変わらずウイークリー包装のみで10錠単位の包装はありません。

製薬メーカーはどこを向いているのか
target="_blank">http://wellfrog.exblog.jp/6825637/
添付文書ってどうなってんだろう?
http://wellfrog.exblog.jp/6658308

FDA(米国食品医薬品局)から「アリセプト」の高度アルツハイマー型痴呆の効能・効果追加承認を取得
http://www.fukushi.com/news/2006/10/061016-a.html
(H19.9.25追加しました。)


循環器系の話題は
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」 http://blog.m3.com/reed/
一般の方または患者さん向きの話題は
「ふくろう医者の診察室」 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy               
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# by esnoopy | 2007-09-21 00:15 | その他

プラセボ(偽薬)って?

プラセボって「耳たこ」の言葉です。
最近は臨床試験が目白押しです。
これらの試験の解釈にはプラセボの正しい把握
がかかせません。

最近になって科学的にアプローチした論文(Scientists Unlock
Secrets of the 'Placebo Effect')が出て話題となったようです。
この論文については後で紹介します。

まず最初はプラセボの復習からです。

プラセボとは
「プラセボとはラテン語で、「私は満足するでしょう」という意味です。
1785年に、プラセボという言葉が「ありふれた方法あるいは薬」とし
て初めて医学辞典に載りました。この辞典の2回改訂された後の版
は、プラセボは効果も害もないらしい「気休め薬」となりました。
現在では、プラセボ(偽薬)による効果には良いものも悪いものも
両方あることが知られています。」
プラセボとは何か「メルクマニュアル家庭版」
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec02/ch010/ch010c.html?qt=プラセボ%20&alt=sh
1955年に米国Harvard大学のH. K. Beecher氏が、プラセボ効果
を検証した論文を発表して以来、広く世間に知られるようになりました。

プラセボ(placebo;プラシーボともいいます)とは、薬の成分が入っ
ていなくて薬理作用のないものです。
そしてプラセボ効果とは、患者自身効果があると思い込むことにより、
偽薬を投与しても実際に効果が認められる現象のことをいいます。
このプラセボ効果には2つの要素がかかわっています。
一つは薬の服用による楽観的な結果の期待(被暗示性ともいう)と、
二つ目は自然発生的な変化です。
人間は治療しなくても自然に良くなることも、悪くなってしまうこと
もあります。
プラセボの服用後に自然に変化が起こった場合、それが良い結果
だからとプラセボをほめることも、逆に悪い結果についてプラセボを
非難することも出来ません。

プラセボ効果は心理的な要因が大きいものですから、全ての人
がプラセボに反応するとは限りません。薬や医師、看護師、病院
に対して肯定的な意見をもつ人は、否定的な意見をもつ人より
プラセボに好ましい反応を示す傾向があります。
要するに個人差があるのです。

大脳皮質が関与している症状(特に疼痛)はプラセボによる影響
を受けやすいとされています。

そして臨床の現場では、プラセボは2つの使われ方をします。

一つは、実際に臨床で使われるものです。
例えば、不眠を訴える患者が引き続いて催眠薬を希望する
ような場合に、薬の連用による薬物依存になることを防止す
るため、プラセボを与えることがあります。
この場合、患者が医師と薬に対して信頼感をいだいている
ことが大事なことになります(そのことは普通の薬を飲むとき
でも同じことが言えます。効くと思って飲むのと、効くわけない
と思って飲むのとでは効き方が違ってきます)。

もうひとつは新薬の臨床治験の際、実際の薬の効果を正確
に調べるために、プラセボ薬と実際に薬が入っているものとで
比較して薬効などを調べるというものです。
二重盲検試験によっては、プラセボを服用した参加者の
50%が改善を示すことがあるといわれています。
このような場合には実薬の有効性を立証することは困難
となります。

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さて先ほどお話した論文の紹介です。
「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに

「プラセボ(偽薬)効果」を引き起こす脳の領域が側座核(NAC)にあることが米ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)のDavid J. Scott,氏らの研究によって明らかにされ、医学誌「Neuron」7月19日号で報告された。
Scientists Unlock Secrets of the 'Placebo Effect'
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=606504

「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに
http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2007/2007073004.shtml
(日本語訳が見れます。)
衝動を抑える脳の場所!?
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/1850/brainnews_09.html
線条体
http://ja.wikipedia.org/wiki/線条体
プラシーボとプラシーボ効果について
http://www.page.sannet.ne.jp/onai/Healthinfo/Pracebo.html
プラセボ
http://www.ffortune.net/spirit/sinri/placebo.htm
プラセボ(偽薬)って?
http://d-inf.org/drug/placebo.html
プラセボとは?
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/021024html/index_2.html


医師と患者とくすりの不思議
http://www.fuanclinic.com/byouki/a_20.htm
Is the Placebo Powerless?— An Analysis of Clinical Trials Comparing Placebo with No Treatment
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/344/21/1594
(NEJM誌に掲載された論文。130の論文を検討した結果、プラシーボ効果
について否定的と結論付けた。)
ホメオパシーの効果はプラセボ効果と同一
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20050902hj001hj
ホメオパシー(同種療法)の臨床的有益性は、プラセボ(偽薬)効果と
同じものに過ぎないとする研究報告です。
「Lancet」2007年8月27日号に掲載。


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# by esnoopy | 2007-09-20 00:25 | その他

GOLD

GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disese)は慢性閉塞性
肺疾患の国際ガイドラインです。
2001年にはじめて本ガイドラインが発表されています。
当時COPDは「完全に可逆的でない気流制限により特徴付けられ、この気流制限は
通常は進行性で有害な粒子かガスに対する肺の異常な炎症反応を伴う」と定義
されていました。
今回は改訂版です。
その内容は2006年11月に京都で開催された第11回アジア太平洋呼吸器学会で
公式発表されました。

まずCOPDの定義は次のように変わりました。
■COPD(慢性閉塞性肺疾患)は予防と治療が可能な疾患であり、個々の患者の
重症度を規定しうる、重大な全身への影響をともなう。
■肺病変は、完全には可逆的でない気流制限を特徴とする。
■気流制限は通常は進行性で、有害な粒子やガスに対する肺の異常な炎症反応
を伴う。

まず第一にリスクファクターとして喫煙を明確化して、「予防と治療が可能」という
考えを盛り込んだのが特徴です。
その背景には、2005年2月のたばこ枠組み条約があります。
さらには肺疾患としてのみならず、全身への影響が指摘されるなど、COPDの
早期診断・早期治療の重要性がますます強調された内容となっています。
この全身への影響として体重減少や骨格筋機能障害そして骨粗鬆症、
虚血性心疾患の合併が明記されています。

スパイロメトリーによるCOPDの重症度分類ではステージ0がはずされました。

すでにインフルエンザワクチンはエビデンスAとなっていますが、肺炎球菌ワクチン
がエビデンスBとして位置づけられました。
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高橋常雄(日本美術院同人) 風景画 6号
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大規模スタディー
TORCH(Towards a Revolution in COPD Health)
セレベントとフルタイドの配合剤に関するスタディー
UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)
スピリーバに関するスタディー

<参考資料>
Japan Medicine 2006.12.22

Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD
http://www.goldcopd.com/Guidelineitem.asp?l1=2&l2=1&intId=989
(英文ガイドラインがダウンロードできます。)
クロストークCOPD GOLDガイドライン改訂ポイントと臨床応用
http://www.carenet.com/pulmonol/gold/index.aspx

フルチカゾン/サルメテロール配合剤投与による
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の生存率試験において好結果を得る
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2006_01/P1000334.html
http://www.japancorp.net/japan/article.asp?Art_ID=33062&cid=28503
セレタイド に関するTORCH試験のプロトコールが明らかに
-COPD患者の生存率に関する世界最大規模試験-
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2004_07/P1000265.html
スピリーバ、COPD患者の肺機能(FEV1)の低下を抑制
-1年間のレトロスペクティブ解析研究より-
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2005/2005_04_07.html
<コメント>
GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disese)
一時期現在のCOPDをCOLDと言っていたような。
GOLD,COLD,COPD ややこしいですよね。
http://wellfrog.exblog.jp/6719821
<番外編>
日本医師会雑誌のある号に掲載されていた「なによりも患者さんのためにS製薬」
の広告文です。

いよいよ、時代はジェネリックへ。
1.有効性や安全性、品質は同等です。
2.患者さんのお薬代の自己負担を軽減します。
3.国の医療費の節減につながります。

国の「経済成長戦略大綱」に「ジェネリック医薬品のシェアの大幅な拡大を
目指す」と謳われています。

こちらはこちらで言い分はたくさんありますが、ここでは黙っておきます。
国の後押しがいかにもあるという印象です。
国も「目指す」という弱い表現ではなく、国立大学法人附属病院、独立行政
法人国立病院機構、国家公務員共済組合連合会 、防衛医科大学校などの
医療機関をすべてジェネリック医薬品に切り替えさせるという実行力が必要です。
そして私学助成金を受け取っている「私立大学附属病院」も。
勿論、ジェネリック医薬品に切り替えなければ助成金はカット(私学助成金は
もともと違憲の可能性があります)。
なによりも「先ず隗より始めよ」です。
個人開業医は先発医薬品を従来通り処方させていただきます。

私学助成
http://ja.wikipedia.org/wiki/私学助成
“ジェネリック医薬品”の普及が遅れた日本の事情
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/420/420837.html
後発医薬品
http://ja.wikipedia.org/wiki/後発医薬品

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# by esnoopy | 2007-09-19 00:10 | 呼吸器科

低髄圧性頭痛

きょうは低髄圧性頭痛をおさらいしてみました。

低髄圧性頭痛は病態から脳脊髄液減少症、種々の愁訴があることから低髄圧性症候群
ともいわれます。

すでに多くの先生方は名前は聞いておみえになることと思います。
日常診療で頭痛を訴えられる患者さんは数多くみえます。
どれだけの方がこの病態に一致するのか、可能性が考えられたら脳外科へ紹介して、
はたして脳外科医がとりあってくれるか。
まだまだ問題の多いところです。

知られざる頭痛の原因として専門的には注目すべき疾患です。体内で脳脊髄液が
漏れて(髄液漏)、髄液圧がさがり、頭痛や吐き気などがおこる状態を言います。
体内での髄液漏のために、通常の脳脊髄の検査では、検出されにくいのが特徴です。

●低髄圧性症候群自体は100年近く前から知られている病態である。
●むち打ち損傷後の頭痛などの多彩な症状は低髄圧性症候群によるものである。
(国際医療福祉大熱海病院 篠永正道氏)
●脳脊髄液減少症研究会作成「脳脊髄暫定ガイドライン」
●ICHD-2(国際頭痛分類第2版)による低髄圧性頭痛
に関する診断基準は画期的ではあるが、この基準での座位・立位15分以内に増悪を
必須条件にすると、多くの症例は除外されてしまう。
●この疾患は希な疾患ではない。
●悪化すると、慢性硬膜下血腫などの頭蓋内出血をきたし、記憶障害、運動障害、
意識障害などが出現することもあります。
●ブラッドパッチは有効な治療法である。
●現在、この疾患の画像診断およびブラッドパッチ治療は保険適応外である。
●不定愁訴、外傷性頸部症候群、慢性疲労症候群、うつ病と診断されている患者
のなかに特発性低髄液圧性頭痛が含まれていることも指摘されている。
低髄液圧性頭痛、低髄液圧症候群
http://members.at.infoseek.co.jp/teizui_file/
低髄液圧症候群
http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.201_300/204teizuieki.html(原因不明の低髄液圧症候群患者の20%が慢性疲労症候群と考えられています。)
「低髄液圧症候群」 〜知られざる頭痛の原因〜
http://www.hospital.arao.kumamoto.jp/kongetu_kenkou_zuieki.htm特発性低髄液圧症候群
http://www5e.biglobe.ne.jp/~ebinansc/teizuiekiatu.htm腰椎穿刺などの明らかな外的誘因なく頭蓋内圧の低下をきたす
立って15分以内に起こり、横になって30分以内に改善または消失する体位性頭痛
平均発症年齢は40歳前後であり、約3:1の割合で女性に多い。
特発性低髄液圧性頭痛はどのように診断し,治療するか(2007.9.21追加)
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000061_0022.html
(診断および治療が系統的に詳述されている)
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栁瀬俊雄 「蘭 」
http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e72517405

最後に篠永先生の新聞投稿記事を掲載させていただきます。

2005/8/4 朝日新聞8月2日(東日本)掲載 「私の視点」より
脳神経外科医教授 篠永正道先生 国際医療福祉大学附属熱海病院

一年間の交通事故による負傷者約100万人(昨年は118万人)の5%が6ヶ月以上の
長期にわたり頭や首、腰の痛みや、めまい、耳鳴り、吐き気、視力低下、著しい疲労感
など様々な症状で苦しんでいると推定される。
そのため職を失ったり、家庭が崩壊する例は決してまれでない。
これまで症状が長引く原因として頚椎の関節障害や靭帯損傷、頚部交感神経障害
によるバレリュー症候群、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが取り上げ
られてきた。
しかしどれも多彩な症状が長期にわたって持続することを説明するのは困難だった。
そのために補償金目当ての「詐病」を疑われこともしばしばだった。
今から約5年前、私はむち打ち症後遺症の症状と特発性低髄液圧症候群の症状が
似通っていることに注目し、多くのむち打ち症後遺症の患者さんの腰椎部から脳脊髄液
がもれていることを発見した、
むち打ちの衝撃が一時的に脳脊髄液圧の急激な上昇をもたらし、腰椎部から持続的
に脳脊髄液がもれ続けることにより脳脊髄液が減少し、様々な症状を呈すると考えた
のだ。
特発性低髄液圧症候群(SIH)の治療は臥床安静と十分な水分摂取が主だが、それで
改善しないときは患者さん自身の血液を脊髄硬膜外腔に注入して髄液の漏出を止める
ブラッドパッチ療法が効果的である。
そこでこのブラッドパッチ法をMRI(磁気共鳴断層撮影)などで診断のついたむち打ち症後遺症の皆さんに行い、約7割の患者さんの症状を改善することができた。
ところが、一般的にむち打ち症で患者さんが通う整形外科などの医療現場では認知度が
低く、理解が遅れている。
また、厚生労働省も「むち打ち症と脳脊髄液減少症の因果関係が不明」「学会で
認められているとは言いがたい」などとして、保険診療の適用をいまだ認めていない。
それもあってか治療費や後遺障害示談金を支払う立場の保険会社は概して
むち打ち症後遺症としての脳脊髄液減少症に懐疑的であり、支払いを拒否する例が
後を絶たない。
この疾患が早期に診断・治療されれば、医療費が削減されることは明らかで、
保険会社の治療会社の治療費支払金額もかなり減少するはずだ。
ブラッドパッチ法は患者さんの口コミやインターネットでの情報伝達、テレビ、
新聞などで取り上げられて以来、徐々に広まってきた。
現在までに治療を受けた患者さんは2千人を超えた。
また、全国で患者の会が中心となり、保険適用を求めて署名を行い、いくつかの
府県議会ではこの疾患の正当な評価と治療法の確立を求めた議決がなされてもいる。
一方 約3年前からは数十人の医師があつまり、脳脊髄液減少研究会を立ち上げ、
この疾患についての研究・情報交換を行っている。
しかしこの疾患に関してはなぜ多彩な症状が出現するのか、どのように脳脊髄液がもれるのかなど基礎的な研究は大きく立ち遅れている。
さらに有効な治療法の開発も望まれる。
むち打ち症後遺症患者がブラッドパッチ治療を求めて限られた医療機関に殺到している
現状を踏まえると医学会、行政、法曹界、保険会社などがこの問題に積極的に
取り組む時期に来ていると考える。
交通事故被害者の救済のため、一刻も早い治療体制・研究体制の確立を
願ってやまない。

<コメント>
まだまだ病名自体が市民権を得ていないようです。
これは2年前の記事ですが現在の状況はどうでしょうか?
脱水でも低髄圧性頭痛が来るという考えから点滴を行い頭痛が軽減するか
どうかをみる先生もいます。
たしかに片頭痛などでは嘔吐、食欲低下も手伝って大なり小なりの
脱水が起こっているものと思われます。

<番外編>
ケアネット・ブログにこんなアンケートが載っていました。
どれも知らない私は異常でしょうか?
数多くある医療ドラマ!その中の主人公の医師も多種多彩だ。先生が好きな主人公(医師)は?

 Drコトー診療所の五島健助
 白い巨塔の里見脩二
 救命病棟24時の進藤一生
 ブラックジャック
 ドクターK
 赤ひげの新出去定
http://blog.carenet.com/debate04/002425.php

山本学が演じていた里見脩二は何となく分かります。
財前教授は田宮二郎の印象が強烈で唐沢版は見ていません。
こんなこと言ったら年がばれちゃいますね。
http://homepage1.nifty.com/dorama/siroi.htm


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# by esnoopy | 2007-09-18 00:47 | その他

体外衝撃波結石破砕術で糖尿病・高血圧が発生?

腎結石の体外衝撃波治療で糖尿病などリスク増大

腎結石の治療では、結石を体外から衝撃波で破砕する「体外衝撃波結石破砕術」がよく用いられるが、この治療法を受けた患者は、他の治療を受けた患者に比べ、その後数十年間での糖尿病発症率が約4倍、高血圧リスクが約50%高いという報告が、医学誌「Journal of Urology」4月号に掲載された。しかし医師らは慎重な姿勢を示している。

この続きは以下をクリックして下さい。
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20060421hj000hj
<コメント>
昨年4月の記事ですからトピックスではありません。
文中では反論もあり、決定的事実ではないみたいです。
日本の施設では安全な治療法として、このことに触れた説明は少なくともサイトでは見当たりません。
もし事実ということでしたら術前に説明する必要があります。
泌尿器の専門医ならこの論文は読んでいるはずですから。
薬害エイズ訴訟の時ように、ESWLを施行したその時点で医学常識だったかどうか、が係争されなければよいのですが、先々ちょっぴり心配です。
個人的には数ミリの尿管結石のために糖尿病や高血圧になって命を縮めるのはまっぴらです。
さて、内科医としてこのESWLのために泌尿器科に紹介する際、わざわざ患者さんにこの可能性について説明するかどうか? 悩むところです。
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衝撃波治療は循環器領域にも応用されています。

狭心症の衝撃波治療
心臓病に「衝撃波治療」、東北大が臨床試験へ
(これも2005年11月のいささか古い記事で申し訳ありません。結石治療の10分の1程度の弱い出力の衝撃波ということです。まさか「心臓震盪」は起こらないとは思いますが。)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20051105ik01.htm?from=goo


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# by esnoopy | 2007-09-15 00:05

胃がん術前化学療法

胃がんなどの固形がんには化学療法は効かないという認識を消化器科門外漢
としては考えていました。
最近TS—1といった副作用の少ない経口剤も開発され
たこともあり術前後化学療法が見直されているようです。
きょうは胃がんでの術前化学療法について少し勉強してみました。

まず胃がんの現在の標準的治療法というものをみてみました。

1)手術
2)化学療法
3)放射線療法
4)化学放射線療法
(術後はアジュバント療法、
 術前はネオアジュバント療法)

その他として最近では生物学的療法(バイオセラピー、免疫療法)が
行われています。

Chemotherapy Before Surgery May Increase Survival in Stomach Cancer
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/results/preop-chemo-gastric0707
Stomach Cancer Trial Results
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/results/stomach
手術の前に行う化学療法(術前化学療法)

手術で切除できると思われるがんでも、まず抗がん剤で小さくしておいて
から手術するほうが、より確実に切除できるという考え方があります。
一方、切除不能ながんも、抗がん剤で小さくすれば切除可能になるかも
知れません。
これをめざして行うのが術前化学療法というわけです。
ところが術前化学療法がまったく効果がなかった場合、単に手術が
遅れるだけでなく副作用で手術の条件が悪くなることも考えられます。
したがって術前化学療法を行うかどうかは、科学的根拠にもとづいて
慎重に決定する必要があります。
現在、さまざまな抗がん剤の組み合わせが試されています。
米国では、さらに放射線照射を組み合わせる治療も試みられています。
術前療法は有望ではありますが、まだまだ実験的な段階である
ともいえます。

胃がん
国立がんセンター がん対策情報センター
がん情報サービス
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/stomach/treatment_07.html
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)
http://www.jcog.jp/STUDY_GROUP/grop_gcssg.htm
胃がん(欧米と日本の相違点)http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/med_info/cancer/stomach01.html
(内容:米国ではD0/D1郭清という、いわば不十分な局所制御のあとに
化学放射線療法を加えることの有用性がRCTで示されました。
術前化学放射線療法など、照射を中心とした補助療法の臨床試験が
展開されています。
欧州では3剤併用化学療法による術前化学療法のRCTが行われ、
これが生存に寄与するという結果が得られました。)

がんの進行度による治療選択(表)
http://health.nikkei.co.jp/hranking6/index.cfm?i=20050117pl003pl
新薬と併用、高い効果
http://health.nikkei.co.jp/hranking6/index.cfm?i=20050117pl001pl(5—FUを改良した新薬「TS—1(ティーエス・ワン)」について紹介)
c0129546_17501189.jpg

セザンヌ  リトグラフ  青い山
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h52567223


症例「年100例以上」でも格差——経験生かす体制カギ<胃がん治療成績編>
http://health.nikkei.co.jp/hranking6/index.cfm?i=20050109
(術者が胃がんの手術に特化し、なおかつ1名から数人までの少ない術者の
場合に成績がいいようです。リンパ廓清は有効なんですね。)

<私はこう読む>治療方針の違い影響か
http://health.nikkei.co.jp/hranking6/index.cfm?i=2005010902788pl(治療成績の病院格差が結構あるのには驚きました。)


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# by esnoopy | 2007-09-14 00:16 | 消化器科

見過ごされる"ささやき型"脳卒中も脳にダメージ

症状がごく軽度であるため見過ごされたまま放置されてしまう "ささやき型(whispering)"脳卒中に罹患する患者が、米国では極めて多数存在しているという。

米医学誌「Stroke」オンライン版に8月2日掲載された報告によると、被験者2万2,000人うち約18%がその症状を経験したことがあると回答しており、経験者は身体機能および精神機能が正常より低いことがわかった。
研究を報告した米アラバマ大学バーミンガム校のGeorge Howard氏は、この種の脳卒中は大きな問題だと述べている。

今回の研究の被験者は、40%が黒人で、半数が女性。
被験者は自分の精神および身体の状態に関する標準的な質問のほか、以下のような脳卒中の症状の有無についての質問に回答した:

・顔や腕、脚、特に身体の片側にみられる突然の麻痺や脱力。
・突然の混乱、発語や理解の困難。
・片方の目が突然見えにくくなる。
・原因不明の突然の強い頭痛。
・突然の歩行困難、めまい、バランスや協調の低下。

全体で約3,400人の被験者がこのような症状を経験していながら、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)のいずれとも診断されていなかった。患者自身または医師が、治療を要するほどの症状とは考えなかったとHoward氏は推測している。
 Howard氏は「現在、この群に脳卒中のリスク増大がみられるかどうかを検討しており、リスクの増大が認められれば、血液凝固を防ぐためアスピリンなどによる治療が必要だ」と述べている。

 米国心臓病協会(AHA)のE. Steve Roach博士は「症状のない脳卒中の存在は1世紀前から指摘されており、医学的に新しいものではない」という。
しかし、いわゆる「沈黙型(silent)脳卒中」あるいは「ささやき型脳卒中」の罹患率がこれほど高いという事実は、このような症状を患者自身、医師ともに見過ごしてはならないという明確なメッセージだとRoach氏は指摘している。

http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2007/2007081303.shtml

'Whispering Stroke' Can Cause Lasting Damage
http://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=83008
(上の論文の英文での紹介記事です。)

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<コメント>
MRIにてラクナ(楽な?)梗塞などの微小血栓の所見を見る度に、この患者さん達は血栓を起こした時に本当に何の症状もなかったんだろうかと思ってしまいます。
現に私などもMRIをとればかなりの梗塞巣が見つかるはずですが何のエピソードも思い当たりません。
この論文では結局TIAやRINDのことなんだろうと言ってしまえばそれまでのことです。
実際そういうことだと思います。
ネットで検索しても'Whispering Stroke' に相当する他のサイトは見つかりませんでした。
'Silent Stroke'  'Whispering Stroke' なかなかチャーミングな命名です。
結局'Whispering Stroke' は'Warning Stroke'ということなんでしょう。

アスピリン服用と車の運転はどちらが危険か
http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2007/2007052101.shtml
(アスピリン服用による死亡リスクは、車の運転または消防士の仕事と同程度である。)
<コメント>
アメリカ人のアスピリン好きはつとに有名です。
この論文はこのことを自虐ネタ的に扱っているものと思われます。
皆様は'Silent Stroke' 予防にアスピリンを服用してみえますか。
ちなみに私は服用しています。
とにかく安い薬ですから
一次効果と思って飲んでいても実際は二次効果としてバッチリ効いているかも知れません。

知らぬが仏。
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# by esnoopy | 2007-09-13 00:17 | その他